【コラム】インドネシアへの海外送金と関連する法規制

インドネシアでは、通貨に関する法律2011年第7号(6月28日付)によって、インドネシア国内での金銭取引はルピアの使用が義務付けられています。
https://peraturan.bpk.go.id/Home/Details/39182/uu-no-7-tahun-2011

「インドネシアではルピアの使用が義務付けられている」というイメージから、日本からインドネシアに送金する場合もルピアでないといけないのではないか、というお問合せをよくいただきます。

例えば、インドネシア現地に設立した法人と親子ローンを組みたいが、円で日本からインドネシアに海外送金しようとしたら、日本の銀行から「インドネシア国内ではルピアの使用義務があるため、インドネシアの法律・規制に抵触する可能性がある」と指摘が入った、というケースが多々ございます。

実は、国同士の融資契約など、インドネシアと他国をまたぐ場合については、片方が海外に所在地がある場合は例外として外貨建てでよいとされているのです。

インドネシア国内におけるルピア通貨の使用に関する規制は2015年のインドネシア中央銀行令17/3/PBI/2015号(Peraturan Bank Indonesia Nomor 17/3/PBI/2015)に記載されています。上述の通り、インドネシア国内での金銭取引は原則ルピアを使用することが義務づけられていますが、いくつか例外があり、その例外は上記の法律の 第4条eと第9条に記載されています。

以下、インドネシア国内でのルピアの使用義務と例外について、2015年のインドネシア中央銀行令17/3/PBI/2015号(Peraturan Bank Indonesia Nomor 17/3/PBI/2015)から該当の記載箇所の抜粋です。

第2章
第2条
(1)各当事者は、インドネシア共和国の領域内で行われる取引でルピアを使用する義務がある。
(2)(1)で言及される取引は以下の通り:
 a.支払いを目的としたすべての取引
 b.金銭で解決されなければならない債務の履行
 c.その他の金融取引

第3章 ルピア使用義務の例外
第4条 第2条 項(1)で記載されたルピアの使用義務は以下の項目では例外とされる。
 a.国家予算の執行に関連する取引
 b.海外間での贈与の受領または授与
 c.国際貿易取引
 d.外貨での銀行預金
 e.国際金融取引

第9条
1)第4条eに記載されている国際金融取引は、融資の提供側または受取側のいずれかがインドネシア国外に居住している場合のみ実行が可能。
2)(1)で言及されている融資の提供側が金融機関である場合、金融機関とインドネシア国外の当事者との間でルピアの外国為替取引に関する規定を順守する義務がある。

インドネシアの法律は複雑で分かりづらく、変更・改正も多いため、最新の正しい情報の取得が難しいのが現状です。
また、インドネシアでは法律が制定されたとしても罰則規定や詳細手順が記載されていないことも多々あります。しかも、関連省庁の大臣令(Peraturan Menteri)まで細かく調査する必要があります。

弊社はインドネシアにもスタッフがおりますので、地方令の改正時にも現地で詳しい情報を収集できます。また、アドバイザリーとしての進出サポートも可能です。インドネシア進出をお考えの方は是非、弊社までお気軽にご連絡ください。

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