【コラム】インドネシアの人気遊園地と今後の展望

日本でも家族連れのお出かけ先として人気のある遊園地ですが、インドネシアにも様々な遊園地が各地にあり、休日は家族連れで大いに賑わっています。特に、インドネシアは人口拡大期にあり子どもの数が多いという背景もあって、遊園地や水族館など家族連れ向けの施設の需要がますます高まっています。

今年7月には、カリマンタン島への首都移転計画の担当者が、新首都ヌサンタラへの移転に当たり将来的にディズニーリゾートを誘致したいと述べたことでも話題になりました。ディズニーリゾート誘致は今のところ実現の見通しは立っていませんが、以前の記事でもご紹介したように、遊園地をはじめとする娯楽施設の需要がコロナ禍を経て再び盛り上がりを見せているのは確かです。

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今回は、インドネシアで人気の遊園地とその特徴をご紹介しつつ、今後建設が予定されている大規模遊園地についても解説します。

インドネシアで人気の遊園地
①Dunia Fantasi(ドゥニアファンタジー) / ジャカルタ
②Jungle Land(ジャングルランド) / ボゴール
③Trans Studio(トランススタジオ) / バンドン、バリ、デポック
④Jawa Timur Park (ジャワティムールパーク) / バトゥ

1.インドネシアで人気の遊園地

インドネシアの遊園地、と一口に言っても、広大な敷地を持ち遊園地以外の施設も備えた、複合娯楽施設と呼ばれるところから、デパートの屋上にある小規模なものまでさまざまですが、ここではとりわけ各地で有名な遊園地に注目してご紹介します。

①Dunia Fantasi(ドゥニアファンタジー) / ジャカルタ

出典:Ancol (https://www.ancol.com/wahana/ontang-anting–11)

通称Dufan(ドゥファン)と呼ばれるこの遊園地は、インドネシアの中でも最大規模の娯楽施設Ancol Dreamland(アンチョールドリームランド)の中に位置しています。Ancol Dreamlandは、ジャカルタ北部のリゾート地アンチョール地区の中にあり、552ヘクタールの敷地内には遊園地の他にもホテルやビーチ、水族館、ゴルフ場があります。
Dufanはおよそ21ヘクタールで、日本の西武園ゆうえんちとほぼ同じ大きさです。Dufan内には40以上のアトラクションがあり、ジャカルタ、インドネシア、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、ギリシャをイメージしたエリアに分かれています。

出典:Ancol (https://www.ancol.com/wahana/paralayang–6)

チケットの料金は、2023年現在でAncol Dreamlandへの入場料Rp25,000(約240円)に加えてRp325,000(約3,120円)となっています。インドネシア国民の平均月収が約3万円ということから考えると、決して安くはない値段であると言えます。一方で、年間パスポートを買ってもRp399.000(約3,830円)と、2回行けば元が取れるようになっており、リピーターを獲得しやすくなっていることが特徴です。

参考:https://indonesiaexpat.id/travel/amusement-theme-parks-visit-indonesia/
https://www.kompas.com/tren/read/2023/06/29/070000765/update-harga-tiket-masuk-dufan-2023-dan-cara-belinya?page=all  (アクセス日:2023/09/27)

②Jungle Land(ジャングルランド) / ボゴール

出典:Jungle Land (https://jungleland.id/galeri/)

ジャカルタから南に車で1時間半ほどのボゴール市にあるJungle Landは、35ヘクタールの自然豊かで広大な敷地の中に33のアトラクションが点在しています。チケットは平日Rp155,000(約1,488円)、休日 Rp175,00(1,680円)と、先ほどご紹介したDufanよりも広い敷地ながら、郊外ということもあり少し低めの価格設定となっています。
家族全員で楽しめるミラーハウスやボートなどのアトラクション、大人向けの絶叫系のアトラクション、子ども向けのミニ回転ブランコなどのアトラクションの3つに分かれており、家族みんなで楽しめる遊園地をコンセプトにしています。
また、Taman Jepanという日本をコンセプトにしたスペースもあり、インドネシアでの日本文化の広がりを感じられるスポットになっています。

出典:Jungle Land (https://jungleland.id/wahana/)

参考:https://jungleland.id/ (アクセス日:2023/09/27)

③Trans Studio(トランススタジオ) / バンドン、バリ、デポック

出典:Trans Entertainment (https://www.transentertainment.com/transstudio/bandung/arena)

Trans Studioは、大型ショッピングモールに併設されている屋内型テーマパークです。買い物ついでに遊ぶことができ、子供連れの家族に大人気の施設です。Trans Studio はバンドン、バリ、デポックの3都市にありますが、中でも特にメジャーなのが、西ジャワ州州都のバンドンにあるTrans Studio Bandungです。屋内施設ながら広さは4.2ヘクタールあり、日本だとサンリオピューロランドと同じくらいの大きさです。魔法の世界、古代遺跡、ハリウッドスタジオの3つのエリアに分かれており、本格的なジェットコースターやライドが楽しめます。
入場料は、平日がRp200,000(約1,918円)、土日祝はRp300,000(約2,878円)と土日祝日になるとかなり割高になります。
日本では、最近ショッピングセンターにテーマパークが併設されるものが減っていますが、インドネシアではこの形態のテーマパークの人気が高いようです。

