【コラム】インドネシアにおける防災

日本では、年々「防災」の意識が高まり防災グッズや防災についてのチラシやポスターなどを目にする機会が多くあります。
日本と同じように災害が多いインドネシアにおける防災への取り組みはどうなのでしょうか。

今回は、インドネシアにおける防災についてご紹介していきます。

インドネシアにおける防災の歴史

インドネシアで発生した災害の中でも極めて被害が大きかったのが、2004年にインドネシアのスマトラ島沖で発生したスマトラ島沖地震です。この地震により、多くの人が被災しました。

この災害がきっかけで、インドネシアでは防災体制が見直され、2007年に防災法第24号が制定されました。

この防災法では、防災管理、防災活動、災害緊急事態の際の対応等について定められています。

また、翌年の2008年には、国家防衛庁BNPB(Badan Nasional Penanggulangan Bencana)が設立され、その後地方防災局BPBD(Badan Penanggulangan Bencana Daerah)が設立されました。

そして、インドネシア国家は、防災のための国家行動計画も定めています。

参考WEBサイト:https://www.jogloabang.com/pustaka/uu-24-2007-penanggulangan-bencana

防災についての心構え

インドネシアの各地方防災局(BPBD)は防災について様々な呼びかけを行なっています。
以下はボゴールの地方防災局の防災についての呼びかけです。
インドネシアにおける防災についての考え方の一例としてご紹介します。

1、パニックに陥らない
2、自身の安全を確保したうえで、他人を助ける
3、物やお金より自分の命を最優先に
4、普段から避難経路や非常口を確認しておく
5、防災バックを準備しておく

災害が起きる前に、上記のような心構えを持つことで、少しでも被害を防ぐことができると言われています。
また、防災についての心構えは、日本のそれと共通していることも多いように思えます。

参考WEBサイト:https://bpbd.bogorkab.go.id/5-tips-dasar-kesiapsiagaan-terhadap-bencana/#

防災バッグについて

災害に備え、インドネシアでも準備するよう呼びかけられている防災バックの中身としては、以下のようなものが挙げられます。

<防災バッグの中身>

(画像:BPBD bogorよりhttps://bpbd.bogorkab.go.id/isi-tas-siaga-bencana/)

・飲料水
・乾燥した食品(ビスケット等)
・保険証等の重要な書類
・お金
・笛
・懐中電灯
・お風呂セット
・2-3日分の着替え
・ラジオ、携帯電話
・薬、救急箱
・マスク

日本のような乾パンや非常食専用の食糧の代わりに缶詰に入った食べものや日持ちのするビスケットなどを備えるよう呼びかけられています。

また、防災バッグは自分で準備する他、既製品もあり、ネットで購入することも可能です。

参考WEBサイト:https://bpbd.bogorkab.go.id/5-tips-dasar-kesiapsiagaan-terhadap-bencana/

今後起こりうる災害に備え、インドネシアの産業省は、防災対策用の工業製品を扱う国内産業の企業を支援しています。
また、政府は災害により家を失った人々への簡易的な住宅支援にも力をいれています。

災害が多いインドネシアにおいて、防災の意識を高めることで災害による経済損失を減らすことにも繋がります。
そのため、防災は政府も力をいれている非常に重要な取り組みであると言えます。

災害の多い日本の人々のあいだでは、避難訓練の標語「お(さない)は(しあらない)し(ゃべらない)も(どらない)」など、小さい頃からの教えが日常的に防災意識として身についているように思えます。

また、日本のこの防災に対する感覚は個人の意識だけではなく、企業や国レベルでも、防災に対する意識は高いように思えます。

災害の多い日本から同じく災害が多いインドネシアに向けて防災に対する取り組みの優れているところを伝えることで、インドネシアにおける災害の被害を少しでも減らすことができるのではないでしょうか。同様に同じ島国として、日本がインドネシアの取り組みや考え方から学ぶべき点もあるのではないでしょうか?

インドネシアで防災に関する商品やビジネスをお考えの方、弊社では、インドネシアの現地での防災に対する取り組みの動向や当局や関連業社へのヒアリングを行う等の調査を実施することが可能です。そこには日本の優れた技術等の参入余地は充分にあるのではないでしょうか?

インドネシアに関することで現地事情を詳細に把握し、ビジネス参入をお考えの方は是非、弊社迄ご相談下さい。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

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