【コラム】インドネシアの世界遺産とは?

インドネシア政府は経済発展のための施策の一つとして観光業の振興に力を入れています。

バリ島はすでに観光地として世界的に有名であり、今後はバリ島以外での誘致が今後インドネシアへの観光客増加の要となってくると考えられるでしょう。

今回のコラムではインドネシアの世界遺産についてご紹介いたします。

 

目次

インドネシアの世界遺産

インドネシアには文化遺産が4件、自然遺産が4件の計8件の世界遺産が存在します。

今回は8か所すべての世界遺産をご紹介し、インドネシアの魅力をさらに感じていただきたいと思います。

 

1. ボロブドゥール寺院遺跡群(1991年世界遺産登録)

8~9世紀に建立されたと推定されるシャイレーンドラ朝時代の大乗仏教遺跡です。

約千年もの間密林に覆われ人々から忘れ去られていましたが、イギリス人のラッフルズによって1814年に偶然発見されました。

巨大な遺跡群が姿を隠していた理由については、ムラピ山の大噴火によって灰に埋もれてしまった説と、イスラム教徒に破壊されることを恐れて地元民が隠したという説があります。

遺跡群はボロブドゥール遺跡、パオン寺院、ムンドゥッ寺院から構成されています。

 

2. コモド国立公園(1991年世界遺産登録)

世界最大のトカゲであるコモドオオトカゲが生息している公園です。

コモド島、リンチャ島、パダール島やその他の小さな島々を含み、2,321㎢の面積を持つ広大で自然豊かな場所です。

オーストラリアツカツクリやルサジカといった珍しい動物やサンゴ礁、マングローブなどの自然環境を見ることもできます。

コモドドラゴンの外国人観光客の入場料は平日は11ドル、日曜祝日は21ドルです。

しかし実は現在、コモドドラゴンの生息する東ヌサトゥンガラ州の州知事は、外国人の入場料を500ドル(約5万6000円)にまで値上げすることを検討しています。

なかなか500ドルもの入園料は高額だとみなされるのではないでしょうか。

 

3. プランバナン寺院群(1991年世界遺産登録)

9~10世紀の間にインドネシアのジャワ島を治めていたヒンドゥー教王国である古マラタム王国(サンジャヤ王朝)によって建てられたヒンドゥー教寺院群です。

仏教とヒンドゥー教の様式が融合した寺院群が点在しており、当時の人々の他宗教への寛容さがうかがえます。

中心的なヒンドゥー教寺院であるロロ・ジョングラン寺院の隣では、ラーマヤナ舞踊(古代インド叙事詩)が上映されている日もあります。

 

4. ウジュン・クロン国立公園(1991年世界遺産登録)

Photo by Putra Mahanaim Tampubolon

インドネシアで初めて登録された世界遺産です。

ジャワ島の西端、ウジュン・クロン半島にある自然豊かな熱帯雨林のジャングルです。

かつて火山の大噴火によって壊滅しましたが、約100年の歳月をかけて甦り、生態系も回復しました。

多くの動植物が生息しており、絶滅危惧種になっているジャワサイが生息しているのはウジュン・クロン公園のみです。白い砂浜のビーチもあり、ダイビングを楽しむこともできます。

 

5. スマトラの熱帯雨林遺産(2004年世界遺産登録)

Photo by Simonsiregar

スマトラ島のバリサン山脈に広がる地域で、面積は約2万5000㎢にも及びます。

グヌン・ヌセル国立公園、ケリンチ・セブラ国立公園、ブキット・バリサン・セラタン国立を含む広大な熱帯雨林です。

世界的にも珍しい動植物が生息する地帯ですが、2011年には自然破壊が深刻化していることから「危機にさらされている世界遺産」リストに登録されました。

 

6. サンギラン初期人類遺跡(1996年世界遺産登録)

中部ジャワのソロに近いサンギラン周辺地域にある遺跡で、「ピテカントロプス・エレクトゥス(ジャワ原人)」の化石人骨が数多く発見された場所です。

1936年以降の発掘調査で頭蓋骨や歯などが発見され、後に50体にのぼる化石人骨が次々と見つかりました。類人猿から人類に進化する過程を示す発見で、150万年前ごろからの人類の進化を知るために非常に重要な手がかりとなっています。

 

7. ロレンツ国立公園(1999年世界遺産登録)

Photo by Alfindra Primaldhi

ニューギニア島西部、パプア州に位置する国立公園です。

公園近くの鉱物資源開発で起こる自然破壊への警告の意味を込めて、世界遺産登録が行われました。

しかし、国立公園とはいうものの、いまだに未確認の動植物も生息しているいわば未開の地です。

確認されている希少動物としては極楽鳥やキノボリカンガルーがいます。

また公園内には昔ながらの生活を維持している部族の集落もあり、特に有名なのはダニ族です。

 

8. バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム

バリに古くから伝わるヒンドゥー教の哲学「トリ・ヒタ・カラナ」をもとにして作られた水田が独特であり文化的であることから世界遺産に制定されました。

トリ・ヒタ・カラナはサンスクリット語で、「トリ=3」、「ヒタ=安全・繁栄・喜び」、「カラナ=理由」という意味を表します。これは神と人と自然が調和を重んじるバリ・ヒンドゥーの哲学です。

9世紀頃にはトリ・ヒタ・カラナをもとに水利組織「スバック」が作られました。

スバックごとに寺院を持っており、水や稲の神を崇拝しています。

 

インドネシアへの外国人観光客

近年は着実に外国人訪問者数を伸ばしていますが、残念ながら2017年、2018年共に目標の1500万人には届きませんでした。

インドネシアへの外国人訪問者数推移

出典:インドネシア中央統計庁「STATISTIK KUNJUNGAN WISATAWAN MANCANEGARA」より弊社作成
http://www.kemenpar.go.id/asp/detil.asp?c=110&id=4603 (閲覧日:2019年3月22日)

 

観光の面で近隣のタイやマレーシアに後れをとっており、今後は観光地での空港や道路などのインフラ整備が重要課題として挙げられます。

2019年には外国人訪問者数2000万人を目標としており、バリ以外の観光地がどれだけ観光客を呼び込めるか期待がかけられています。

例えば北スマトラ観光局によると、2019年には年間100万人の観光客を呼び込むという目標を掲げており、年間観光客数15~20万人程度であることを考慮すると、更なるプロモーションが必要となるでしょう。

インドネシア関連の観光事業にご興味がある方は、インドネシアに詳しい弊社にぜひお気軽にお問合せください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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