【コラム】インドネシアにおけるオンラインゲームとeスポーツの現状

ビデオゲームで対戦する“eスポーツ”は今や世界的な盛り上がりを見せ、世界各国で大会が開かれるなど注目を集めています。

昨今世界中で注目を集めるeスポーツですが、インドネシアにおけるeスポーツはどのような状況なのでしょうか?

eスポーツとは、Electronic Sportsの略で、ビデオゲームを使用したスポーツ競技の一種です。

eスポーツといっても様々なジャンルがあり、シューティングやパズルゲーム、マルチプレイゲーム、格闘ゲームやスポーツなど多種多様です。

インドネシアでも、インドネシア国内のeスポーツ大会が開かれたり、インドネシア政府がeスポーツへの支援を発表するなど、盛り上がりを見せています。

今回のコラムでは、インドネシアのオンラインゲームとeスポーツ事情についてご紹介いたします。

 

インドネシアにおけるeスポーツの人気の高まり

1990年代後半から2000年代初頭のインターネットの発展により、インドネシア国内でもインターネットカフェが急増し、インターネットがインドネシアの人々の生活の一部となり始めました。

そして、オンラインゲームはインドネシアでも広く普及し、現在ではインドネシアのゲーム人口は約5,000〜6,000万人にも上るとも言われています。

インドネシアにはeスポーツ愛好家が多いため、2018年にインドネシアのジャカルタとパレンバンで行われたアジア競技大会では、eスポーツが公式競技になりました。

その大会では、eスポーツの「Class Royal」というゲームにおいて、インドネシア代表選手が中国代表選手を3-1スコアで破り金メダルを獲得しました。

更に、2019年にフィリピンで行われた東南アジア競技大会では、インドネシアモバイルレジェンドチームがフィリピンチームに敗れたものの銀メダルを獲得しました。

冒頭部分でも触れましたが、インドネシア政府もeスポーツの盛り上がりと発展を受け、現在eスポーツに関連する様々な組織が設立されています。

1. Indonesia Esports Assosiation (IESPA), 2014年4月1日に設立

2. Indonesia Esports Premier League (IESPL), 2018年8月10日に設立

3. Asosiasi Olahraga Video Game Indonesia (AVGI), 2019年7月16日に設立

4. Federasi Esports Indonesia (FEI), 2019年10月8日に設立

5. Pengurus Besar Esports Indonesia (PBESI), 2020年1月18日に設立

 

特に過去2年間、 インドネシアでのeスポーツは大きな盛り上がりを見せ、急速に市場が成長していることを受け、様々な企業や政府機関の後援により多くのeスポーツ大会が開催されています。

2019年2月~3月にかけて、Indonesia Esports Premier League (IESPL)、クリエイティブ経済産業局(BEKRAF)、インドネシア・青年スポーツ省、インドネシア・通信情報省、セントラルアジア銀行(BCA)とbli-bli.comの協力によって、eスポーツ大統領杯が開催されました。

今年2020年1月~2月にかけて大統領杯が開催され、これには東南アジアの6か国、すなわちマレーシア、タイ、フィリピン、シンガポール、ベトナム、カンボジアが参加します。

 

インドネシアのオンラインゲーム市場

インドネシアでは、多くの人々がスマートフォンを使用して公共の場所でゲームを楽しんでいます。

調査会社Newzooの報告によると、2017年のゲーマーは10歳~50歳まで、そして女性よりも男性の割合が若干多く男性が56%と報告されました。

eスポーツのゲーム愛好家はさまざまな年齢であり、男女とも15歳から40歳と幅広い世代に親しまれているものの、主な層は18〜34歳の若い世代となっているようです。以下のような性別・年齢層となっています。

出典:Newzoo, The Indonesian Gamer 2017より弊社作成(閲覧日:2020年1月31日)
https://newzoo.com/insights/infographics/the-indonesian-gamer-2017/

 

インドネシアでオンラインゲームをする人口のゲームの種類によるプレイ人口の割合は以下の通りです。

出典:Newzoo,Insights into the Indonesia Games Market より弊社作成(閲覧日:2020年1月31日)
https://newzoo.com/insights/infographics/insights-into-the-indonesian-games-market/

 

また、Newzooの報告によると、オンラインゲーム利用者のうち94%もの人が過去6か月間にゲームでなんらかの課金をしたことがあるとのことです。

インドネシアのゲーム業界は、過去最大の収益を上げた2018年に100か国中17位という結果となり、インドネシアは今後世界最大のゲーム市場の1つになると予測されています。

インドネシアは17位にランクインしましたが、上位3か国は中国が344億米ドルで1位、アメリカが315.3億米ドルで2位、そして日本が177億米ドルで3位という結果になっています。

インドネシアでの収益は10億米ドルまたは12兆-13兆ルピアでした。

出典;Katadata、「Putaran Bisnis Esports Rp 9,8 Triliun, Peran Gim Lokal Masih Minim」
https://katadata.co.id/berita/2019/04/17/potensi-esports-rp-98-triliun-rudiantara-dorong-industri-gim-lokal

 

インドネシアで現在人気があるオンラインゲームの種類は以下の通りです。

出典:Katadataより弊社作成(閲覧日:1月31日)
https://katadata.co.id/berita/2019/11/08/transaksi-esport-ditaksir-rp-112-m-turnamen-gim-seaca-kembali-digelar

 

これまでは、ゲームは時間を無駄に過ごすものとしてあまり良い印象は持たれておらず、どちらかというと否定的なイメージがあるものでしたが、単なるゲームではなく、新たなスポーツの一種として人々に受け入れられるようになりました。

今ではeスポーツやゲームの市場は急成長を遂げ、政府も見逃せない大きな市場と成長しました。

インドネシアでは、eスポーツはもはや単なる個人の趣味レベルではなく、市場を大きくうごかす産業となっています。

弊社はクリエイティブ産業庁ともつながりがございますので、ご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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