【コラム】インドネシアにおけるクレジットカード事情〜カードの保有率、カードの種類、BNPL支払い〜

日本ではクレジットカードの保有率は約85%となっており、クレジットカードはかなり普及しています。
弊社のコラムでは、インドネシアのキャッシュレス決済については過去に何度かご紹介して参りましたが、クレジットカードの普及率はどうなっているのでしょうか?
今回のコラムでは、インドネシアにおけるクレジットカードの保有率をはじめとし、クレジットカードの種類やBNPL(後払い決済)支払いについてご紹介します。

インドネシアのクレジットカードの保有率

現在のインドネシアにおけるクレジットカードの保有率はわずか6%で、東南アジア諸国の中で最も低い割合となっています。

インドネシアの中央銀行であるインドネシア銀行のデータによると、インドネシアにおけるクレジットカードの普及枚数は、2022年6月時点で1,658万枚であることがわかっています。

2015年から2019年にかけてインドネシアにおけるクレジットカードの普及枚数は毎年増加していましたが、新型コロナウイルス発生時の2020年は前年と比較して発行枚数が減少し、クレジットカードの取引額も減少しました。
そのため、インドネシア銀行は2021年7月からクレジットカードの上限金利を2%から1.75%に引き下げています。
その後、新型コロナウイルス が落ち着いたこともあり、2021年から2022年にかけてクレジットカードの普及枚数は0.84%増加しました。

参考WEBサイト:https://www.xendit.co/id/blog/tren-pembayaran-kartu-kredit-di-indonesia/
https://dataindonesia.id/digital/detail/jumlah-kartu-kredit-beredar-capai-1658-juta-pada-juni-2022

インドネシアでクレジットカード発行が可能な条件

インドネシアでクレジットカード発行が可能な一般的な条件としては以下の通りです。

・21歳以上又は既婚者であること
・月収Rp3,000,000以上であること
・KTP(住民登録証)、パスポート、運転免許書、KITAS(一時滞在許可)などの身分証明書を持っていること
・収入証明書を提出できること

インドネシアの平均月収は約Rp3,000,000(約28,900円)であるため、平均月収を超えておりその他の条件も満たしていればクレジットカードを発行することができます。
また、クレジットカードを発行できる枚数は以下の通り収入により制限されています。

・月収Rp3,000,000〜Rp 10,000,000(約28,900円〜96,400円):最大2枚のクレジットカード所有が可能、カード合計利用限度額は月収の最大3倍まで
・月収Rp 10,000,000〜:枚数の制限はなし

インドネシアでは、月収がRp10,000,000以下の場合は、クレジットカードの発行枚数・利用額ともに制限があることがわかります。

参考WEBサイト:https://sikapiuangmu.ojk.go.id/FrontEnd/CMS/Article/10491#:~:text=Berusia%20minimal%2021%20tahun%20atau,nasabah%20berstatus%20Warga%20Negara%20Asing.

クレジットカードの種類

限度額によるクレジットカードの種類は以下の通りです。

シルバーカード
カード利用限度額:Rp4,000,000〜Rp7,000,000(約38,600円〜67,500円)
月収:Rp3,000,000(約28,900円)以上で作成が可能。

ゴールドカード
カード利用限度額:Rp10,000,000〜Rp40,000,000(約96,400円〜385,600円)
月収:Rp5,000,000(約48,200円)以上で作成が可能。

プラチナカード
カード利用限度額:Rp40,000,000〜Rp1,00,000,000(約385,600円〜964,100円)
月収:Rp 180,000,000(約1,735,400円)以上で作成が可能。

チタンカード
銀行から直接招待された場合のみに発行されているカード。
収入が高く、資産を多くもっている特定の人にしか発行されていないカード。

カード会社の種類としては、世界共通のVISA、Masterなどの他にインドネシア国内のみで利用が可能なHero/Astra/Garuda /Carrefour/Lotteなどもあります。

クレジットカード以外にキャッシュレス決済可能なカードの種類は以下の通りです。

デビットカード:銀行口座と紐づいており、即口座より引き落としされる
プリペイドカード:一定金額をチャージして使用する
ギャランティーカード:小切手を保証するためのカード

基本的なクレジットカードの種類としては日本とあまり違いがないことがわかります。

参考WEBサイト:https://www.tokopedia.com/blog/jenis-jenis-kartu-kredit/?utm_source=google&utm_medium=organic

インドネシアにおける後払い決済(BNPL)の利用の普及

現在、インドネシアではクレジットカードよりも手軽に利用が可能なBNPLと呼ばれる後払い決済サービスが拡大しています。
BNPLサービスを提供しているKredivoの調査によると、2022年時点でBNPLを利用している割合は回答者の33%に達しています。
また、BNPLはインドネシアにおいてミレニアル世代を中心に、オンラインショッピングの支払い方法として利用が拡大しています。

BNPLは、BNPL事業者がお店に対して立て替えをするため、クレジットカードを持っていなくても、後払いすることが可能になります。
BNPLの利用にあたり個人情報の入力は必要になりますが、クレジットカードの審査より簡単で、且つ分割支払いもできるため支払い能力が低い若者でも大きい金額の買い物をすることが可能になりました。

クレジットカードの保有率が世界的に低いインドネシアにおいて、BNPLの拡大はインドネシアのオンラインビジネスの拡大に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

参考WEBサイト:https://www.xendit.co/en/blog/paylater-bnpl-trends-and-tips-to-leverage-this-promising-payment-method-in-indonesia/%E3%81%82

今回のコラムではインドネシアのクレジットカード事情についてご紹介しました。
インドネシアではまだクレジットカードの保有率は低いことがわかりました。

また、インドネシアでオンラインショッピングを展開する際は、支払い方法としてクレジットカードだけではなくBNPL支払いを加えることが非常に重要であると言えます。

日本とインドネシアに拠点を持つ弊社では、インドネシアビジネスにおいて専門的なアドバイスが可能です。
インドネシアへの進出についてのご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-6804-6702

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