【コラム】インドネシアの音楽
インドネシアを訪れると、現地の音楽に触れる機会は多いです。
乗合バスで流れている音楽、レストランで流れている音楽、その他街中で流れている様々なジャンルの音楽。
今回は、音楽に触れることが多いインドネシアにおける“音楽”についてご紹介していきます。
インドネシアの音楽の歴史
まずはインドネシアの音楽の歴史から紐解いていきます。
インドネシアではヒンドゥー教が布教する以前の仏教時代、儀式の一部として音楽が使用されていました。
ヒンドゥー教が布教され始めてからは宮中音楽としての音楽が娯楽のひとつとして楽しまれるようになり、その時代にインドネシアで代表的な“ガムラン”がジャワ地域で急速に広がりました。
ガムランについては後ほど詳しく説明します。
14世紀以降、スマトラ地域でイスラム教が布教しはじめてから、インドネシア音楽にもイスラム教の影響が入りはじめました。
そして、16世紀のオランダ植民地時代になるとバイオリン、チェロ、ギター、フルートなどの西洋の楽器がもたらされました。
オランダ植民地時代に、インドネシアの現代音楽が発展し始め、クロンチョン音楽もこの時代に生まれたと言われています。
そして、マスメディアの発展を機に、現代のインドネシアでも楽しまれているポップ、ジャズ、ブルース、ロック、R &Bなどの様々なジャンルの音楽がインドネシアへもたらされ、現代のインドネシアの人々に楽しまれている音楽へと繋がっています。
更にこの時期に、外国の音楽とインドネシアの音楽を組み合わせたダンドゥット音楽などの新しいジャンルの音楽も生まれました。
参考WEBサイト:https://www.superlive.id/news/awal-mula-sejarah-musik-modern-di-indonesia
https://gasbanter.com/perkembangan-musik-di-indonesia/
伝統的な楽器
次に、インドネシアで演奏されている伝統的な楽器をご紹介します。
ガムラン
先に触れたこの「ガムラン」とは、ジャワ、バリ、ロンボクを中心とする合奏音楽とその楽器のことを言います。
インドネシア音楽の中でも有名な合奏音楽のひとつで、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。
通常は、鉄琴、ドラ、太鼓などを使って数人で演奏します。
ガムランは演奏されている地域によって音色も異なりますが、インドネシアを訪れたことのある人なら一度は聞いたことがある音色でしょう。
アンクルン
アンクルンは、西ジャワに起源を持つ楽器です。
竹でできた打楽器で、竹を振動させて竹の筒をぶつけることで音を出して演奏します。
大小様々なアンクルンがあり、ハンドベルのように一つのアンクルンが一つの一音を奏でます。
日本には未だ普及していないこれらのインドネシアの伝統楽器は現在でもインドネシアで広く親しまれています。
インドネシアの学校では、文化祭などでガムランやアンクルンが演奏されることも多く、町のお祭りなどでも必ずといっていい程これらの楽器の演奏を観ることができます。
インドネシアの伝統的な大衆音楽
インドネシアの伝統的な大衆音楽のジャンルは大きく分けて以下の3つが挙げられます。
地域音楽
地域音楽の大きな特徴は、歌詞がそれぞれの地域の言語になっていることです。
日本で言う歌謡曲のような曲調が多く、地域毎のアイデンティティとして、その地域の人々にとても親しまれています。
クロンチョン音楽
クロンチョン音楽は、ポルトガル人によってもたらされ、その後インドネシアの音楽と融合された音楽です。
日本人の中で馴染みの深い「ブンガワン・ソロ」も実はこのクロンチョン音楽です。
ダントゥット音楽
ダントウット音楽はインドの映画音楽やロック等の要素も入っている音楽です。
インド音楽とインドネシア音楽が融合されて作られた音楽です。
タブラという伝統楽器によって奏でられるリズミカルなサウンドが特徴で、ダンス音楽のひとつです。
また、この音楽はインドネシアだけでなくマレーシアでも人気があります。
インドネシアの大衆音楽は、インドネシア独自で作られた音楽だけでなく、他の国の音楽との融合によりできていることが分かります。
現在のインドネシアで人気の音楽ジャンル
現在のインドネシアで人気の高い音楽ジャンルは以下の通りです。
K-POP
韓国ブームは、音楽でも一世を風靡しています。
インドネシアの若者の間でBTS、BLACKPINK、EXOなどの韓国アイドルグループのファンが多く、インドネシアでは、K-POPが大人気です。
洋楽
日本でも人気のあるOne Direction、ジャスティン・ビーバー、テイラー・スウィフトなどの歌手がインドネシアでも人気があり、人々の間で熱い支持が集まっています。
インドネシアン・ポップス
インドネシアン・ポップスは、切ない歌詞のラブソングが多く、このジャンルもインドネシアの多くの人に愛されています。
そして日本語の歌も歌っている、Tulusもインドネシアンポップスミュージシャンの一人です。
インディー音楽
インドネシアではインディー音楽のファンが年々増加しています。
インディー音楽のソロコンサートでは、多くの観客を動員し、またCMに起用されるバンドもいる程です。
ダントゥット音楽
前述でもご紹介した伝統的な大衆音楽です。
結婚式などのお祝いやイベントにおいて今でも多くの人に愛されています。
様々なシーンで音楽に触れる機会が多いインドネシアでは伝統的な音楽から流行りの音楽まで様々な音楽ジャンルが愛されていることが分かりました。
結婚式や卒業式などのイベントでは音楽が流れ、必ずと言っていいくらい人々が音楽に合わせて踊る程、人々に音楽が愛されているインドネシアでは、音楽を通して現地の人々と親しくなることも多いのではないでしょうか。
インドネシアでのビジネスにおいて、現地の文化を知るということは非常に重要です。インドネシアを訪れる際はインドネシアの音楽の事を知った上で現地へ足を運ぶことで新しい発見や出会いも増えるでしょう。
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