【コラム】日本に来るインドネシア人技能実習生について

高齢化が進む日本と、先進国の高度な労働技術を自国に取り込みたいインドネシアの、課題を解決する鍵となるのが「外国人技能実習生制度」です。

近年、日本では少子高齢化が進み総人口のうち高齢者が占める割合は、28.4%となりました。40年後には、高齢化率が更に進み高齢者が占める割合は10%程度増加することが予想されています。

高齢化が進むと、介護等で人手不足が加速し、日本の若者だけでは高齢者の介護を支えきれない問題が発生します。

一方、インドネシアでは、総人口に占める高齢者の割合は10%程度と日本より少なく、若者が多い人口構成となっています。

そのため、日本では、他国の若年労働者をどのように適切に活用していくかが重要な課題となり、反対に、インドネシアでは、今後の更なる発展のために、日本のような先進国の高度な労働技術をいかに自国の若年労働者のノウハウとして取り込んでいくかが課題になっています。

双方の国において、これらの問題を解決する鍵となっているのが「外国人技能実習生制度」です。

今回のコラムでは日本へのインドネシア人技能実習生についてご紹介します。

参考WEBサイト:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html
https://www.mof.go.jp/zaisei/reference/index.html

過去コラム:

 

外国人技能実習制度とは

日本の厚生労働省によると、「外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする」と定義されています。

つまり、日本の人手不足の担い手となってもらいつつも、母国で習得が難しい技能や技術等を身につけ母国に帰国し母国の経済発展に貢献する人材を送り出すことを目的とした制度です。

外国人技能実習生が日本の企業で働く大まかな流れは以下の通りです。

 

<外国人実習生受け入れまでの流れ>

送り出し国の技能実習生送り出し機関へ求人を依頼し、現地で面接を行い採用

現地での技能実習生の事前教育

各関係期間へ申請書類を提出

ビザ発給、実習生入国

日本における実習生の事前研修

受け入れ企業へ配属

参考WEBサイト:https://titp360.jp/system/flow/

 

また、具体的に、外国人実習生の受け入れができる業種は、機械・金属関係、建築関係、農業関係、漁業関係、繊維・衣服関係、食品製造関係、家具制作等のその他業種と、母国では学ぶことができない技術を得られる業種のみとなっています(2021年現在)。

参考WEBサイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/index.html
https://www.myanmarunity.jp/system/473/

インドネシアから日本への技能実習生の数

では、実際にインドネシアから日本へ訪れている技能実習生の数はどれくらいなのでしょうか?。

以下は2020年の日本における技能実習生の数を国別で比較した図です。

出典: 出入国在留管理庁【令和2年末】公表資料より弊社作成(2021年12月20日)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001344904.pdf

 

上図より、日本における技能実習生の数はベトナムが圧倒的に多く約20万人となっております。

インドネシアは約3万4千人で、日本で働く技能実習生の数が3番目に多いですが、ベトナムと比較すると大きな差があることが分かります。

また、1993年以降の合計では85,415人のインドネシア人が技能実習生として日本で働いていることが分かっています。

参考WEBサイト:https://en.antaranews.com/news/193745/85415-indonesians-have-apprenticed-in-japan-so-far-official

インドネシア人の技能実習生の特徴

日本の受入機関では日本で働いているインドネシア技能実習生の特徴を以下のように提示しています。

 

 

<インドネシア技能実習生の特徴>

・楽観的
・温厚
・時間にルーズ
・思ったことを溜め込む人が多い
・家族を大切にしている
・宗教への配慮が必要

 

特に、日本にやってくる技能実習生は、親日な人が多く、日本へ憧れを抱いて来る人も少なくはありません。

受け入れる日本企業側は彼らの宗教活動にも配慮し、しっかりとコミュニケーションを取ることが必要になってくるでしょう。

参考WEBサイト:https://samurai-law.com/ginojishu/con05/
https://www.otit.go.jp/files/user/191001-04.pdf

インドネシア技能実習生の抱える課題

技能実習生は見習いの立場として企業に派遣されるため、日本で雇用されている従業員と条件が異なり過酷な労働状況下に置かれる技能実習生もいることが実情です。

一部の受け入れ先企業では、給料が非常に少なく、インドネシアへの仕送りをすると手元には殆どお金が残らないことや、一日20時間以上の労働を強いられるケースもあるようです。

折角インドネシアを代表して日本へ技術を習得しに来ているのにも関わらず、このような労働環境を強いる日本企業があるということは非常に大きな問題であると言えます。

日本政府は、このような労働状況下にある技能実習生を保護するための、取り組みも強化すべきではありますが、まずできることとして、技能実習生を受け入れる企業で働く日本の従業員の皆様が、技能実習生を理解し、積極的に受入れようとする心も大切です。

参考WEBサイト:https://www.voaindonesia.com/a/banyak-masalah-program-magang-ke-jepang-diminta-ditangguhkan/5432689.html

新型コロナウイルスによる技能実習生の影響

新型コロナウイルスの流行により、2020年の1月から技能実習生の日本への渡航が停止されて以降しばらく入国ができない時期が続きました。

2021年の11月8日より新規入国の申請が再開されましたが、新型コロナウイルスのオミクロン株の流行により2021年11月30日付で、今年の12月までの間は受け入れが一旦停止されている状況です。

技能実習生の受け入れ停止により、日本の受け入れ先企業は人手不足に悩まされています。

一方、出発予定だった技能実習生は日本で働くことができないため、現地でオンラインを通して研修を行なったり、現地でアルバイトをして生活費を賄いつつ現地で待機しているようです。

期間の長い人では1年半以上日本に渡航できない状態が続いており、受け入れ企業にとっても技能実習生にとっても厳しい状況が続いています。

参考WEBサイト:https://www.jitco.or.jp/ja/news/article/15487/
https://shapesea.com/op-ed/covid-19/suspending-the-dream-of-greener-pastures-the-effect-of-covid-19-on-the-indonesian-technical-intern-trainee-program-in-japan/

 

インドネシア人技能実習生の帰国後の進路について

技能実習生として働くインドネシア人の最終学歴は「高校卒業」が多く、就職において学歴が重視されるインドネシアにおいては、日本での技能実習経験があっても高い給料をもらえる企業に就職する事は難しいのが実情です。

折角日本で技術を学んでも、学んだ技術を活かした職に就ける人は非常に少ないといった現状もがあります。

弊社では、インドネシア人技能実習生に対して「技能実習後にどのようなキャリアを築けるか」というテーマでセミナーを実施しております。

このセミナーでは、技能実習期間終了後のキャリアプランを考え、インドネシア技能実習生の就職のサポートを目的としています。

日本で学んだ技術をインドネシアへ持ち帰り、インドネシアの技術的発展の促進に一人でも多くの技能実習生が貢献できるよう、今後もセミナー等で支援を行って参ります。

関連コラム:

今回のコラムでは、日本へのインドネシア人技能実習生についてご紹介しました。

今、インドネシア人の技能実習生において、労働環境、新型コロナウイルスによる渡航停止、帰国後の進路など様々な課題があります。

新型コロナウイルス収束後、本コラムで述べたような労働環境や就職先における課題をいかに解決できるかが、今後受け入れられる技能実習生の人数を左右します。日本の少子高齢化問題緩和の糸口になる重要な課題点であると言えます。

弊社では、インドネシア人技能実習生へのセミナーから、様々な分野でインドネシア進出のサポートや、調査などを行なっております。

是非ご相談をお待ちしております。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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