出典:https://www.transentertainment.com/transstudio/bandung

④Jawa Timur Park (ジャワティムールパーク) / バトゥ

出典:Jawa Timur Park Group (https://jtp.id/award/65/17-tahun-berdiri-akhirnya-jatim-park-1-raih-penghargaan-tripadvisor/index.html)

東ジャワ州のバトゥ県に位置しJatim Park(ジャティムパーク)とも呼ばれているこちらは、計3つのパークから構成されており、東ジャワ観光における有名な観光地の一つとなっています。チケットは他の遊園地とは異なり、チケットごとに対象アトラクションの組み合わせが異なっており、平日はRp,35,000~150,000(約336~1440円)、土日祝はRp40,000~170,000(約384~1632円)の価格帯でそれぞれチケットが販売されています。
Park1は家族で楽しみながら学ぶというコンセプトのもとジェットコースターや回転ブランコなどのアトラクションと伝統文化の博物館から構成されており、Park2は自然と触れ合うというコンセプトで、動物園、様々な植物や花を展示したエコグリーンパーク、世界各地の様々な動物を展示したアニマルミュージアムなどから構成されています。Park3はイマジネーションの世界をコンセプトに恐竜のレプリカを展示したダイナソーパークや、日本や中国など東アジアの文化をテーマにしたレジェンドスターズパークなどがあります。

出典:Jawa Timur Park Group (https://jtp.id/jatimpark3/milenialglowgarden/info-harga-tiket-masuk-fasilitas-dan-wahana-milenial-glow-garden-april-2021/)

Park3は近年アトラクションの追加も進んでおり、3D眼鏡を使用したシューティングゲームや、映像を部屋全体に投影した展示やイルミネーションなどのあるミレニアルグロウガーデンというエリアが人気になっています。特にミレニアルグロウガーデンはさながら日本のチームラボを想起させるような内容で、SNS映えするため、これまでの家族連れだけでなく若者にも人気になっています。

ジャカルタ近郊や観光地では比較的チケット料金が高い傾向にありますが、DXの進んでいるインドネシアではチケットをオンラインで事前に購入して携帯でチケットを表示して入るところが多く、その際コード決済や電子マネーの活用で割引になるところも多くあります。
写真でもご紹介したように、インドネシアの遊園地は、回転ブランコやミラーハウスなど、日本の昭和の遊園地を思い起こさせるようなアトラクションがまだまだ主流です。ただ、今後Jawa Timur Park3のように、SNS映えするデジタル技術を活用したアトラクションが増えていくかもしれません。

2.2023年以降にインドネシアに開園予定の遊園地・テーマパーク

既に様々な遊園地が存在するインドネシアですが、今後、バリとジャカルタにそれぞれ大規模な複合型娯楽施設が誕生することが分かっています。
ジャカルタにMNCワールドリドという名の大型テーマパークが2024年以降にオープンする予定です。
運営を行うMNCグループは、インドネシアのメディア最大手で、インドネシアのテレビ局を3つ所有しているインドネシア財閥のうちの一つです。MNCグループは既に、2,000ヘクタール の土地を購入しており、遊園地、ゴルフ場、ホテルを含む第一段階の建設は2027年に完了する予定となっています。
また、このテーマパーク建設の総投資額は20億ドルと推定されており、東南アジア最大級のテーマパークになると予想されています。ジャカルタ近辺でのレジャー施設はこれまでDufanのあるアンチョール地区のAncol Dreamland(アンチョールドリームランド)が最大でしたが、MNCワールドリドが開園すれば、ここはジャカルタのみならずインドネシアの新たな目玉観光地のひとつになるのではないでしょうか。

一方バリにも、「ディズニーランド級」と目されるTaman Kerti Bali Semesta(タマン・クルティ・バリ・セメスタ) 、通称TKBSという大型テーマパークの開園が2026年に予定されています。こちらを運営するのはテクノロジー、エンターテイメント、観光の分野で事業を展開するインドネシアの企業であるKIOSで、国際テーマパークというコンセプトを掲げ、2022年にパラマウント映画と契約を締結しました。
敷地は600ヘクタールの予定で、2023年夏に起工式が行われました。美しい自然の中で、パラマウント映画の世界を、インドネシア文化と組み合わせて紹介すると謳われており、MNCワールドリドと同様、遊園地のほかにホテルなども併設した複合型娯楽施設になる予定です。

参考:https://asia.nikkei.com/Business/Business-trends/Giant-theme-park-and-smart-city-to-open-near-Jakarta-in-2024
https://travel.kompas.com/read/2022/08/15/163900627/bali-akan-miliki-theme-park-internasional-seluas-57-hektar?page=all 
https://www.detik.com/bali/berita/d-6583003/tkbs-taman-hiburan-sekelas-disneyland-di-bali-rampung-dibangun-2026 (アクセス日:2023/09/27)

今回は、インドネシアにおける遊園地・テーマパークについてご紹介しました。
今後も経済発展に期待が持てるインドネシアは、中間層~富裕層人口が増加しており今後は更に娯楽関連の需要が高まっていくのではないでしょうか。また、デジタルコンテンツやアトラクションの充実など、既存の遊園地がさらに進化していくことも考えられます。

弊社では、インドネシアにおける様々な調査や現地視察などの実績がございます。
ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

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