【コラム】インドネシアの自然災害

近年、世界各国で地震や台風、山火事などの自然災害が頻発しています。
インドネシアは地震大国と言われており、毎年多くの地震が発生しています。
また、その他にも数々の自然災害が発生しています。
今回のコラムでは、インドネシアの自然災害についてご紹介します。
インドネシアで多い自然災害の種類
以下はインドネシアで発生している自然災害の種類です。
地滑り
地滑りは、斜面が滑り落ちてくるため、山のふもとにある集落に被害が及ぶことが多い自然災害です。
インドネシアで過去10年間で最も死者数が多かった地滑りは、2014年12月に発生したインドネシアの中部ジャワにあるパンジャルネガラという地域で発生した地滑りです。
断続的な大雨が続き、その結果地滑りが発生しました。
約105軒の家が被害にあい、数百人が犠牲になりました。
地震
インドネシアは地震を引き起こす活発なプレートのうえにあり、1年を通して大小様々な地震が発生します。
インドネシアで一番被害が大きい地震は、2004年に発生したスマトラ島沖地震です。
この地震は、マグニチュード9.3を記録し世界で5番目に大きい地震と言われています。
地震だけではなく、高さ30mにも及ぶ津波も発生し、インドネシア国内で死者数16万9,000人に及びました。
その他、2006年に発生したジャワ島中部地震(死者数6,234人/負傷者数約9万人)、2018年に発生したインドネシア・パル地震(死者数2,113人/負傷者数4,612人)など、インドネシアでは大規模な地震が定期的に発生しています。
火山噴火
インドネシアには129もの活火山が存在しており、火災噴火が発生する頻度も高いです。
インドネシアで最も死者数が多かった火山噴火は、1815年に発生したタンボラ山の大噴火です。
タンボラ山は、インドネシアの西ヌサトゥンガラ州にある、スンバワ島にある山です。
この大噴火は人類史上世界最大の火山噴火と言われています。
タンボラ山の噴火により、地球の気温が0.4〜0.7℃低下したことで、夏でも低温な気候となり世界各地が異常気象となりました。
この噴火による死者数は8万人にも及びました。
最近では、バリのアグン山の噴火(2018年)による火山灰の影響で空港が閉鎖したり、インドネシアの中部ジャワにあるスメル山の噴火(2022年)で2,500人が避難したりと、現在でも頻繁に火山噴火が発生していることがわかります。
津波
日本では、津波は地震により引き起こされるイメージが強いですが、地震の他に火山噴火からも引き起こされます。
インドネシアで最も被害が大きかった津波は、1883年のジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡に位置するクラカタウ島で発生した火山噴火により発生した津波です。
火山の噴火により40mの津波が発生し、死者数は3万4,000人と推定されています。
この火山噴火によりクラカタウ島は完全に破壊され、火山によって生じたカルデラの真ん中に別の火山が形成されました。
また、2004年に起こったスマトラ島沖地震により発生した、インド洋津波も被害が大きく、インドネシアだけではなく、タイ、マレーシア、インド、スリランカ、モルディブ、アフリカ大陸まで津波が到達して多くの人が犠牲になりました。
洪水
洪水は大雨によって引き起こされます。
ジャカルタなどの都市部では大雨に加え、地面のコンクリート化、地盤沈下、ゴミ詰まりなど様々な要因により洪水が引き起こされています。
そのため、雨季になると、インドネシアの都市部では冠水した道路のうえをバイクで走る光景が多くみられます。
また、郊外では、鉄砲水による洪水の被害も多く見られます。
2003年にインドネシアの北スラウェシ州にあるブキラワンで鉄砲水による洪水が発生し、死者数が200人以上に及びました。
インドネシアでは近年の森林伐採により、地面に水を蓄えることができなくなり、鉄砲水が発生することがしばしばあるようです。
竜巻
インドネシアでは雨季の時期に竜巻が発生することが多いです。
2022年の5月に、インドネシア西部にあるバンテン州レバクで大規模な竜巻の被害がおきました。
この竜巻により、80の家屋と学校が被害に遭いました。
参考WEBサイト:https://indonesiabaik.id/infografis/mengenal-angin-puting-beliung
今後予想されるインドネシアの自然災害
以下は、今後インドネシアで発生されると予想される自然災害です。
干ばつ
インドネシアの気象気候地球物理庁(BMKG)によると、海面水温が高くなるエルニーニョ現象の発生により2023年以降にはインドネシアで雨量が減少すると予想されています。
そのため、干ばつが発生すると予想されています。
現在、インドネシアの降水量はスマトラ島中部、カリマンタン島中部、パプアの一部地域で減少していることがわかっており、干ばつへの危険性が高まっています。
森林火災
暑くて乾燥した天候により、森林地帯や野原で火災が発生する森林火災ですが、エルニーニョ現象の影響で、インドネシアで乾季が続くと発生する可能性があると予想されています。
森林火災は、大規模になると食い止めることが難しくなるため、スプリンクラーの設置など事前の対策が必要です。
参考WEBサイト:https://www.inilah.com/bencana-alam-yang-sering-terjadi-di-indonesia
今回のコラムでは、インドネシアの自然災害についてご紹介しました。
インドネシアでは、様々な自然災害に見舞われており、日本と同じように災害大国であることがわかりました。
また、急激な経済発展を遂げているインドネシアでは、森林伐採、ゴミの廃棄問題などにより災害の被害が拡大していることがわかります。
地震や津波、火山噴火など自然発生する災害は難しいですが、洪水など一部被害を縮小できる自然災害もあるのではないでしょうか。
また、自然災害から身を守る「防災」についての正しい情報を知り、自身の身を守ることもインドネシアの人々にとって急務と言えます。
同じ島国で災害大国である日本の知識や経験は島国のインドネシアで今後活かしていけるのではないでしょうか。
そして、そこには日本の優れた技術等の参入余地は充分にあるのではないでしょうか。
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