【コラム】インドネシアで注目を集めるグルメツアー(Wisata Kuliner)とは
インドネシア産業省の2018年の発表よると、インドネシアにおける食品及び飲料産業は6.34%のインドネシア国内総生産(GDP)に貢献することに成功したと報告されました。
また、2017年のインドネシア観光省の報告によると、インドネシアのGDPに最も貢献したクリエイティブ経済部門はグルメ産業で41.69%、2番目はファッション産業で18.15%、3番目は工芸品で15.70%という結果となりました。
参考:Pesona Indonesia より
https://www.kemenpar.go.id/post/siaran-pers-menpar-ajak-pengusaha-majukan-wisata-kuliner-dan-wisata-belanja-di-indonesia
インドネシア観光省が出した観光客のお金の使い方に関する2018年のレポートによると、インドネシア人国内観光客では飲食にお金を使う割合が最も多いですが、外国人観光客は飲食に使う費用の割合は、二番目に多いことがわかります。
出典:Domestic Tourism Statistics, 2018. インドネシア中央統計庁、国内観光客統計、2018年より弊社作成(閲覧日:2020年1月27日)
https://www.bekraf.go.id/pustaka/page/data-statistik-dan-hasil-survei-khusus-ekonomi-kreatif
出典:International Visitor Arrivals Statistics, 2018. インドネシア中央統計庁、国際訪客到着統計、2018年、より弊社作成(閲覧日:2020年1月27日)
https://www.bps.go.id/publication/2019/08/28/f2e676c8c2b7ae3346a28b88/statistik-kunjungan-wisatawan-mancanegara-2018.html
インドネシア人観光客は旅行で“食”に重きをおく傾向があることが分かります。
このような背景から、2019年には特にグルメツアー(インドネシア語でWisata Kuliner)が注目を集め始め、グルメ市場は今後発展する可能性が非常に高いということもあり、インドネシア政府もこのグルメ産業をさらに発展させることを支援する方針です。
グルメツアーは、ただ食事をするだけでなく、散歩やリラックスしたり、休暇を楽しんだりしながら食事を楽しむ組み合わせのツアーが多いのが特徴です。
インドネシアのグルメツアーの傾向は、特定の地域の本物の食べ物をターゲットにするだけでなく、地元の人々の家での食事を楽しめるプランなども用意されています。
インドネシア観光省によると、インドネシアのユニークなグルメツアーは、食べ物だけでなく既存の食品を通じてインドネシアの芸術や文化も紹介することが出来るため、芸術と文化の面も促進することができるとしています。
では、一体どのような場所がツアーの目的地となっているのでしょうか?
まず第一段階の協議の結果、バリ、ジョグジャカルタ、ソロ、スマラン、バンドン、メダン、パレンバン、バタム、スラバヤなど、観光省が提案した10の主要な都市がグルメツアーの行先の候補としてに絞り込まれました。
そして最終的に、文化的及び商業的な面も考慮し、バリ、バンドン、ジョグジャカルタの3つがグルメツアーの目的地として決定されました。
グルメツアーの目的地がバリ、バンドン、ジョグジャカルタの3か所に決定された後、インドネシア観光省は、グルメツアーで堪能できる5種類の本格的なインドネシア料理を決定しました。
その5つの本格的なインドネシア料理とは、ソト(主にスープ、肉、野菜で構成される料理)、ルンダン(塊肉牛肉をココナッツミルクと香辛料で長時間煮込んだ肉料理)、ナシゴレン(インドネシアの炒飯)、サテ(串焼き肉)、ガドガド(温野菜に甘辛いピーナッツ・ソースをかけた料理)です。
ソト
ルンダン
ナシゴレン
サテ
ガドガド
インドネシア観光省に決定された上記の5つの本格的なインドネシア料理は、インドネシア全国のレストランや屋台などで提供されています。
しかしながら各地方や家庭によって調理方法や味付けが異なるため、地域独自の違った味が楽しめるのはまた、様々な文化を抱えるインドネシアで食事を楽しむ魅力の一つでしょう。
更に、インドネシア観光省はインドネシア料理をインドネシア国外で広める活動にも取り組んでおり、インドネシア国外にあるインドネシア料理のレストランとの提携をすでに試みています。
弊社ではインドネシアの食に関する調査の実績や観光省とのネットワークなどもございます。
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