【コラム】インドネシアの辛味調味料サンバルについて
「サンバル(Sambal)」はインドネシア料理でよく用いられる辛味調味料で、インドネシアのレストランや食堂に行くと必ず目にするほどインドネシアで一般的な調味料です。
このサンバルは家庭やお店ごとに味が異なり、種類も様々です。
今回のコラムでは、インドネシアで欠かせない辛味調味料サンバルについてご紹介します。インドネシア人との会話のきっかけになりますと幸いです。
インドネシアの辛味調味料サンバルとは
サンバルはインドネシアで古くから愛されている辛味調味料であり、チリソースの一種です。
サンバルは、料理に添えたり、炒めものに使ったり、インドネシア料理のアクセントとして使用されています。
↑ 炒めたサンバル
↑ 料理に添えられるサンバル(チキンの左横)
サンバルのメインの材料として使われるのは、唐辛子、ニンニク、エシャレットでそれに加え塩、胡椒、砂糖などの調味料で味を調整します。
その他の使用される材料はサンバルの種類によって異なります。
インドネシアの辛味調味料サンバルの歴史
サンバルの歴史は諸説あり、インドネシアのガジャマダ大学の食品技術に詳しいMurdijati Gardjito教授によると、サンバルはポルトガル人により約2000種類の植物とともに持ち込まれた唐辛子(チリ)から16世紀以降インドネシアで辛味調味料として発展し、親しまれてきたことが分かっています。
また、フランスの冒険家が1621年にインドネシアの北スマトラにあるアチェ宮殿に訪れた際、唐辛子を使用した料理を出されたという記述も残っており、ジャワの先祖は古くから唐辛子を好んで食べていたことが分かります。
参考WEBサイト:https://www.alinea.id/gaya-hidup/sejarah-sambal-di-indonesia-b1XpZ9pnI
インドネシアの辛味調味料サンバルの調理方法
サンバルの調理方法は、先に油で炒める方法と後で油を加える方法があります。
具体的な手順としては、以下の通りです。
【先に油で炒める方法】
(1)唐辛子、ニンニク、エシャレット等の材料を油で炒める
(2)塩、胡椒、砂糖などの調味料を加えすり鉢で潰す
(3)味が馴染むまで材料を混ぜる
(4)完成
【後で油を加える方法】
(1)唐辛子、ニンニク、エシャレット等の材料をすり鉢でつぶす
(2)塩、胡椒、砂糖などで味付けをする
(3)味が馴染むまで材料を混ぜる
(4)油を熱し、混ぜた材料に注ぐ
(5)完成
また、サンバルを潰す際はサンバル専用の石臼(チョベ)を使ってすり潰すのが一般的です。
参考WEBサイト: https://www.merdeka.com/trending/5-cara-membuat-sambal-bawang-pedas-enak-dan-tingkatkan-nafsu-makan-kln.html?page=3
https://endeus.tv/resep/sambal-terasi/cara-membuat
インドネシアの辛味調味料サンバルの種類
インドネシアのサンバルの種類は200種類以上あると言われており、甘辛いサンバルや辛さが強烈なサンバルなど味は様々です。
その中でも有名なサンバルを4つご紹介します。
サンバルマタ(Sambal matah)
サンバルマタは、バリ州発祥のサンバルです。
材料は、赤唐辛子、青唐辛子、エシャロット、トマト、レモングラス、ライムなどをメインとして使用し、レモングラスやライムが入っており辛さの中に爽やかな味わいがあるのが特徴です。
Matah はインドネシア語で「生」という意味で、その名の通り生の食材をすり潰した後に油をかけて調理する調理方法となっています。
テラシ(Terasi)
テラシは、中部ジャワ州発祥のサンバルで、インドネシアで最も一般的に使用されています。
材料として、海老を使った魚醤(Terasi)、赤唐辛子、にんにく、エシャロット、トマトなどをメインとして使用します。
Terasiとは海老を使った魚醤のことを指し、その名の通りTerasiを使用した海老の風味がするサンバルで、インドネシアに行くと一度は目にするものです。
サンバルヒジャウ(Sambal hijau)
サンバルヒジャウは西スマトラ州発祥のサンバルで、パダン料理に使用されることが多いです。
材料は、青唐辛子、干し海老、エシャロット、ニンニクをメインとして使用します。
見た目は緑色で、赤唐辛子より辛くなさそうに見えますが、他のサンバルに比べ辛味が強いのが特徴です。
また西スマトラ州の伝統料理ルンダンと一緒に食べるととても相性が良いのもこの種類の特徴です。
名前のHijauはインドネシア語で”緑”という意味で、青唐辛子の色を表しています。
サンバルケチャップ(Sambal kecap)
サンバルケチャップは、唐辛子、ニンニク、エシャロットなどを醤油(Kecap)につけたサンバルです。
焼き魚や焼き鳥などの焼き料理につけて食べるのが一般的です。
醤油が含まれているため、他のサンバルより辛さが控えめです。
焼き魚や焼き鳥などの焼き料理につけて食べることが多いです。
ご紹介した4種類のサンバルだけでも、それぞれ特徴が異なることが分かります。
このようにインドネシアでは、料理に応じて様々な種類のサンバルを使い分け料理の味を広げています。
参考WEBサイト:https://www.flokq.com/blog/id/sambal-indonesia
インドネシアの辛味調味料サンバルの楽しみ方
インドネシアでは食事をする際、必ずサンバルに出会います。
そんな時、どの料理にどんな種類のサンバルが使われているのか、家庭毎、地域毎にどの様に味が異なるのかを感じながら料理を食べると更に食事が楽しくなるでしょう。
また、スーパーマーケットでも、具材が入っているものから、液体状(サンバルソースと一般的に言われる)のものまで様々なサンバルが売られているため、自分のお気に入りのサンバルを見つけるのも面白いですよ。
今回は、インドネシアの辛味調味料サンバルについてご紹介しました。
インドネシアへ行かれた際、インドネシアの代表的な食文化のひとつともいえるサンバルについて、事前知識を持って現地の人々とお話をされてみると、良い会話のきっかけになるのではないでしょうか。
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