ジャカルタのごみ処理産業の現状と課題
インドネシア総合研究所は、有機廃棄物発酵処理施設を提供する企業、日本とインドネシアの大学と協力し、インドネシアに地域資源循環型のごみ処理施設を作るためのサポートをしております。
今回は、ジャカルタのごみ処理の現状と課題をまとめました。
ジャカルタのごみ処理の現状と課題
ジャカルタ州は毎日約7000トンのごみが出ると言われています。
これほど莫大な量のごみが出るにも関わらず有効な処理方法がなく、焼却処理で済ませているのが現状です。
焼却処理の結果、勿論エネルギーが生成されるのですが、そのエネルギーを活用するためのエネルギーが新たに必要となります。
この現状をジャカルタ州も若干疑問に感じているようで、発酵型大型ごみ処理を実現するのが理想、というのが本音だそうです。
中長期的な話ではありますが、実際にジャカルタ州では発酵型大型ごみ処理を作り、エネルギーや燃料、堆肥(スーパーソイル)の生成施設を作ることを検討していると言います。
日本の有機廃棄物発酵処理施設に注目している
我が視察チームは今回インドネシアで、し尿処理施設や、オランダの乳製品企業、大学、ごみ処理所を訪問致しました。
この乳製品企業はインドネシアでは民間企業の中でも産業排水の下水処理に優れている企業としてその名が知られています。
この度環境局の計らいで弊社にご紹介いただき、取り組みを見学させていただきました。
意見交換の結果、この某乳製品企業も日本の有機廃棄物発酵処理施設の優れたスキルに非常に興味を持ち、いずれ日本に視察に来たいとのことです。
廃棄物を使った日本の技術『コンポスト』
我がチームがインドネシアにて視察を行った後、ジャカルタ副州知事ご一行が日本へ訪問されました。
協議の中には日本の優れた技術に興味を示されました。
上図の様にインドネシアで視察訪問した乳製品加工会社を例に見てみると、現在インドネシアでは農家、乳製品製造会社、廃棄物の3点が各々の単独のプロセスを担当しています。
そこで我がチームは上図のように、これまで廃棄されていた乳製品生成時に出た廃棄物を堆肥(コンポスト)にし、それを用いて牧草を育てることを提案しました。
牧草が育つことにより、健康で質の良い乳牛を育てることも可能となります。「この技術はインドネシアに非常に重要なものである感じている。」と良い印象を持っていただくことができました。
ごみ処理産業への参入
インドネシアの視察を通じ、インドネシアにある多くのごみ処理施設は事実上稼働していないところが多く、これからインドネシアのごみ処理産業には参入する余地が大いにあるということが分かりました。
また好気処理の際に排出される泥を手に塗ると保湿効果も実感でき、スキンケア用品や入浴剤として使用できるのではないかというアイディアも挙がりました。
日本でもインドネシアでもごみ処理の費用が年々増えていますが、それに伴いごみの焼却炉を作るとなると多大な資金がかかってしまいます。
発酵処理の手法ではバクテリアの力を借り、ごみを堆肥として生まれ変わらせることが可能となるので、ごみを処理するだけでなく、自然環境に還元していくことにも繋がります。
これを受け観光局、公園局、環境局、産業局、大学が一丸となり、パイロットプロジェクトを成功させようとしています。
環境にどう資源を返していくか…。
民間と大学とのイニシアティブで行政を動かすことに期待がかかります。
ジャカルタのごみ処理産業へのサポート
インドネシアのごみ処理施設は稼働していないところが多く、これからインドネシアのごみ処理産業は、大きな予算が配分され、複数のプロジェクトが動いていくように思います。
インドネシア総研では、ジャカルタだけでなく、インドネシアのごみ処理産業の現状と課題について、業界のキーマンと情報交換し、サポートしていきます。
インドネシアのごみ処理産業について、気になることがございましたら、お気軽に相談ください。
株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260