【コラム】インドネシアのミネラルウォーター事情〜消費量、人気ブランド〜

近年日本でも、飲み物としてミネラルウォーターを購入することが一般的になってきました。
インドネシアでは水道水を飲むには煮沸する必要があるので、飲料水としてミネラルウォーターを購入することがほとんどです。
今回のコラムでは、インドネシアのミネラルウォーター事情についてご紹介します。

インドネシアのミネラルウォーター販売の歴史

インドネシアで初めてボトル入りのミネラルウォーターを発売したのは、オランダ人のHendrik Freerk Tillemaでした。
1910年代に、発売しましたが非常に高価であったため、その当時は国内であまり広まりませんでした。

その後1973年に、Tirto UtomoによりミネラルウォーターAquaが発売されました。
Aquaの発売は、アメリカの出張からインドネシアにきたゲストが水道の水をそのまま飲み、お腹を下したことで、「清潔で健康的な飲料水を提供したい」という創始者の思いから始まりました。
最初は、ビンに入れて販売されていましたが、販売数が悩ましくペットボトルへ変更したことで遠くにも輸送が可能になり、徐々に広まっていきました。
そして、その後インドネシアで一番人気のあるミネラルウォーターブランドと成長し、またミネラルウォーターを飲料水として飲むことが一般的になりました。

参考WEBサイト:https://historia.id/ekonomi/articles/sejarah-air-minum-kemasan-vJjgM/page/2

インドネシアのミネラルウォーターの消費量

インドネシアの家庭では、ウォーターサーバーが設置されていることが多く、以下の画像のような大容量のガロン容器を使用することがほとんどです。

(画像:https://aqua.co.id/brand/aqua-galon

インドネシア全土でのミネラルウォーターの消費量は、ガロンのボトルが1日あたり100万個消費されており、年間で10億個分のガロンボトルに入った水が消費されています。
※ここでの1ガロン=19リットル

参考WEBサイト:https://www.suara.com/health/2023/07/30/085343/masyarakat-indonesia-konsumsi-air-mineral-sampai-1-miliar-galon-dalam-setahun
https://www.sehataqua.co.id/aqua-galon-berapa-liter/

インドネシアで好まれているミネラルウォーターブランド

日本では、ペットボトルの水を販売しているブランドと、ウォーターサーバーのような大容量で販売しているブランドが別のことが多いですが、インドネシアでは、ひとつのブランドでガロンもペットボトルも販売しているところもあり、またスーパーやコンビニなどで気軽にガロンのボトルを購入することができます。
また、ペットボトルの場合は、容量別に330~350ml/600ml/1500ml単位で販売されています。
価格は、600mlのペットボトルで20〜40円程度となります。
以下は、インドネシアで好まれているミネラルウォーターブランドです。

Aqua

(画像:https://aqua.co.id/brand/aqua)

1973年に初めて製造されて以来人気のある老舗であり、且つ人気の高いミネラルウォーターブランドです。
インドネシアのスーパーやコンビニのどこにいっても店頭に並んでいます。
発売当時は、価格が効果で外国人観光客をターゲットに販売されていましたが、徐々に価格が手頃になり、インドネシアの人の間でも親しまれるようになりました。

Le Minerale

(画像:https://www.leminerale.com/

インドネシアのミネラルウォーターのニーズが高まったことで、2015年に発売が開始され、インドネシアの各地に工場を持っています。
ミネラルウォーターブランドしては、新規参入のブランドですが、人気が高くインドネシアの各地で販売されています。
また、食品飲料会社としてコーヒーキャンディーを発売しているMayora Indah社を親会社に持ちます。

Nestle pure life

(画像:https://nestlepurelife.id/produk/nestle-pure-life-600-ml-x-24/

世界的に有名なネスレが販売しているミネラルウォーターブランドで、インドネシアでは2005年より販売開始されています。

Ades

(画像:https://www.coca-cola.com/id/id/brands/ades  https://www.i-lohas.jp/

Adesは、Coca-Cola Bottling Indonesia社と、Akasha Wira International社によって、1986年より販売されているミネラルウォーターです。
上記3つに比べると人気は落ちますが、日本人には馴染みの深いボトルデザインと言えます。
こちらのデザインに見覚えがある人もいるかもしれませんが、日本でよく知られているい・ろ・は・すのインドネシアバージョンで、パッケージもい・ろ・は・すと似ていることがわかります。

その他にインドネシアで人気のあるミネラルウォーターブランドは、Vit、CRystalline、Cleo、などが存在しています。

参考WEBサイト:https://www.goodnewsfromindonesia.id/network/content/7-merek-air-mineral-favorit-masyarakat-indonesia-2022-xFdfcX

今回のコラムでは、インドネシアにおけるミネラルウォーターについてご紹介しました。
近年経済発展が著しいインドネシアにおいて、綺麗な水へのアクセスへの関心は今後も高まることが予測されます。

また、近年インドネシアではプラスチックのゴミが大量に排出されていることが問題となっており、インドネシア政府は2025年までにインドネシアの海洋プラスチックを70%削減することを目標に掲げています。
そのため、ミネラルウォーターブランドもプラスチックそのための取り組みを求められており、Aquaは、プラスチックごみの回収を行ったり、廃棄物についての教育キャンペーンを行なっています。
インドネシアでは今後もこういった取り組みが増えてくると予想されます。

日本の飲料メーカー様や、プラスチックゴミについて関心のある企業様、インドネシアの今後の動向にご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

日本とインドネシアに拠点を持つ弊社では、様々な分野の現地調査、現地への視察などの経験がございます。
また、その他の分野のインドネシアへビジネスを展開する際も、お気軽にご相談ください。

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株式会社インドネシア総合研究所
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