【コラム】インドネシアの鉄道
インドネシアではバイクや車や乗合バスの移動が主流ですが、地域によっては電車が人々の移動手段の一つとして利用されています。
今回のコラムではインドネシアの鉄道についてご紹介していきます。
インドネシアの鉄道の歴史
インドネシアの鉄道の歴史はオランダ植民地時代の1864年に初めて開通し、ジャワ島中部のケミジェンとタンゲンを結ぶ路線が始まりです。
その後ジャワ島以外にも鉄道が開通し、アチェ(1876年)、北スマトラ(1889年)、西スマトラ(1891年)、南スマトラ(1914年)、スラウェシ(1922年)の順番で、鉄道建設が行われました。
カリマンタン、バリ、ロンボクでは、鉄道建設のための事前調査は行われましたが実際の建設には至りませんでした。
太平洋戦争の際、日本軍がインドネシアの路線を支配した時代もありましたが、1945年の独立宣言を経て国内の鉄道は全て国有化されました。
インドネシアの国鉄はその後1991年に輸送サービスを強化するため、公営鉄道会社に形態を変更し、その後1998年に国営の鉄道会社インドネシア鉄道会社(PT Kereta Api Indonesia)へ移管され現在に至ります。
参考WEBサイト:https://heritage.kai.id/page/sejarah-perkeretapian
インドネシアで鉄道が通っている地域
現在インドネシアで鉄道が通っている地域は、ジャワ島とスマトラ島のみです。
一番乗客数が多い路線は、インドネシアの首都圏を結ぶKRLコミューターライン路線で、2020年の乗客数は延べ約1億5459万人でした。
人口が多いインドネシアの首都圏を結び、通勤通学で利用されるため乗客数も非常に多い路線になります。
また、スマトラ島とジャワ島にある駅の数は629駅(2020年)で、ジャワ島が463駅、スマトラ島が166駅です。
インドネシアの運輸省によると、2020年の一年間のジャワ島の列車利用人数は、1億9519万5836人で、スマトラ島では405万9272人でした。
スマトラ島はコロナ禍で乗客数が激減し、前年と比較し66.4%も減少しました。
ジャカルタ都市高速鉄道建設(ジャカルタMRT)
インドネシア中央統計局(BPS)によると、バイクを交通手段として利用する人の割合は他の移動手段との比較で一番高く移動手段利用者の約75%であることがわかっています。
そして、インドネシアの渋滞問題は深刻で、排気ガスからの空気汚染も問題視されています。
このような問題を解決するため、インドネシア政府はジャカルタ都市高速鉄道建設(ジャカルタMRT)を開業しました。
ジャカルタ都市高速鉄道は、南北線と東西線の二路線から成り、現在南北線の一部が開通しています。
今後全路線が開通した際には、交通渋滞の緩和に繋がっていくのかが注目されています。
また、インドネシアの鉄道建設には日本企業も参加しており、日本の鉄道建設技術・ノウハウが集約されている鉄道であるとも言われています。
バイクが人々の生活に根付いているインドネシアにおいて、ジャカルタMRTを皮切りに人々が利用する交通手段にも変化が訪れるのでしょうか。
また、主要な交通手段として鉄道が多くの人々に利用されている日本の鉄道の建設技術や運営ノウハウは、今後のインドネシアにおける移動手段の変革を促し、住み良い街づくり等に活用されていくのではないでしょうか。
参考WEB サイト:https://mataramkota.bps.go.id/indicator/17/221/1/persentase-penggunaan-moda-transportasi.html
https://jakartamrt.co.id/id
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