【コラム】インドネシアの大学入試制度

日本では1月から大学入学試験が実施されていますが、インドネシアでは毎年3月〜6月にかけて、大学入学試験が行われます。
また、共通テストや各大学のテストなど日本と同じ様な仕組みで運用されている制度もあります。
今回のコラムでは、インドネシアの大学入試制度についてご紹介していきます。

インドネシアの国公立大学試験

インドネシアでも私立大学より国公立大学の方が学費は安く、高い学力レベルを求められる学校が多いなか、国公立大学への入学を目指して勉強している生徒が沢山います。
インドネシアで国公立大学へ入学するための受験方法は以下の3つです。

SNMPTN(国公立大学推薦入試)
日本の推薦入試と類似した制度で、高等学校での内申点、成績に基づいて学校から推薦された成績上位者だけが出願できる制度です。
学校の偏差値レベルによって推薦枠が決まっており、以下の様に分けられています。
・レベルAの学校:上位40%が受験可能
・レベルBの学校:上位25%が受験可能
・レベルCの学校:上位5%が受験可能

学校ごとの推薦枠に応じ学校内で選ばれた人のみ出願することができ、出願後高等学校での成績を元に大学側が選考を行います。
SNMPTNで入学することができれば、通常よりも安い学費となっているため競争率も高いです。
2022年は、2月に試験が行われ、3月末に合否の発表が行われました。

UTBK/SBMPTN(統一試験)

日本の共通テストに近いですが、難易度は非常に高いです。
また、日本の共通テストとは異なり、この試験だけで大学への合否が決まります。
前期、後期に分かれており後期の方がレベルは高くなるようです。
また、SBMPTNを受験するには、事前にUTBKと呼ばれる試験を事前に受けてその点数も加味されて最終的な合否判断が行われます。
2022年は、5月〜6月はじめにかけて試験が行われ、6月下旬に合否の発表が行われました。

MANDIRI(大学ごとの試験)

MANDIRIは大学ごとに行われる試験のことで、試験が行われる時期としては、上述2つが終了した試験の最後に行われます。
受験の問題方式や受験要項は、学校により異なるため、自身でチェックしておく必要があります。
また、上述の2つの試験と比べると募集人数が多いため、倍率は低く合格への難易度は低いです。
しかし学費面ではSNMPTNやSMBPTNでの入学者よりも高くなるのが一般的です。

参考WEBサイト:
https://www.kompas.com/edu/read/2021/12/03/090322571/8-jalur-masuk-perguruan-tinggi-indonesia-calon-mahasiswa-wajib-tahu?page=all
https://www.kompas.com/edu/read/2022/09/13/103113171/calon-mahasiswa-ini-8-jalur-masuk-perguruan-tinggi-terbaru?page=all
https://ltmpt.ac.id/

このように、インドネシアの国公立入試は日本と類似した点もあることが分かります。
また、どの方法で入学するかによって学費が異なることもインドネシアの大学入学試験制度の特徴です。
また、インドネシアの国公立大学入学試験制度内容は変更されることも多く、毎年同じとは限らないため、その都度情報を掴んでおくことが大切です。

インドネシアの私立大学試験

私立大学に入学するには、上述の国公立大学とは受験方法が異なります。
上述した国公立大学の様な試験制度の種類はなく、学校ごとに実施する試験を受ける必要があります。
大学ごとに募集要項や試験の形式が異なるため、学校ごとに対策を立てる必要があります。
また、私立大学は募集期間が長く様々な受験方法が用意されているので、国公立大学の入学試験に不合格となってしまった後でも、受験することができます。
近年は以前に比べ私立大学の教師の質や、プログラムの質が高まり、設備も充実してきていることから私立大学の評価も高まっています。

参考WEBサイト:https://www.umn.ac.id/tips-lolos-seleksi-ujian-masuk-pts/

インドネシアにおける国公立・私立大学の学費の比較

インドネシアの大学に通うには当然入学費・授業料が発生します。
日本と同じように私立大学より国公立大学の学費の方が安いことに加え、上述でご紹介したどの制度を利用して入学したかによって学費が異なります。
また、保護者の収入額が学費に影響し、収入が低い家庭程学費が低くなる仕組みになっています。

インドネシアの代表的な大学における学費については、以下のコラムからご確認いただけます。

関連コラム:インドネシアの大学の学費

また、地元を離れた大学にいく場合は、授業料の他に家賃も必要になります。
インドネシアの学生は、コス(KOST)と呼ばれるキッチンなどがついているアパートに住むことが多く、コスでの食費は、大学が多くある学生の街ジョグジャカルタで月間Rp500,000(約4,300円)〜 Rp600,000(5,160円)です。

学費の支払いが難しい場合には、以前のコラムで紹介致しました奨学金制度を利用して学費を、まかなう学生もいます。

関連コラム:インドネシアの大学における奨学金制度

参考WEBサイト:https://shingakunet.com/journal/column/20170327205609/#:~:text=%E5%A4%A7%E5%AD%A6%EF%BC%94%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%81%AE%E5%AD%A6%E8%B2%BB,%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%82%8A%E8%A9%B1%E3%81%97%E5%90%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%93%E3%81%86%E3%80%82
https://properti.kompas.com/read/2018/10/29/121518021/biaya-hidup-anak-kos-kota-mana-termurah?page=all#:~:text=Untuk%20kos%20standar%2C%20rata%2Drata%20responden%20membutuhkan%20dana%20mulai%20Rp,Rp%20300.000%20sampai%20Rp%20500.000.

今回のコラムでは、インドネシアにおける大学入試制度についてご紹介致しました。
日本の大学入試の場合と同じような仕組みもありますが、国公立大学への入学はかなりレベルが高いことが分かります。
また、国公立大学への推薦枠を獲得するには、入学する高校によっても枠数が異なるため、国公立大学を目指したい場合は高等学校選びも非常に重要です。

弊社インドネシア総研では、インドネシアの大学と広くネットワークを持ち、大学生を対象として定量調査や営業活動を行なった実績がございます。併せて弊社が提携しているインドネシアの複数の大学向に教育分野の事業者様の教育用コンテンツやプログラムをご紹介すること、更にはこれら大学と共同で皆様のインドネシア事業に関わる研究開発を前提とした連携の枠組みを組み立てることも可能です。
インドネシアの大学や大学生に関連するビジネスや調査にご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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Tel: 03-6804-6702

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