【コラム】インドネシアの法体系
今回はインドネシアの法律の全体像を日本の法体系と比較しながらお伝えします。
日本の法体系
日本の法律で最も重要なのは、最高法規である日本国憲法ですね。その下に国会で決議される法律、内閣や省庁が制定する命令、地方自治体で制定される条例、と続きます。
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000945624.pdf 及び https://fukatax.com/2018/05/22/law/ を基に弊社作成
参考サイト:https://www.mirai-inc.jp/support/roppo/basic-knowledge.pdf
https://fukatax.com/2018/05/22/law/
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000945624.pdf
インドネシアの法体系
インドネシア共和国憲法(UUD : Undang Undang Dasar):
インドネシアの最高法規。独立翌日の1945年8月18日に発布された最初の憲法を1945 年憲法(UUD1945)と言います。その後一部改正されましたが、基本的にはこの1945 年憲法が基準になります。
法律(UU : Undang Undang)
インドネシア共和国憲法の次に重要視されます。
法律代行政令(PERPU : Peraturan Pemerintah Pengganti Undang-Undang)
法律と同等の効力を有する政令で、緊急の特別な事情があるときに大統領が制定できます。
この権限は、1945年インドネシア共和国憲法で定められています。
インドネシア中央政府から発布される法律
・政令(Peraturan Pemerintah : PP):インドネシア中央政府から発布される法律
・大統領令(Peraturan Presiden : Perpres):インドネシア大統領が発布する法律
・大臣令(Peraturan Menteri : Permen):インドネシア各省庁の大臣が発布する法律で、法的優位性は大統領令より下になります。
法律(UU)の内容はザックリしたものが多いのですが、法律の内容を細かく規定するのが政令、大統領令、大臣令です。
参考サイト:https://www.moj.go.jp/content/001220355.pdf
インドネシア地方政府から発布される法律
・地方令(Peraturan Daerah : Perda)
地方行政区分にも第1級と第2級の地方自治体があり、それぞれの地方行政区分単位でも法律が発布されます。
・第1級地方自治体(Daerah Tingkat 1) : 州(Provinsi)
・第2級地方自治体(Daerah Tingkat 2) : 県(Kabupaten)及び市(Kotamadya)
・州知事令(Peraturan Gubernur) : 州知事(Gubernur) が発布する法律
・県知事令(Peraturan Bupati) : 県知事(Bupati) が発布する法律
・市長令(Peraturan Walikota) : 市長(Walikota) が発布する法律
インドネシア進出と地方令、州知事令
インドネシア進出、特に地方へ進出する考える際には中央政府と地方令の両方に注意する必要があります。インドネシアの法律や法体系を理解することで、法改正があった時に、その改正が企業にとってどのような影響があるのかが分かります。
例えば2020年10月5日にはオムニバス法と通称されている法律の一部である「雇用創出法 (Undang-Undang Cipta Kerja) 」がインドネシアの国会で可決され、インドネシア進出中の日系企業にも大きな影響を及ぼしました。
オムニバス法に関するコラムはこちら
インドネシアの法律は分かりづらく、変更・改正も多いため、最新の正しい情報の取得が難しいのが現状です。
また、インドネシアでは法律が制定されたとしても罰則規定や詳細手順が記載されていないことが多々あります。しかも、関連省庁の大臣令(Peraturan Menteri)まで細かく調査する必要があります。
弊社はインドネシアにもスタッフがおりますので、地方令の改正時にも現地で詳しい情報を収集できます。インドネシア進出をお考えの方は是非、弊社までお気軽にご連絡ください。
株式会社インドネシア総合研究所
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