【コラム】インドネシアにおける年末年始事情
2021年も残すところあと少しとなり年末年始が近づいて参りました。
仕事を納め、年末年始を迎えるのを待つのみという方も多いのではないかと思います。
日本では帰省をしたり、家族でまったりとした時間を過ごしたり年末年始は1年の締めくくりと新しい1年の始まりを迎える特別な期間です。
一方、インドネシアでは年末年始をどのように過ごすのでしょうか。
今回のコラムではインドネシアの年末年始事情についてご紹介します。
インドネシアにおける年末年始の休み
インドネシアでは、日本のように三が日という概念はなく、企業は12月31日と1月1日だけが休みとなることが一般的です。
また、インドネシアの学校は12月24日のクリスマスイブから冬休みに入り、1月3日から学校が始まることが一般的です。
年越しは故郷へ帰省し家族で団欒して過ごすことが多いですが、日本のようにお節料理を食べ、お年玉をもらうような特別な習慣はありません。
特に、イスラム教徒が人口の約90%を占めるインドネシアにおいては、年末年始よりもレバラン休暇の方が日本人のお正月に近い感覚があると言えます。
また、インドネシアのバリ島ではバリ・ヒンドゥー教の暦であるサカ暦の新年にあたる”ニュピ”がお正月とされています。
この日は、火や電気を使わず静かに静寂の時を過ごします。
ニュピはバリ島に住む人々にとって特別な日です。
インドネシアでは日本のように年末年始がとりわけ特別という感覚はあまりなく、寧ろ宗教行事による休日の方が重要である様です。
また今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、インドネシア政府は12月24日から1月2日までの期間活動規制を強化する内務大臣指示を発出しており、故郷への帰省も禁止される等、例年とは少し違う年末年始になりそうです。
参考WEBサイト:https://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase21_209.html
インドネシアにおける大晦日の過ごし方
ここで、インドネシアにおける大晦日の過ごし方をいくつか紹介します。
トランベットを吹く
大晦日になると出店で、カラフルなプラスチックのおもちゃのトランベットが売られています。
トランベットは蛇や鳥、エビ、ギターなど様々な形をしたものがあり、新年を迎える時にそのトランペットを吹いてお祝いをします。
花火
大晦日から新年を迎えるタイミングで街では花火が上がり、家族や友人と共に新年をお祝いします。
また、新年は夜まで屋台が出ており街は夜中まで活気が溢れています。
コンサートイベント
大晦日には、アーティストによる大晦日コンサートが行われます。
コンサートの模様は、テレビで配信され、最後には花火が打ち上げられます。
BBQ
大晦日にBBQを行う人も多く、家族で団欒しながら魚や肉や野菜を焼きながら新年を迎えます。
キャンプ
10代の若者は、大晦日に友達とキャンプへ行き新年を迎えます。
一年中温暖な気候のため、インドネシアでは年末年始に屋外でキャンプをしても凍えることはありません。
Mondok Hatta(モンドック ハッタ)
北スマトラ州にあるトバ湖周辺に住むバタック族の人々は、新年を迎える瞬間にお祈りをし、家族に1年の反省や来年の抱負を述べるMondok Hatta(モンドック ハッタ)という伝統があります。
また、反省や抱負を述べる際は、家族の中で最年少の人から順番に述べていくという慣わしがあるようです。
このMondok Hattは、家族がお互いの気持ちを理解し、気持ち良く新年を迎えることができるというこの国ならではの良き伝統です。
インドネシアの年末年始は、日本ほど特別な習慣はありませんが、年末年始に決まって行うこの様な過ごし方があるようです。
また、インドネシアの観光地では大晦日に特別なイベントが行われています。
中部ジャワ州に位置するジョグジャカルタでは、世界遺産であるボロブドゥール遺跡においてランタンを上げるイベントが行われています。
ランタンを上げるイベントは、中部ジャワ州のディエン高原においても行われています。
また、バリ島では、大晦日のパレードが行われアートパフォーマンスや伝統的なダンスが披露され、街は賑わいをみせます。
参考WEBサイト:https://www.kapanlagi.com/event/10-tradisi-merayakan-tahun-baru-di-indonesia-nomor-2-bisa-memakan-korban-number-c5e1f3.html
https://www.rukita.co/stories/tradisi-merayakan-tahun-baru-di-indonesia/
https://www.markombur.com/2020/05/mandok-hata-di-acara-malam-tahun-baru.html
インドネシアにおける年末年始のプロモーション
インドネシアにおいても、年末年始の購買意欲向上を狙い、様々なプロモーションが行われます。
また、12月はクリスマスセールもあり、小売業では多いところで年間総売上の40%もの実績をこのクリスマスと年末年始の時期に計上するところもあります。
しかし、去年は新型コロナウイルスの影響で外出が減りクリスマスセールとお正月セールの小売業の売上高は前年比15%減少したことが分かっています。
未だ新型コロナウイルスが収束していない今年もこの売上高の動向は注目したいところです。
参考WEBサイト:https://bisnis.tempo.co/read/1419321/pengusaha-retail-penjualan-saat-natal-dan-tahun-baru-2021-turun-15-persen
https://www.kompas.com/food/read/2021/12/19/213400075/promo-liburan-natal-dan-tahun-baru-dari-7-hotel-di-jakarta?page=all
インドネシアの年末年始プロモーションの一部をご紹介します。
GREE(家電量販店)
インドネシアの大手家電量販店GREEは、2021年12月7日〜2022年1月10日に指定の商品を購入したお客さんに対して、iPhone13等の豪華商品が当たるキャンペーンを行っています。
バーガーキング
インドネシアのバーガーキングでは、12月31日まで一部のハンバーガーを通常より安く購入できるキャンペーンを行っています。
Yoshinoya
インドネシアの吉野家では、2021年の12月31日まで、2つ買うと別の商品が2つ無料でついてくるキャンペーンを行っています。
参考WEBサイト :https://www.gree.id/id/news/promo-natal-tahun-baru-gree-berhadiah-total-milyaran-rupiah.html
https://www.giladiskon.com/deals/promo-yoshinoya-payday-beli-2-gratis-2Shopee
インドネシアの大手ECサイトShopeeでは、年末年始の期間で家電製品の送料無料キャンペーンや割引のキャンペーンを行っています。
参考WEBサイト:https://shopee.co.id/m/1-1-new-year-sale
また、この時期のプロモーションのやり方を見ていると、クリスマスのプロモーションと年末年始のプロモーションを併せて行われていることが多いようです。
今回のコラムでは、インドネシアにおける年末年始事情についてご紹介しました。
インドネシアの年末年始のこの時期は日本ほどの特別感がある時期ではない様ですが、家族で集まったり、年末セールがあったりと、日本に似ている点があることも分かりました。
また、クリスマスから年末年始にかけて、小売業では特にこの時期が「かき入れ時」となるため、日本の皆様が事業としてインドネシアのこの業界に参入、事業立上げをする際は、タイミングを考慮した戦略を練ることが大切だと言えます。
弊社では、様々な分野でインドネシア進出のサポートや、調査などを行なっております。
是非、来年も皆さまのご相談をお待ちしております。
今年も弊社のコラムを読んでいただき誠にありがとうございました。
株式会社インドネシア総合研究所
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