【コラム】インドネシアにおけるフードデリバリーサービスについて

新型コロナウイルスの影響で外食が制限されたことにより、日本では自宅での食事を充実させようと、Uber eats やDiDi Foodなどスマートフォンのアプリで簡単に食事が注文できるフードデリバリーサービスの需要が拡大しました。

この傾向はインドネシアにおいても同じで、新型コロナウイルス蔓延前と比較するとフードデリバリーサービスの需要が飛躍的に増えていることが分かっています。

今回のコラムでは、インドネシアにおけるフードデリバリーサービスについてご紹介していきます。

 

インドネシアにおけるフードデリバリーサービス市場について

新型コロナウイルスの影響でフードデリバリーサービスを利用する人が増加し、2020年、東南アジアの主要国(インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム)におけるGMV(流通取引総額)は前年比の183%まで増加しました。

また、2020年のインドネシアにおけるフードデリバリーサービス市場のGMVは総額37億ドルで、この数字は主要東南アジア諸国におけるフードデリバリーサービス市場の31%を占めており、同年、インドネシアフードデリバリーサービス市場はそれら主要東南アジア諸国で最大規模となりました。

参考WEBサイト:https://www.thejakartapost.com/news/2021/01/28/indonesias-3-7b-food-delivery-market-largest-in-region.html

インドネシアで利用されているフードデリバリーサービスについて

日本と同様インドネシアにおいても、日本と同様スマートフォンアプリを使用して注文できるフードデリバリーサービスが主流になっています。

日本で多く利用されているフードデリバリーサービスの中ではUber eatsやDiDi Foodがよく知られていますが、インドネシアではどのようなフードデリバリーサービスが利用されているのでしょうか。

以下はインドネシアで利用されているフードデリバリーサービスとその特徴です。

① Go Food

インドネシアで最も利用されているフードデリバリーサービスで、このアプリの利用者数は2000万人以上と言われています。

また、インドネシアの配車サービス大手のGojekが運営しているため、ドライバーが多く注文してから配達されるまでの時間が短いことと、一度に異なるレストランからの注文ができることがこのサービスの特徴です。

 

② Grab Food

Go Foodの次にインドネシアで多く利用されているフードデリバリーサービスです。

こちらもインドネシアの配車サービス大手のGrabが運営しているため、ドライバー数が多くすぐに届けてもらうことができます。

 

③ Shopee Food

インドネシアの大手ECサイト「Shopee」が運営しているフードデリバリーサービスです。

Go Food やGrab Foodと比べるとユーザー数は少ないですが、Shopeeの買い物時にも利用できる電子マネーの「Shopee Pay」で支払いができることと、食料品を一緒に購入することができるのが特徴です。

 

④Kulina

ジャカルタと、ジャカルタ周辺地域で利用ができるフードデリバリーサービスです。

大量注文が可能で、職場でのケータリングにおいて利用する人が多いのが特徴です。

 

⑤Lemonilo

健康的な食品をECサイトやスーパーで販売している、スタートアップ企業のLemoniloもフードデリバリーサービスを提供しています。

他のフードデリバリーサービスと比較し健康志向のメニューを中心に販売しているのが特徴です。

インドネシアでは利用者の多いフードデリバリーサービスはGo FoodとGrab Foodですが、その他にも様々な種類と特徴を備えたフードデリバリーサービスがあることが分かりました。

参考WEBサイト:https://meshicoi.com/linedelima/4406/
https://bigalpha.id/news/10-aplikasi-pesan-makanan-buka-puasa-2021
https://www.liputan6.com/tekno/read/4493893/gofood-vs-grabfood-mana-yang-paling-banyak-digunakan-orang-indonesia
https://money.kompas.com/read/2021/01/25/191200726/catatan-apik-di-tengah-pandemi-pendapatan-gofood-naik-20-kali-lipat

 

また、フードデリバリーサービス業を行っている会社の多くは元々フードデリバリーサービスを主要業務としていたわけではなく、主軸である事業から派生してフードデリバリーサービス事業を展開していることが分かります。

例えば、Go FoodやGrab Foodは、配車サービス事業から派生し、Shopee Foodは、ECサイトから派生しています。

そのため、それぞれの会社が元のサービスの強みを活かして運営していることが分かります。

 

インドネシアにおけるフードデリバリーサービスの今後の展望

インドネシア大学が2020年9月に行った調査によると、調査対象者(4,199人)のうちの97%の人がオンラインでフードデリバリーサービスを利用したことがあることが明らかになりました。

また、covid-19パンデミック時インドネシアの人々の支出の割合で一番多かったのが、フードデリバリーサービスを利用して食物を買うことであったことが分かっています。

インドネシア政府も新型コロナウイルス対策として、フードデリバリーサービスの利用を推奨しており、今後もインドネシアにおいてフードデリバリーサービスは注目すべき市場であると言えます。

参考WEBサイト:https://katadata.co.id/muhammadridhoi/analisisdata/60093900cb02f/potensi-bisnis-pesan-antar-makanan-daring-makin-besar

 

今回のコラムでは、インドネシアにおけるフードデリバリーサービスの状況をご紹介しました。

今後も引き続き注目すべき事業分野であるこのフードデリバリーサービス市場において、様々な分野からの参入が展開しそうです。

また、フードデリバリーサービス市場の成長に伴い、店舗を持たずフードデリバリーサービスのみで飲食ビジネスを展開する “クラウドキッチン”の需要も増えていくことが予想されます。

弊社では、クラウドキッチンの出店サポートもさせていただいておりますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。

 

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株式会社インドネシア総合研究所
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