【コラム】最新インドネシア経済状況:2022年第二四半期(4月-6月)
インドネシアの中央統計局(BPS)は、2022年第2四半期(インドネシアでは4月-6月)の国内総生産(GDP)が、前年同期比で5.44%成長したことを発表しました。この値は、ロイターの世論調査による中央値予想5.17%増と、第1四半期の同実績の5.01%増を上回り、ここ1年で最も高い成長率となりました。
中でも輸出は前年同期比で20%近く拡大し、前四半期の同伸び率が16.22%であったことと比較しても、高いレベルの成長を記録したことが分かります。第二四半期に輸出が拡大したことの背景には、ロシアとウクライナ間の戦争が挙げられます。
東南アジア最大の経済大国であるインドネシアは、パーム油、石炭、ニッケル、錫の主要輸出国です。ウクライナ情勢によりこうした商品の価格が上昇したため、インドネシアでは輸出が急増し、経済成長の回復に寄与しました。パーム油の価格はここ数カ月で急落したものの、インドネシアの石炭価格は、ヨーロッパなどの市場からの強い需要により、依然として過去最高の水準で推移しています。
分野別では、其々前年同期比で、運輸・倉庫が21.27%、宿泊・飲食が9.76%と、インドネシア経済の成長を牽引しました。新型コロナウイルス感染の落ち着きによる旅行需要の回復と、イード・アル=アドハー(イスラム教の復活祭。2022年は7月初旬に行われた。)が、今年第2四半期の運輸・宿泊セクターの成長の引き金となりました。
その他には、電力・ガス調達分野が9.33%、その他サービスが9.25%、情報・通信分野が8.05%、企業向けサービスが7.92%の伸びを記録しました。続いて、医療サービス分野が6.45%、水道分野が4.44%、貿易分野が4.42%、工業分野が4.01%の伸びを示しました。
2022年第2四半期は、主要17部門のうち、15部門が成長を記録し、残りの2部門、即ち教育サービス部門と政府行政部門は縮小を記録する結果となりました。
分野別では、其々前年同期比で、運輸・倉庫が21.27%、宿泊・飲食が9.76%と、インドネシア経済の成長を牽引しました。新型コロナウイルス感染の落ち着きによる旅行需要の回復と、イード・アル=アドハー(イスラム教の復活祭。2022年は7月初旬に行われた。)が、今年第2四半期の運輸・宿泊セクターの成長の引き金となりました。
その他には、電力・ガス調達分野が9.33%、その他サービスが9.25%、情報・通信分野が8.05%、企業向けサービスが7.92%の伸びを記録しました。続いて、医療サービス分野が6.45%、水道分野が4.44%、貿易分野が4.42%、工業分野が4.01%の伸びを示しました。
2022年第2四半期は、主要17部門のうち、15部門が成長を記録し、残りの2部門、即ち教育サービス部門と政府行政部門は縮小を記録する結果となりました。
2022年7月25日、Airlangga Hartartoインドネシア経済担当調整大臣(左)とAgus Gumiwang Kartasasmita工業大臣と会談した萩生田経済産業大臣(中央)
(経済産業省ニュースよりhttps://www.meti.go.jp/press/2022/07/20220725004/20220725004.html)
一方で、金融引き締め、インフレ率の上昇、世界的な景気後退のリスクは、インドネシア経済の今後の見通しを脅かすものとなっています。
Capital Economics社のアナリストGareth Leather氏は、「(今期のインドネシア経済の成長は)力強い成長だが、逆風も強く、この成長は長続きしないだろう」とコメントし、輸出は商品価格の低下と世界経済の成長鈍化の影響を受けるであろうことを予測しています。
また、BIはインドネシアの2022年の通年GDPについて4.5%から5.3%の成長率を予想していましたが、世界的な景気減速が輸出に打撃を与え、国内ではインフレ率の上昇が消費の回復を遅らせるだろうという見通しから、この予想を下方修正しました。
更に、前段でインドネシアの経済成長についての肯定的なコメントを紹介したHartarto経済担当調整大臣も、インドネシア経済はまだパンデミックによる打撃から完全には回復できているわけではないとし、BIによる金利引き上げは時期尚早との意見も表明しています。
今回のコラムでは、2022年第二四半期のデータからインドネシア経済の最新状況とそれに対する専門家達の見解をご紹介させていただきましたが、如何でしたでしょうか。
冒頭にもある通り、インドネシアは東南アジアトップの2億7千万人を超える人口と豊富な天然資源を保有する経済大国の一つであり、この国はビジネスで参入するうえで非常に魅力ある市場を持っています。
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