インドネシア発Travelokaが日本旅行市場参入 ― 日本と東南アジアの架け橋となる総合予約プラットフォーム

2025年春、東南アジア最大級の旅行プラットフォームであるインドネシア発のTravelokaがついに日本市場に本格参入しました。日本企業や起業家の皆様が今後インドネシアおよび東南アジアの旅行ビジネスに参入する際、Travelokaの動向を把握することは成功への鍵となります。また、Travelokaをインドネシア出張の際にご利用いただく際にも参考になる情報をご紹介いたします。
Travelokaの企業概要

Travelokaは2012年にFerry Unardi、Derianto Kusuma、Albert Zhangによってインドネシア・ジャカルタで設立されました。現在、本社はインドネシアのタンゲランにあり、東南アジアを代表するユニコーン企業として成長しています。シリコンバレーや大手IT企業出身者が立ち上げたこの企業は、旅の予約をワンストップで完結させられるサービスの利便性を追求してきました。
創業者のUnardi氏はパダン出身で、米国Purdue大学卒業後にMicrosoftでソフトウェアエンジニアとして働いた経験も有しています。創業の背景には「インドネシア国内に帰省するための航空券がとにかく探しづらい」という自身の体験があり、その困った経験がビジネス化の契機となりました。
Travelokaは当初、航空券価格比較のメタサーチエンジンとして始まりましたが、2013年以降は自社プラットフォームで予約決済まで可能なOTA(Online Travel Agent)へと進化しています。
参考:https://timedoor.net/blogs/Traveloka-Indonesia-Leading-Travel-Unicorn/
https://id.scribd.com/document/387377801/traveloka-docx
https://kumparan.com/kumparantech/kisah-albert-bangun-traveloka-berawal-dari-susah-beli-tiket-pesawat-medan-as-1yUJeEQ0N5t
Travelokaのサービス内容

Travelokaは旅行に関するものをまとめて予約できるような便利な機能を提供しています。
では、具体的にはどのようなサービスがあるのかみてみましょう。
Travelokaのサービス
現在Travelokaは下記をはじめとした多彩なサービスを提供しており、利用者数は月間4,000万人以上、累計アプリダウンロード140万件超と東南アジアでも圧倒的な規模です。
- 航空券、バス、鉄道、レンタカー、空港送迎等の予約サービス
- ホテル・アパートメント・リゾートなど各種宿泊施設
- 現地アクティビティ、テーマパーク、日帰りツアー等の予約
- レストラン予約やクーポン、映画館やスパ、イベント等のチケット購入サービス
- PayLater(後払い)等の金融事業、旅行保険
- データ通信、EC関連のライフスタイルサービス
これらは「すべての旅程を一つのアプリ内で完結できる」ような機能という特徴を持ち、東南アジア市場で高い評価と認知度を獲得しています。
参照:https://www.traveloka.com/en-en/about-us
https://apps.apple.com/us/app/traveloka-book-hotel-flight/id898244857
Travelokaアプリケーションの機能
Travelokaではアプリケーションを用いるとより便利な機能を利用することができます。
- 「価格アラート」機能:希望路線の最安値を自動通知
- 予約変更・キャンセルの柔軟対応(飛行機・ホテル・鉄道)
- 24時間多言語カスタマーサポート
- クルーズツアー、映画・イベント・地元観光等全てのアクティビティを一元管理
- PayLater後払い、旅行保険等のフィンテック連携
- AIチャットボット「IVAN」によるスマートサポート
ユーザーエクスペリエンスを重視したアプリ設計は、「旅の信頼できるワンストッププラットフォーム」として国内外で高い評価を得ています。
参照:https://www.traveloka.com/en-ph/explore/tips/pl-reasons-to-book-with-traveloka/251951
https://play.google.com/store/apps/details/Traveloka_Hotel_Flight?id=com.traveloka.android&hl=en_AU&pli=1
Travelokaの海外進出について

Travelokaの海外進出状況
Travelokaはインドネシアでも人気の旅行サービスですが、実は東南アジアを中心に海外への進出を果たしています。
Travelokaはインドネシアを中心に、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、オーストラリアなど8ヶ国へ展開を拡大しています。現地語サポート、各国の決済手法への柔軟対応、地域パートナーシップを通じてサービス競争力を高めてきました。
特にシンガポールとマレーシアでは既に高い認知と利用実績を持ち、現地のホテル・観光業界との連携も進めています。また東南アジア域外国に住むインドネシア人や現地ユーザーを対象とした多様なキャンペーン・プロモーションも積極的に展開しています。
参照:https://www.linkedin.com/company/traveloka/?originalSubdomain=jp
https://www.traveloka.com/en-id/explore/news/traveloka-southeast-asias-leading-travel-platform-officially-launches-in-japan/585059
Travelokaが日本に進出するとどうなるのか
2025年5月、日本市場向けローカライズを施した「Traveloka Japan」が設立され、ホテル・航空券・現地アクティビティの一括予約サービスを開始しました。
日本にお住まいの皆様は、東南アジアの現地ホテル・航空券・体験型観光・レストラン予約までTravelokaアプリで一括管理が可能になります。ローカルな事業者との提携拡大で、国内旅行・インバウンド観光にも対応しています。緊急時の日本語カスタマーサポートや40種類以上の決済手段への対応(各種現地QR決済含む)で利便性もアップしています。価格に関しても「EPICセール」等の割引キャンペーン、新規ユーザー向けクーポン発行など価格競争力も向上しております。
最も大きなメリットは、日系企業・起業家がインドネシアをはじめとした東南アジアへビジネス出張で訪れる際、ホテル・交通・現地アクティビティ全てをTraveloka一つで一括管理・予約できる点です。これは従来の多言語対応かつ分散したサービス群とは一線を画し、日本からインドネシア進出を目指す事業者には業務効率とコスト最適化に直結する改革と言えます。また、現地パートナー企業との協業が拡大することにより、インドネシア国内での企業リレーションの構築を支援し、現地滞在時の利便性・安心感を高められる点も大きな魅力です。
参照:https://news.marketersmedia.com/traveloka-southeast-asias-leading-travel-platform-officially-launches-in-japan/89161198
https://www.global-gw.com/japannews/traveloka-20250428
日本・東南アジア旅行の新たな架け橋―今後の展望

今後、Travelokaの日本参入によって、日本からインドネシアおよび地域全体へのパッケージ旅行、MICE(商談・展示会)、長期出張、観光多様化がさらに加速することが予想されます。両地域間のユーザーエクスペリエンスを一元化するTravelokaは、日系企業の現地進出の際の情報収集・予約・現地パートナー提携の架け橋となり、今後ますますその重要性を高めていくでしょう。日本市場の需要拡大や現地企業とのシナジー創出、地域間人材交流促進に寄与するTravelokaの躍進に今後も注目です。インドネシア進出や観光ビジネスなどをご検討の方はぜひ弊社までお問い合わせくださいませ。
株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム



