【コラム】インドネシアにおける学校外学習について

日本の子供達は小学校から高等学校までの期間に、一度は塾に通ったり、家庭教師に勉強を教えてもらう経験をしたことのある人は多いことと思います。

実は、インドネシアの子供達も、日本と同様、学力の補強や向上のために塾や家庭教師に学習指導を受ける等、様々な種類の学校外学習機関があります。

今回はインドネシアにおける学習塾、予備校、家庭教師などの学校外教育についてご紹介していきます。

 

インドネシアで人気がある学校外学習

まずはじめに、インドネシアで利用者数が多い学校外学習機関についてご紹介していきます。

 

ルアングル(Ruang guru)

ルアングルは、インドネシアで最大のオンライン学習アプリのプラットフォームです。

スタートアップ企業ながら、登録者数は2200万人、教師数は30万人を誇ります。

新型コロナウイルスの影響による学校閉鎖の際、インドネシア国内の学生に向けてオンライン授業を無料で配信したことでも話題になりました。

小学生〜高校生向けの学習コンテンツを提供しており、ビデオ学習、動画講義、オンライン試験など様々なかたちで学習することができます。

おおよその費用は、動画講義だと年間契約でRp 599,000(約5,000円)〜となっています。

参考WEBサイト:https://www.ruangguru.com/
https://www.ruangguru.com/blog/informasi-produk-ruangguru-yang-jadi-unggulan

ガネーシャオペレーション

1984年にバンドンで設立して以来、256都市、インドネシア国内で600の教室を展開している大手塾です。

2021年度に利用している生徒数は4万3千人となりました。

小学生〜高校生向けの塾で、少人数クラス(〜5名)大人数クラスを(〜25名)選択することができます。

料金は地域によって異なりますが、年間でRp195,0000(約15,000円)〜となります。

WEBサイトURL :https://www.kalderanews.com/2021/03/pelajar-ini-5-rekomendasi-bimbel-terbaik-dan-favorit-di-indonesia/

 

プリマガマ(Primagama)

1982年にジョグジャカルタで設立して以来、インドネシア国内に500以上の教室を展開しています。

プリマガマは、小学生〜高校生向けの家庭教師による教育サービスを提供しています。

授業料は、年間でRp4,795,000(約40,000円)〜となっており、前述の2つの料金と比較すると割高なことが分かります。

WEBサイトURL: https://harga.web.id/program-bimbingan-dan-biaya-les-bimbel-favorit-primagama.info

 

上記よりインドネシアにおける学校外での学習も、日本と同様にオンライン学習での学び、集団学習での学び、家庭教師での学びと様々な種類があることが分かります。

 

インドネシアの学校外学習業界に参入する日本企業

前述でインドネシアにおいて人気の塾等の子供達への学習サービスについて紹介しましたが、ここからはインドネシアの学校外学習業界に参入している日本企業について紹介します。

 

公文教育研究会(Kumon)

1993年に現地法人がインドネシアに設立されて以来、インドネシアの21の州に広がり800以上の教室を展開し、15万人以上の生徒達が公文で学習をしています。

インドネシアのKumonでは、算数、数学、英語を展開しています。

約30年間現地に根差した取り組みを行なっているため、現地の人々に親しまれている存在で、子供の力に合わせて学習できることや、毎日学習できることが魅力となっているようです。

参考WEBサイト:https://id.kumonglobal.com/
https://www.kumon.ne.jp/press/3976/

 

ベネッセコーポレーション(Benesse)

2012年にインドネシアへ進出し、小学生向けの教材の進研塾(Shinkenjyuku)と幼児向けの教材の子供チャレンジ(Kodomo Challenge)の2つのサービスを展開しています。

進研塾は小学校1年生〜6年生が対象で、複数人の生徒が一緒に授業を受ける塾形式になっています。

科目は算数のみに絞られています。

子供チャレンジは、幼児向けのプログラムで、月に1度家に幼児教育様の玩具、教育DVD、絵本などが届き幼児の発達に合わせた教育をすることができます。

参考WEBサイト:https://www.benesse-indonesia.com/shinkenjuku.html
https://suarakarya.co.id/shinkenjuku-cara-asyik-kerjakan-soal-matematika-dengan-hots/19765/

立志館インドネシア(Risshikan Indonesia)

日本の南大阪を拠点としている立志館ゼミナールも2013年からインドネシアへ進出しています。

幼稚園児〜中学生を対象とした算数教室と、小学5年生〜中学3年生を対象とした日本語教室を開催しています。

前述の公文やベネッセと比較すると、日本語教室があることが特徴的です。

新型コロナウイルス以前は、日本へのスタディーツアーも開催しており、日本式の教育を学ぶだけではなく、日本語や日本文化について学べる点が立志館インドネシアならではの特徴と言えます。

参考WEBサイト:https://risshikan.online/wp/

 

その他にも算数に特化した学習塾「サカモト式」や、オンライン学習サービスを提供するスタートアップの「すららネット」など様々な企業がインドネシアの学校外学習市場へ進出しています。

以上の様にインドネシアにおける学校外学習の市場へ様々な日本企業が進出しており、その多くが対象の科目として算数と英語教育のサービスを提供していることが分かります。

 

新型コロナウイルスによるオンライン学習需要の高まり

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、インドネシアではオンライン学習への需要が高まっています。

インドネシアでオンライン学習アプリを提供している「ルアングル」の利用者数が新型コロナウイルス以前と比較して約46%も増加しています。

同様に日系企業である株式会社Progateが提供している、オンラインプログラミングサービス「Progate」のインドネシアにおける登録者数は2020年から約1年間で登録者数が10万人を突破しました。

その他、インドネシアへ進出している日本企業は特にオンライン学習向けの事業に力をいれています。

公文は、英語のリスニング課題を聞くことができるアプリを開発し、自宅の学習をサポートしています。

ベネッセは、数学オリンピックをオンラインで開催しました。

このように、インドネシアではパンデミック対策としてこのようなオンライン学習への需要が高まっており、各企業はそれら需要に合わせたサービスの展開が活発に行われていることが分かります。

参考WEBサイト:https://www.ruangguru.com/blog/ruangguru-tutup-tahun-2020-dengan-melayani-lebih-dari-22-juta-pengguna-di-indonesia
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000015015.html

 

今回のコラムでは、インドネシアにおける学校外学習についてご紹介しました。

インドネシアでも日本と同じ様に、塾や家庭教師を利用し学校外の学習への需要があるようです。

また、学校外学習の市場には日本企業は古くから参入しており、日本での教育法が活かせる業界であるとも言えます。

 

世の中が新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を受けている昨今、インドネシアでもオンライン教育への需要が著しく高まっています。

これからの教育サービスは、このオンライン教育を如何に有効活用していくかが、子供達の教育レベルの維持、向上のために不可欠となっていくと言っても過言ではありません。

東南アジアの中でも突出して人口の多いインドネシアにおいて、オンライン学習を中心とした学校外学習の市場への参入を狙う外国企業が更に増加するのではないでしょうか。

 

弊社では様々な分野でインドネシア進出のサポートや、調査などを行なっております。

セミナーの開催や講師派遣なども行っておりますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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