【コラム】インドネシアの自家用車事情

インドネシア、特にジャカルタの交通渋滞は有名ですが、現地では公共交通機関が十分に発達しているとは言い切れず、やはり自動車での移動が便利な場面も多々あります。最近ではGrabなど、ライドシェアリングも気軽に利用できますが、雨天時や混雑時にはなかなかつかまりにくいこともあるので、自家用車をもつメリットは少なくないと言えるでしょう。
今回は、インドネシアにおける自家用車事情についてご紹介します。

インドネシアにおける自家用車保有台数

まず、インドネシアにおける自家用車の保有台数をみてみましょう。以下の図は、2015年から2020年までの自動車保有台数の推移を示したものです。このデータを見ると、自動車保有台数は年々増加の一途をたどっていることがわかります。 インドネシアにおいては中間層が増加していることもあり、自動車の保有台数もそれに比例して今後も増加していくと見込まれます。

インドネシア中央統計庁「車種別車両数の推移」を参考に弊社作成
https://www.bps.go.id/linkTableDinamis/view/id/1133(2022/2/24閲覧)
https://www.bps.go.id/indicator/17/57/1/perkembangan-jumlah-kendaraan-bermotor-menurut-jenis.html(2022/2/24閲覧)

インドネシアで車を運転するには

では、日本人がインドネシアで車を運転するにはどのような免許が必要になるでしょうか。
前提として、日本の国際免許証を取得していたとしても、インドネシアでは残念ながら使用できません。自分で運転する場合には、インドネシアの免許を取る必要があります。インドネシアにも日本と同様に複数の種類の免許が存在し、普通自動車免許はSIM A、二輪車免許はSIM Cと呼ばれています。

次に、手続きをみてみましょう。免許の取得申請は、居住地の免許センターで行う他、オンラインでも可能です。免許を取得するには、KITASやKITAPなどの在留許可を持っていることが必要なので、短期間の出張や旅行で訪れた際に取得することはできません。また、健康診断書の提出も求められます。
申請後に学科試験と実技試験があり、どちらにも合格すれば晴れて免許取得となります。なお、オンラインの場合も、指定された日時に試験を受けるため免許センターを訪れる必要があります。
免許の取得申請にかかる費用は、SIM AがRp.120,000、SIM CがRp.100,000です。

参考サイト:
https://www.kompas.com/tren/read/2021/03/07/130000765/mengenal-jenis-sim-di-indonesia-mulai-dari-a-hingga-d-ini-rinciannya?page=all
https://indonesia.go.id/kategori/kependudukan/2693/bikin-sim-jadi-mudah-bikin-sim-dari-rumah
https://www.satlantaspolresmetrodepok.com/layanansim/read/6/penerbitan-sim-wna-baru

一方で、インドネシアにおいて駐在者が自家用車を自分で運転することはあまり多くないようです。その理由は、交通ルールが必ずしも遵守されているとは言えず、危険な運転をするドライバーが少なくないためです。現に、在インドネシア日本大使館でも、インドネシア、特にジャカルタにおいては運転をできるだけ避けることを推奨しています。そのかわり、運転に慣れた現地のドライバーを雇うことが一般的となっています。

参考サイト:
https://www.id.emb-japan.go.jp/visaJ_5_4.html

インドネシアで運転手を雇うには

では、インドネシアで運転手を雇うには、どうすればいいのでしょうか。
個人で雇う場合には、現地在住の日本人や信頼できる人からの紹介を受けることができれば安心です。もしそういったつてがない場合は、運転手紹介エージェントを利用して専属ドライバーを探すか、あるいは必要な時に運転手を派遣してくれるエージェントを利用する方法があります。また、ドライバー個人にコンタクトがとれるマッチングサイトもありますが、その人が信頼に足る人物かどうか見極めなければなりません。免許証などをきちんと確認するようにしましょう。なお、専属ドライバーに必要な免許は、普通免許と同じSIM Aです。

運転手を雇うにあたっては、1日の労働時間(基本は8時間)や休日、給料の支払い日などの契約を結ぶことが必要になります。インドネシアの運転手の給料は、地域や経験にもよりますが、だいたい月額Rp.1,500,000〜Rp.4,000,000ほどです。現地求人サイトで調べると、2022年2月時点での平均月給は、ジャカルタで約Rp.3,590,000、デンパサール(バリ)でRp.2,910,000となっていました。このほかに、1日あたりRp.50,000〜200,000ほどを食事代として渡すことが必要です。

参考サイト:
https://artikel.rumah123.com/catat-ini-daftar-gaji-supir-pribadi-di-berbagai-daerah-indonesia-101852
https://id.indeed.com/career/sopir-pribadi/salaries
https://www.expat.or.id/info/hiringadriver.html

関連コラム:

どういった方法で雇うにせよ、日々車内で長い時間をともにする相手なので、身分証などの確認はもちろん、人柄や運転のくせなどを面接時にチェックするのがよいでしょう。反対に、雇う側も相手に対し誠意ある対応を見せ、信頼関係を築くことが大切です。

弊社では、インドネシア人との付き合い方も含めて、インドネシア進出に関するサポートを包括的に行っております。興味がおありの方は、ぜひ一度お問合せください。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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