【コラム】インドネシアバリにある世界一エコな学校グリーンスクールとは

皆さんは、インドネシアのバリにある「グリーンスクール」をご存知ですか。

グリーンスクールとは、持続可能な生き方をテーマに、地球に優しい未来にするためのリーダーを育てることを目標に掲げたインターナショナルスクールのことです。

インドネシアのバリにあるグリーンスクールが世界で初めてのグリーンスクールで、2012年には米国グリーンビルディング協議会により世界で最も環境に優しい学校に選出されました。

グリーンスクールでは、昼食の調理に使う火は地元の農場のおがくず燃料を使用し、お皿は堆肥化が可能なバナナの葉を利用しています。この様な取り組みから見て取れる様にとても環境に優しい学校です。

今回のコラムでは、インドネシアから世界に持続可能な社会実現のための教育を提唱しているグリーンスクールについてご紹介していきます。

 

グリーンスクールについて

グリーンスクールは、カナダ人の企業家ジョン・ハーディー氏によって2008年に設立された学校です。

開校当時の生徒数は90名程でしたが、現在の生徒数は500名を超えています。

世界で一番初めに建てられたグリーンスクールは、バリ島のウブド地区から車で約15分のシバンカジョ村というジャングルの中に位置しています。

竹で作られた校舎がとても有名で、この圧巻な光景は一目見たら忘れることができないほどのものです。
(グリーンスクールの地図)

 

グリーンスクールでは、英語学習教育を行っており、インターナショナルスクールのような学校スタイルのため世界各国から様々な国籍の生徒が集まります。

グリーンスクールに通う生徒には子供の年齢によって4つのプログラムが用意されており、それぞれのグレードでは以下の様な経験ができます。

 

Early Years 3歳〜6歳

幼稚園では、自然の中で遊びを通して学ぶことができるのが特徴です。

校内の植物や生き物に触れ、自然と共存することの大切さや、日々の食事に使用されている食物のルーツを学びます。

また、校外学習を通して幼稚園から地域の方と繋がりをもつことができます。

グリーンスクールの中心にある幼稚園校舎には、砂場、グランド、食事を取るスペース、竹の海賊船など子供達が満足して遊べる環境が整っています。

 

Primary School小学1年生〜5年生

基本的に学習は全て学生主体で、児童の企業家精神、環境についての関心、実践力、芸術についてのスキルを習得することができるところが特徴です。

児童たちは、国語、数学などの授業に加え演劇、郊外散歩、ヨガ、環境教育、宗教行事参加など通常の様々な体験をします。

 

Middle School 小学6年生〜中学2年生

リテラシー、数学、科学の授業に加え、健康(フィジカルウェルビーイング)、芸術、体験の3つのコースを選択することができます。

また、身の回りで起きている環境問題についての解決策を生徒自ら考え、行動するという取り組みも行っています。

具体的には、再生可能エネルギーの生産、ビーチで捨てられたボトルキャップを利用したサーフボードの制作、地元のレストランではプラスチックストローの使用に代えて竹ストローの利用を促すなどの取り組みがあります。

これらの取り組みを通して生徒たちは持続可能な社会に対するアプローチを学ぶことができます。

 

High School 中学3年生〜高校3年生

英語、数学、科学、体育、美術、環境教育などの必須科目に加え、生徒の興味に合わせて選択科目を選ぶことができます。

高校では、グリーンスクールの集大成として、世界の舞台でリーダーシップを取る等の活躍ができる人材を育てます。

最終学年になると、「グリーンストーン」と呼ばれる卒論大会が行われます。

グリーンストーンでは、6ヶ月の期間をかけて自身が興味ある分野について研究し、プレゼンテーションの練習を行い、TED形式で発表します。

グリーンストーンで行ったプレゼンを実際に事業化したいと名乗り出る起業家もいる程、学校外からも注目が集まる場にもなっています。

 

グリーンスクールバリの学費(2021年度)

入学料はデポジットを除いた金額で、日本円にして約30万円です。

授業料は、以下の通りです。

グリーンスクールバリ年間の授業料(IDRから日本円に換算)

学年 授業料(年間)
幼稚園年少・年中 119万円
幼稚園年長 141万円
小学1年生〜3年生 164万円
小学4年生〜5年生 168万円
小学6年生〜中学2年生 192万円
中学3年生〜高校1年生 205万円
高校2年生〜高校3年生 222万円

出典:グリーンスクールにおける授業料(Annual Tution Fee schedule in IDR)を基に弊社作成(閲覧日:2021年11月7日)
https://www.greenschool.org/bali/admissions/school-fees/

 

日本の私立中学校の学費は平均約130万円、高校で約100万円ですが、日本のそれと比較しても分かる様にグリーンスクールの学費が高額であることがわかります。

しかし、グリーンスクールでしか学ぶことができない実践的な持続可能な社会についての教育や環境教育の経験やリーダーシップの精神を高いレベルで学べることから、この費用を払ってでも入学させたい親やここで学びたい子どもたちが多いのも事実です。

また、地元の子供たちにも学びの機会を与えられるように奨学金制度を設けています。

参考WEBサイト:https://www.greenschool.org/bali/green-school-english/japanese/
https://www.hokennavi.jp/cont/column-life-edu-005/

グリーンスクールがある場所

バリで始まったこのグリーンスクールの系列の学校は、2021年現在で世界に3校存在します。

その3校はグリーンスクールニュージーランド(5歳〜15歳向け)、グリーンスクール南アフリカ(2〜13歳向け)、グリーンスクールトゥルム(まもなく開校)となります。

SDGsが世界の様々な場所で叫ばれている現代において、このグリーンスクールが今後どのように世界に展開していくのかが注目されています。

そして今後世界各国にこのグリーンスクールが展開していくのも時間の問題かも知れません。

この他にもこれら持続可能な社会の実現に向けたビジネスは、日本、インドネシア、更には世界に大きな影響を与えることができる可能性を秘めていると言えるでしょう。

 

弊社でも県南衛生工業社と提携し、インドネシアにおけるゴミ処理を通して持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っています。

インドネシアにおける持続可能な社会実現に向けた取り組みやそれらの調査などにご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。

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株式会社インドネシア総合研究所
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