【コラム】(5月14日更新)インドネシアにおける新型コロナウイルス最新状況
インドネシアにおける新型コロナウイルス感染者数は5月14日(木)時点で14,000人を超えています。
出典:インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日:2020年5月14日)
https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/
出典:インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日:2020年5月14日)
https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/
インドネシア政府は先日、今年5月末に予定されていたレバラン休暇(断食明けの大祭)の前後の一斉有給消化日を、今年の12月末に移動させることを発表しました。
インドネシアの人々はレバラン休暇の際に一斉に帰郷をする風習があるため、人々の移動を制限し、新型コロナウイルスの国内での拡散を防ぐための対策です。
また、5月24日、25日に予定されているレバラン休暇も、7月31日に予定されている犠牲祭休暇の前後への移動が検討されていることが報じられましたが、レバラン休暇は当初の予定通り5月24日、25日のままとなる見込みのようです。
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そんな中、インドネシアの新型ウイルス対策本部は、金融や物流、医療保険分野など11の産業分野に対し、45歳以下の従業員の職場復帰を許可する旨の発表を行いました。
該当する産業分野は、上記以外に食品関係、エネルギー、通信、建設などが含まれます。
インドネシア政府は、新型コロナウイルスに感染した場合の死亡率は60歳以上が最も高いという調査結果に基づいての判断と述べています。
出典:インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日:2020年5月14日)
https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/
インドネシア国内の新型コロナウイルス感染者数は上記グラフの通りまだまだ増加傾向にあり、4月上旬から「大規模な社会的政策(PSBB)」を実施している首都ジャカルタでも、1日当たりの感染者数はまだまだ減少し始めているとは言えない状況にあります。
更に、45歳以下でも基礎疾患がある場合に、新型コロナウイルスの症状が重症化することがあると言われていることや、出勤を開始した人が同居する家族に感染させることも十分考えられることから、まだ状況が落ち着いているとは言えない環境での規制の緩和は更なる感染者数の拡大や混乱につながるとして、不安視する声が多く挙がっています。
新型コロナウイルスの対策として集団免疫の獲得が手法の一つとして議論となることがありますが、インドネシア大学公衆衛生学部教授のPandu氏は、インドネシア国内での集団免疫の獲得という発想ははまだ非常に危険であると述べています。
同時にPandu氏は、インドネシアの高い喫煙率もインドネシア国内の新型コロナウイルス感染拡大、また感染者の症状悪化につながっていることも指摘しています。
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また、ジャカルタ特別州のアニス知事は、ジャカルタで行われている葬儀の件数が1,500件程度増加しているため、インドネシア政府が出しているコロナ感染者数や死亡者の数字と実際の数字には乖離があるのではないか、との見解を示しています。
ジャカルタの平均的な葬儀の件数は1か月あたり3,000件程度ですが、今年の3月の葬儀の件数は4,300件、4月は4,590件だったため、アニス知事は「新型コロナウイルスの致死率が5~10%と考えた場合、ジャカルタ州内での感染者数は15,000~30,000人と考えられるため、インドネシア保健省が発表している数値とは乖離がある可能性がある」と述べました。
引き続き、インドネシアの新型コロナウイルス最新情報についてはこちらのコラムでアップしてまいります。インドネシアの最新情報については弊社までお問い合わせください。
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