【コラム】インドネシア人が日系企業で定着するための大切なポイント
近年日本の労働市場は人手不足と言われています。外国人労働者の採用を検討されている企業様も多いのではないでしょうか?
実際に弊社でも、「インドネシア人を採用したいのですが」というご相談を日系企業様より伺う機会が増えました。
インドネシアは親日国なので、日本語を勉強している人や、「日本で働きたい」と思っている人が多くいます。
そのため、一見するとすぐにマッチングは叶いそうですが、日系企業文化を知らなかったばかりにせっかく入社をしてもすぐに辞めてしまうケース、採用後の定着が難しいと感じられている企業様も少なくないのではないでしょうか。
日系企業がインドネシア人を採用する上で、日本人とインドネシア人の仕事やジョブ・ディスクリプションに対する考え方の違いへの理解が必要不可欠です。
過去のコラムで、インドネシア人と日本人のジョブ・ディスクリプションが異なることについてご紹介いたしました。
ジョブ・ディスクリプションの違いを理解していないと、下記のような認識齟齬が現場で起こってしまいます。
具体的な事例については、例えば日本人側の立場で見てみると、インドネシア人スタッフが業務時間中でも手が空いたときにスマートフォンでSNSをやり始めたり、同僚が忙しそうにしているのに先に帰ったりすることについて疑問を感じている、というお話をよく耳にします。
日本では、勤務中に手が空いたらその他できることを探して仕事をするのが一般的な考え方です。
例えば、自分の業務がひと段落ついた時や先に仕事が終わったとき、社内やチームで忙しそうな人がいれば声をかけて手伝ったり分担したりすることは珍しいことではないでしょう。
しかし、インドネシア人の場合、業務中には自分が行うべき業務にのみコミットするのが一般的な考え方です。
日本では当たり前の「自ら進んで仕事を探す」「気の付いた人がやる」といったことは、インドネシアでは当たり前ではありません。
インドネシア人全員に当てはまるわけではありませんが、インドネシアの平均的な家庭ではハウスキーパーがおり、言えば何でもやってもらえる人が近くにいる環境で生活している人が多くいることも少なからず影響していると考えられるでしょう。
インドネシア人の場合には、自分の仕事と他の人の仕事の境界が明確で、日本人のように手があいたら率先して何でも手伝うということが一般的ではない代わりに、それぞれの分野でのプロ意識が非常に高いのが特長と言えるでしょう。
そのため、インドネシア人側の立場では、「想定している業務以外のことを指示されて困惑している」という話が多い印象です。
日本では、「勤務時間」に対する契約となっているのに対して、インドネシアでは「業務」に対する契約となっていることも原因と言えるでしょう。
日本側とインドネシア側がうまく仕事を進めるためには、双方の歩み寄りが必要ですが、これは理解していても実施するのはなかなか難しいことです。
ジョブ・ディスクリプションの違いについては、最初にジョブ・ディスクリプションを記載した紙を提示しておくことや、チームでのプロジェクトでも、担当を明確にしておくなどの対策が欠かせません。
また、日系企業の場合は特に、現地従業員に対して、日系企業の文化や本社の文化・理念等を研修にて学ばせ、理解をさせることは大切なことです。
しかしながら、日本のやり方を押し付けるのではなく、なぜ日系企業文化を理解する必要があるのか、というところから、丁寧に教えていく必要があります。
日本や日系企業で働くことに憧れを抱くインドネシア人は多くいますが、多くは日本語のみを学んで日系企業に入社をするので、入社後のギャップに耐えられず辞めてしまう人が多くいるのも事実です。
日本には独特な働き方、企業文化がありますが、そのことについては何も知らないまま入社してしまう上、入社後も会社でなかなか教えてもらえないため、せっかく入社をしても仕事が続けられないのです。
入社前に、日系企業の文化を理解しているかどうかは、仕事に定着してもらう上で非常に重要なポイントとなります。
弊社では、日系企業でも働ける人材を育てる学校をインドネシアで設立準備中です。
参照:
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