【コラム】今年のラマダン・レバランの購買動向とECサイトのプロモーションについて
今年のラマダン(断食月)は、4月13日から始まりました。
世界最大のイスラム教人口を抱えるインドネシアでは、ラマダンとレバラン(断食明けの大祭)は特にインドネシアの経済が大変活発になります。
具体的には、インドネシアではレバランの時期に故郷に帰省して家族や親戚と集まるという風習があるため、毎年レバランの前になると、帰省する際に必要な衣服やお土産の品や家族へのプレゼンなど様々な買い物をする人々でデパートやスーパーは賑わいます。
また、人々の買い物需要に合わせラマダンからレバランの期間中スーパーやショッピングモールではラマダンセールが行われます。
去年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、インドネシア国内の特に都市部のショッピングモールが閉鎖され、更にスーパーや薬局などの営業時間が大幅に短縮されたため、買い物需要は例年とは異なりましたが、今年のレバランも旅行・帰省の移動規制が行われることが決定しており、オンラインショッピングの需要は高まると見られています。
今回のコラムでは、インドネシアにおける今年のラマダンの購買行動の動向と各ECサイトのプロモーションついてご紹介していきます。
インドネシアにおけるTHR(宗教大際手当)
インドネシアの企業は従業員に対してレバランの前に給料1ヶ月分のTHR(宗教大祭手当)という手当てを支給することが義務付けられています。いわゆるボーナスに当たります。
このTHR(宗教大祭手当)の支給により、インドネシアではラマダンからレバランにかけて特に経済活動ががますます活発になります。
去年インドネシア政府は、新型コロナウイルスの影響でTHRの支払いが難しい会社に対して分割での支払いや支払い延期を認めていましたが、今年は景気回復のためにもレバラン前までに満額で支払うことを企業へ求めています。そのことにより、去年に比べてレバラン時の消費活動の拡大が期待されています。
今年はオンラインショッピングの利用率が82%
マーケティング会社InMobi社の調査によると、今年のラマダン期間のインドネシアにおける購買行動において、オンラインショッピングを利用すると回答した割合は回答者全体の82%いることが明らかになりました。
去年のラマダン期間にオンラインショッピングで購入を検討していた割合は全体の33%だったことから比較すると、去年に比べてオンラインショッピングでの購入を検討している割合が2倍以上増加していることが分かります。
以前のコラムでもご紹介しましたが、グローバルアドテクノロジー企業のThe Trade Deskの調査によると、レバラン期間の帰省の禁止により浮いたお金の使い道として、オンラインショッピングやフードデリバリーに使いたいと思っている人がアンケート回答者のうち過半数以上の割合もいることが分かっています。
元々、ラマダン・レバランの時期になると各ECサイトは様々なプロモーションを展開していましたが、このような購買行動の変動により、ECサイトの運営会社はラマダン中のキャンペーンに更に力を入れているようです。
ここからは今年のラマダン期間におけるインドネシアの各ECサイトのプロモーションについてご紹介していきます。
インドネシアのラマダン中におけるECサイトのプロモーションについて
Tokopedia
引用: Tokopedia公式サイト より
インドネシアのECサイトで1位のアクセスを誇るTokopediaは、ラマダン期間中最大90%割引のラマダンセールを開催しています。
レバランで帰省できない代わりに、両親や親戚にプレゼントを送る人へ向けたキャッシュバックキャンペーンや、レバラン用の衣服を購入する人へ向けた20%のキャッシュバックキャンペーンなどラマダン期間ならではのキャンペーンを打ち出しています。
また、一部商品送料無料のプロモーションなどのキャンペーンも実施しています。
Bukalapak
引用: Bukalapak公式サイト より
Tokopediaに次ぐ2位のアクセスを誇るBukalapakは、ラマダン期間中、送料無料キャンペーンや、最大100万ルピアのキャッシュバックキャンペーンを実施しています。
また、ラマダン時の栄養不足を補うビタミン剤などのサプリメントのプロモーション商品も販売されています。
参考: https://infokomputer.grid.id/read/122651611/deretan-promo-di-shopee-tokopedia-dan-bukalapak-selama-ramadan-2021?page=all
参考: https://ramadan.tempo.co/read/1453872/gaet-bukalapak-dan-tokped-jne-berikan-gratis-ongkir-selama-ramadan-2021
Shopee引用: Shopee公式サイト より
Shopeeは、家での時間が増えたコロナ禍におけるプロモーションとして、家で使う調理器具などの商品の半額キャッシュバックキャンペーンを実施しています。
また、インドネシアで有名なコンビニの一つであるAlfamartと連携し、Shopeeの公式アプリ内の電子ウォレットShopeePayを利用して買い物をすると最大70%割引されるという独自のキャンペーンも実施されています。
電子ウォレットを利用した支払いにシフトすることで、接触も減り新型コロナウイルス 対策しても最適な方法と言えます。
Bli bli
引用:Bli bli公式サイトより
Bli bliの最新のサービスとして、2時間で配達を行うサービスを実施し購入者はすぐに購入した商品を受け取ることが可能です。
また、ジャカルタにあるショッピングモールのセントラルデパートとコラボし、地元デザイナーによりデザインされた高級なムスリム用の洋服を販売しております。
コロナ禍におけるラマダンは2度目となり、人々もオンラインでの購入に慣れてきているため、デパートで販売されている高級な商品のオンラインでの売上拡大に期待が高まっています。
参考: https://www.antaranews.com/berita/2092658/central-x-blibli-festive-ramadan-2021-gandeng-desainer-lokal
参考: https://infokomputer.grid.id/read/122638077/kolaborasi-central-department-store-dengan-blibli-sambut-ramadan-2021
参考: https://selular.id/2021/04/blibli-hadirkan-pengiriman-2-jam-dan-festival-belanja/
Lazada
引用:Lazada公式サイトより
アリババグループが所有するLazadaも、「ラザダラマダンセール」というキャンペーンを実施しており、期間中は最大90%の割引、送料無料、毎日のキャッシュバックなど特典の他、ラマダン期間中週末限定の39,000ルピア均一セールや、Lazada独自のポイントLazCoins還元・交換キャンペーンも実施しています。
参考:https://www.carabelanja.id/lazada-ramadhan-sale-2021/
インドネシアの各ECサイト運営会社は、レバランの帰省の代わりに親戚へプレゼントを送るためのプロモーションを行うなど、コロナ禍だからこその様々なプロモーションも打ち出していることが分かります。
また、コロナ禍でインドネシアにおけるオンラインショッピングはますます普及していくと見られています。
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