【アルビー日記】外国人人材の受け入れと教育
こんにちは。アルビーです。
近年、日本で働く外国人労働者の数は増加を続けており、今後日本の労働力不足を解消するため必要不可欠な存在だとされています。
出典:厚生労働省、「外国人雇用状況の届け出状況まとめ(平成30年10月末現在)より弊社作成(閲覧:2019年5月24日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000472892.pdf
日本では労働力不足を解消するために新たに外国人を受け入れる特定技能制度が施行されるなど、今後も外国人労働者は増加していくと考えられます。
先日、日本語教育推進法案が可決されたそうですが、この法案は、外国人の生徒や留学生、労働者などの在留外国人が問題なく日常生活を送ることができるための日本語教育を充実させることを目的としており、国と地方自治体に対する日本語教育の施策を「責務」と明記するものです。
私は、ある言語を習得する過程において、言語学的な知識と生活様式などの文化を理解し、意味のある繰り返し(トレーニング)を行うことで、その言語でコミュニケーションを取ることが出来るようになると理解しています。
私は、2000年に日本政府文部科学省の奨学金で来日し、当時の大阪外国語大学(現大阪大学)を経て、東京大学と東京外国語大学で勉強しました。
その後2011年に弊社インドネシア総研を設立して今日に至りますが、18年日本に住んでいても、いまだに分からない言葉に出会うことがあります。
それでも、その都度、弊社の社員やお客様に、「言葉」の意味を聞き、解説をしてもらうことによってその「言葉」を理解し、その時々に応じて使えるようになる、ということを繰り返してきました。
たとえば、文字に起こすと 「いい」という言葉は文脈によって意味が大きく異なります。
・これは品質が良いので いい(大丈夫)
・これは品質が悪いので いい(要らない)
例えば、上記のような違いは外国人には非常に分かりづらく、私も最初は理解をするのに大変苦労しました。
辞書的な意味・文法的な意味を理解出来るようになっても、次は“ビジネスで使われる日本語”という大きな壁がやってきます。
日本にはビジネスにおける決まったフレーズや独特な言い回しなどがあり、仕事上での言葉の文脈を理解するのは外国人にとっては至難の技です。
ある日、お客様のところに行き、ある事業のご提案をしました。
「どうでしょうか?」とお伺いをすると「検討します」という言葉が返ってきたので、「検討してもらえるということは発注してくれるんだな!」と喜びましたが、そのお客様からはいつまでたっても連絡を頂くことができませんでした。
私はその時、「日本人にもこうやって嘘をつく人がいるんだな」と思い込んでしまいましたが、弊社の社員に相談したところ、日本のビジネスにおける”検討する”と”前向きに検討する”という言葉の違いを知りました。
日本のビジネスシーンにおいて“検討する”という言葉には様々な意味が含まれますが、保留やお断りを表すニュアンスで使われることも多いのではないでしょうか。
言葉を理解していても、このようにビジネスシーンにおけるニュアンスを理解していないとコミュニケーションに支障が出てしまうのです。
現状、日本で就労する外国人への日本語教育は充分なものとはいえないでしょう。
特に日本のビジネスや日系企業には独特な習慣やルールなどがあるため、言葉だけでなくそれらの文化も併せて学ぶ必要があります。
インドネシアには、日本で働きたいと語る若者が数多くいますが、中には、日本語だけでなく日本の独特な企業文化がよくわからず辞めてしまったという話もよく耳にします。
企業文化やビジネスで使われる日本語を学ぶことができる学校などがなかなかないため、このようなケースも出てくることが考えられます。
企業に入社をする前に日本語と日本の企業文化をきちんと学び、入社後のギャップをできるだけ小さくできれば外国人の働きやすさも大分違ってくるのではないでしょうか。
弊社ではインドネシア人スタッフ向けのセミナー、研修を行った実績がございます。ご興
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