【コラム】インドネシアのスマートフォンアプリ事情
インドネシアにおけるスマートフォン利用率は全人口の約89%に達しています。
また、リサーチ会社App Annie社の調査によると、2021年の第二四半期においてインドネシアはスマートフォンのアプリを開いている平均時間が世界で2番目に長いことが明らかになっています。
その事から今やインドネシアの人々にとってスマートフォンは人々の生活にかさせないツールとなっている事がわかります。
今回のコラムでは、デジタル化が進んでいるインドネシアにおけるスマートフォンアプリの利用状況についてご紹介していきます。
参考サイトURL: https://tekno.kompas.com/read/2021/07/18/10270047/indonesia-peringkat-2-dunia-terlama-buka-aplikasi-di-smartphone-?page=all
https://mediaindonesia.com/humaniora/389057/kemenkominfo-89-penduduk-indonesia-gunakan-smartphone
インドネシアにおけるアプリランキング(2021年)
以下は、2021年1月〜3月のインドネシアにおけるAndroidとiOSにおいて、ダウンロード数が多いアプリ、収益額が高いアプリ、月額ユーザー数が多いアプリのランキングです。
【ダウンロード数が多いアプリTOP10】
2. Facebook
3. Instagram
4.Telegram
5.WhatsApp Messenger
6.ZOOM
7. MX TakaTak
8.Snapchat
9.Facebook Messenger
10. CapCut
ダウンロード数が多いアプリについては、TIkTokやFacebookなどのSNSが上位に入っておりますが、パンデミックによる在宅ワークの影響でZOOMもランキングに入っていることが分かります。
自宅での生活の時間が増えたことが影響していると思われますが、動画作成アプリ(CapCut、MX TakaTak)もランキングに入っており、新型コロナウイルスの感染拡大した2021年ならではのランキングであると言えます。
【インドネシアにおける収益額が高いアプリTOP10】
2. TikTok
3.Tinder
4.Disney +
5.Tencent Video
6.BIGO LIVE
7. Google One
8.Twitch
9.piccoma
10. iQIYI
収益額が高いアプリのランキングではYoutube、Disney +、Tencent Video、Twitch、iQIYIと半分はビデオストリーミングサービス系のアプリがランキング上位に入っていることが分かります。
これも自宅での滞在時間が増えたことがその要因と考えられます。
ビデオストリーミング系のサービスは、日本でも流行していますが、Tencent VideoやTwitchやiQIYIなど日本ではあまり見慣れないストリーミングサービスが入っていることが分かります。
また、日本の漫画アプリpiccomaの収益額も高く、インドネシアにおける日本の漫画人気も垣間見ることができます。
【インドネシアにおける月額ユーザー数が多いアプリTOP 10】
2.WhatsApp Messenger
3.Facebook Messenger
4. Instagram
5.Amazon
6.Telegram
7.Twitter
8. TikTok
9.Netflix
10.Spotify
月間ユーザー数が多いアプリは、上位5位までは去年と変わらず、SNS(Facebook/Instagram)や、メッセージアプリ(Whats app Messenger /Facebook Messenger)やECサイト(Amazon)が上位に入っています。
ひとつ特筆すべきは、インドネシアで不動の人気のメッセンジャーアプリWhats app Messengerを差し置いて、Facebookが1位となっており、インドネシアにおけるSNSアプリ、中でもFacebookの支持率の高さが伺えます。
3つ全てのランキングに入っているのは、TikTokで、FacebookやInstagramを上回り、ダウンロード数が多いアプリランキングの1位となっています。
TikTokは昨月のコラム「インドネシアの若者のトレンドについて」でもご紹介させて頂きましたが、主に若者の間で流行しているアプリで、ダウンロード数などから見ても、現在のインドネシアにおいて最も流行しているアプリであると言えるでしょう。
日本での人気アプリとの比較
2020年の年間データとなりますが、日本において、ダウンロード数が多いアプリは以下の通りです。
【日本における年間ダウンロード数が多いアプリTOP 10(2020年)】
1. COCOA
2.ZOOM
3.PayPay
4. LINE
5.Instagram
6.Amazon Prime Video
7.Smart News
8. TikTok
9.Uber EATS
10.Twitter
ダウンロード数が多いアプリについて日本とインドネシアとを比較すると、日本では新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAやZOOMやUberEATSなど新型コロナウイルス対策に関連したアプリが多いように思えます。
また、メッセンジャーアプリのダウンロード数が多いインドネシアとは異なり、日本ではメッセンジャーアプリはLINEのみが上位に入っています。
その他、キャッシュレス決済アプリPayPayが上位に入っており、他のキャッシュレス決済サービスを抑え、突出しています。この様にキャッシュレス決済アプリが人気上位を占めている点もインドネシアの事情とは異なった特徴であることが分かります。
また、日本はアプリの課金が世界一となっており、世界からも注目が集まっています。
参考WEBサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000147.000011276.html
https://sensortower.com/blog/per-capita-app-spending-q1-q3-2021
今回のコラムでは、インドネシアの人々のアプリ利用状況について、日本との比較をしながらご紹介しました。
日本においてはコロナ禍において実用的なアプリが人気である一方で、インドネシアにおいては、メッセンジャーアプリやSNSアプリの様な人々がコミュニケーションを図るためのツールに人気があることが分かりました。
ビジネスシーンにおいても、インドネシアの人々とはメッセージでのこまめなやり取りを非常に好みます。
一方、日本では、大手企業の社員の方々がビジネスのやり取りでスマートフォンのメッセージアプリを使用することは他国と比較すると少ないようです。
インドネシアへ赴く際は、前述で挙げたアプリをいくつかダウンロードして、現地に赴いてみてはいかがでしょうか。
また、アプリ市場は日々の人々の生活様式や興味の対象が強く表れる市場とも言えるため、アプリの動向を注視することで、インドネシア全体の人々の動向を予測できます。
ここからビジネスチャンスに繋がるヒントが見えてくることもあるでしょう。
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