【コラム】インドネシア人と日本人のジョブ・ディスクリプションの違いと実例
弊社の過去のコラムでも何度かご紹介いたしましたが、インドネシア人の働き方は日本人の働き方とは異なります。
インドネシア人と日本人の会社への帰属意識の違い、ジョブ・ディスクリプションの違いについては下記のコラムにてご紹介しました。
弊社からみて、近年インドネシア人をはじめとする外国人の採用を検討される日系企業様は増えている印象です。そうしますと、インドネシア現地のみでなく、日本の会社の社内でもグローバルなコミュニケーション能力が必要とされるのです。
今回のコラムでは、弊社が経験したインドネシア人と日本人の働き方の違いに関する事例や、現地で見聞きした事例をご紹介いたします。
もちろんインドネシア人全員に当てはまるという訳ではないですが、一例としてご紹介します。
1 . 緊急時の対応
“患者さんの様態が急変した場合どうしますか?”という質問に対して、日本の看護師さんの場合は「至急お医者さんを呼びます」という回答が多く見受けられる傾向にあります。
チームワークで仕事をするため、担当者は業務の遂行に当たり上司に全ての作業を報告する必要があります。
しかしインドネシアの場合はどうでしょうか?インドネシア人看護師に同様の質問をした場合、「私が何とかします」という回答が多く返ってくるそうです。
インドネシアでは担当者に責任の権限があるため、いちいち上司に確認したり報告したりする必要がないのです。
2. お茶くみはしない?
日本では、新入社員、特に女性にお茶くみをさせるケースが一般的ではないでしょうか。
インドネシアでは、コピーやお茶くみなど雑用業務をするための専用のオフィスボーイやオフィスガールがいるので、社員がこのような業務を行うことはありません。
インドネシア人スタッフのこのような業務を命じた場合、「なんで私がするんですか」という返事が返ってくる可能性も無きにしも非ずです。
3. 電話はとらない?
日本では、電話対応についても新入社員や女性社員がする、というのがまだまだ一般的ではないでしょうか。
また、担当者が不在の場合でも電話が鳴れば必ず誰かが対応し、担当者に伝言を共有すたりするのが普通です。
しかし、インドネシアではジョブ・ディスクリプションが明確なため、「鳴った電話が自分の担当じゃなかった場合、何かあっても責任が取れない」という理由で出ないことも珍しくありません。
4. コピーとって持って来て?
日本では、上司が部下(新入社員や女性社員)に「コピーとってきて」とお願いをすることは珍しくないかもしれません。
そして、コピーを頼むと、印刷物を依頼者のところまで持ってくるのが一般的でしょう。
インドネシアでは①で上述の通り、雑用を担当するオフィスボーイ/ガールにコピーを頼むのが普通ですが、社員に頼んだ場合、コピーはとるものの印刷物を依頼者のところまで持ってこないというケースがあります。
この場合、“コピーをとる”という業務自体は指示通り行っているので、「コピーを取って持ってきて」と頼む必要があります。
これらはあくまで一例ですが、働き方、ジョブ・ディスクリプションや文化の違いについて全く知らないのと少しでも知っているのとでは、インドネシア人との仕事の仕方が変わってくるのではないでしょうか。
近年、インドネシア人を採用したいという会社様が増え、弊社にもお問合せを多く頂くようになりましたが、インドネシア人を受け入れるにあたり、インドネシア人の教育のみでなく、受け入れる日本側が何を理解し、教える必要があるのかを把握しておく必要があります。
弊社では実例を交えた分かりやすいセミナーや研修を、日本とインドネシア双方の企業様向けに行ってきた実績が多数ございます。
ご興味がある方はどうぞお気軽に弊社までお問い合わせくださいませ。
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