【コラム】インドネシアにおけるiPhoneの市場について

インドネシアでは近年の急速な経済発展により、ここ数年で多くの人がスマートフォンを所有するようになりました。

スマートフォンは各メーカーから様々なブランドが展開されており、国によってスマートフォン市場は大きくことなります。

日本ではiPhoneが非常に人気があり、スマーフトフォン所有者の半数以上はiPhoneを利用していると言われています。

但し、これは世界的に見てもかなり珍しい市場で、全世界で見ると、iOSよりもAndroidの利用率の方が圧倒的に多いのです。

インドネシアでも同じような市場となっており、iOSよりもAndroidの利用者が圧倒的に多くなっています。

日本では非常に人気のあるiPhoneですが、インドネシアにおいてはiPhoneはどのぐらい普及しているのでしょうか?

今回のコラムでは、インドネシアにおけるiPhoneの市場についていたします。

 

インドネシアにおけるスマートフォン普及率

インドネシアにおけるスマートフォンの普及率については、以前にコラムで紹介させて頂いておりますが、2020年時点での普及率は61%と、統計上ではインドネシア国内の半数以上の人はスマートフォンを所有しています。

 

一方、日本におけるスマートフォン普及率は67%(2019年時点)となっており、日本とインドネシアのスマートフォン普及率はあまり変わりません。

参照:https://tekno.kompas.com/read/2020/02/20/14090017/penetrasi-internet-di-indonesia-capai-64-persen
参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252110.html

 

スマートフォンの普及率が過半数を超え、日本と同じようにスマートフォンがメジャーなインドネシアにおいてiPhoneのシェアはどのようになっているのでしょうか。

 

インドネシアにおけるiPhoneのシェア

日本でのiPhoneシェアは他の国と比べて非常に高いと言われていますが、下図からわかるように、インドネシアでのiPhoneシェア率は8%と、圧倒的にiPhoneよりもAndroidの利用率が高いことが分かります。

出典;startcounter mobile Vnder Market Share Indonesiaを基に弊社作成 (閲覧日:2021年1月25日)
https://gs.statcounter.com/vendor-market-share/mobile/indonesia

インドネシアにおけるスマートフォンの販売別シェアは、1位:Samsung(韓国メーカー)、2位:Oppo(中国メーカー )、3位:Xiaomi(中国メーカ)の3つが僅差でそれぞれ約20%の割合を占めています。

冒頭部分で述べた通り、世界的にみたスマートフォン市場としては圧倒的にAndroidの方が多いと言われているため、インドネシアにおいてiPhoneの利用率がそこまで多くないことは特段珍しいことではないかもしれませんが、背景にはどのような理由が考えられるでしょうか。

インドネシアにおいてiPhoneのシェアが少ない要因として、まず最初にiPhoneの価格が高いことがあげられるでしょう。

インドネシアにおけるiPhone最新機種の販売価格は、約1,849万ルピア(約13万円)で、インドネシアの平均年収Rp.5,600ルピア(41万円)の約3分の1の値段となります。

参照:https://www.cnnindonesia.com/ekonomi/20190206161843-532-366859/rata-rata-pendapatan-orang-indonesia-rp56-juta-per-tahun
https://themacindex.com/variants/MGLQ3/iphone-12-pro-128gb?currency=JPY

 

本国アメリカでのiPhone販売価格と比較しても、税金などの関係でより高額になっているためiPhone端末代金が割高になっている、というポイントも挙げられます。

参照:https://www.indozone.id/tech/JMsPdO/inilah-alasan-kenapa-harga-iphone-di-indonesia-lebih-mahal/read-all

 

インドネシアにおけるスマートフォンの平均販売価格は260万ルピアとなり、インドネシアで販売されている他のAndroid端末と比較しても、iPhoneの販売価格と大きな差があることが分かります。

参照:https://tekno.kompas.com/read/2017/11/23/19170077/harga-smartphone-di-indonesia-makin-mahal

 

弊社日本人スタッフも、インドネシア現地に滞在している際、iPhoneを持っているとインドネシア人の友人に「お金持ちだ」と言われることがありました。

また、iPhoneで写真を撮ると画質が良いというイメージもあるそうで、iPhoneで写真を撮って送って欲しいと言われることも多くありました。

このことから、インドネシアの人もiPhoneの性能の良さは分かっているけれど高価なため中々手が出せないという背景が読み取れます。

その他、インドネシアにおいてiPhoneシェアが少なくAndroidが好まれる背景として、メモリのデータを「SDカード」で管理することができない点や、無料アプリの充実度がAndroidより劣る傾向にあるという点なども理由として挙げられるようです。

インドネシアにおいて、iPhoneの普及率がSamsungの普及率 を抜く存在になるにはまだまだ課題はありそうですが、下図2011年〜2021年のiPhoneの普及率を見てみると、Samsungは低迷傾向にある一方で、iPhone・Oppo・Xiaomiは年々増えていっていることが分かります。

出典;startcounter mobile Vnder Market Share Indonesiaを基に弊社作成 (閲覧日:2021年1月25日)
https://gs.statcounter.com/vendor-market-share/mobile/indonesia

 

インドネシアにおけるiPhoneの普及率は徐々に増加していること、またインドネシアは急激な経済発展により所得が増加し、中間層が拡大しており、購買力が増えていることからも、今後インドネシアにおけるiPhoneの普及率が増加している可能性は十分考えられます。

今回はインドネシアにおけるiPhoneの市場に焦点を当てて紹介しました。

弊社は、インドネシアにおける最新情報についての講師派遣や、インドネシア現地での視察代行・オンラインでの調査代行などを承っております。

 

インドネシアの市場調査や進出をお考えの際は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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