【コラム】インドネシアにおけるPPKM下と緊急PPKM下での人々の行動の変化

インドネシアの各地では、新型コロナウイルス感染拡大防止策として昨年よりPPKM(小規模行政単位の行動制限)が導入され、交通手段や礼拝所の利用、教育機関での学習など様々な活動において制限がなされています。

更に、インドネシアでは今年5月のレバラン休暇(断食明けの大祭)以降、新型コロナウイルス新規感染者数の急増し、ジャワ島とバリ島内の地域において小規模活動規制(PPKM)が強化された「緊急PPKM(PPKM Darurat)」が実施されています。

7月3日に発令され、当初は7月20日までの予定でしたが、延長が続き現在は8月30日までとなっています。

本コラムでは、緊急PPKMが発令される以前の6月の「PPKM宣言」下と7月の「緊急PPKM宣言下」でのインドネシアの人々の行動の違いについてご紹介します。

PPKMについてはこちらのコラムをご覧ください。

 

本コラムの出典は全て以下のインドネシア中央統計局(BPS)からとなります。

出典:インドネシア中央統計局(BPS)、Perilaku Masyarakat Pada MasaPPKM Darurat,Hasil Survei Perilaku Masyarakat pada Masa Pandemi Covid-19, Periode 13-20 Juli 2021(2021年PPKM Darurat期間中7月13日-20日の間のコロナ禍での人々の行動に関する調査)より弊社作成(閲覧日:2021年8月24日)
https://www.bps.go.id/publication/2021/08/02/29234b08faa4910dee5279af/perilaku-masyarakat-pada-masa-ppkm-darurat–hasil-survei-perilaku-masyarakat–pada-masa-pandemi-covid-19–periode-13-20-juli-2021.html

6月のPPKM下と7月の緊急PPKM下での行動の違い

以下は、今回の調査回答者が日々生活する中で、6月までのPPKM下と7月の緊急PPKM下で勤務体制や施設の稼働状況がどのように変化をしているか回答したグラフです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緊急PPKM下では、人々の行動や施設の稼働が以前よりも強化・制限されていますが、実際の運営面でも人々や各施設は規則を守り行動、営業を行っていることが読み取れます。

また、緊急PPKM下で規制が強化されている中、人々はどのような活動を行っているのでしょうか?

 

緊急PPKM下で行った活動として、最も多く回答者に選ばれたのが「オンラインで友人や家族と通話する」でした。次いで「お祈りの回数を増やす」という回答も過半数を超えています。

また、インドネシアでは近年特に富裕層~上位中間層の間で、治療から予防医療へと意識がシフトしつつあり、半数近くの回答者がPPKM下で「運動をしている」と回答していることから、インドネシアの人々の健康への意識が変わりつつあることが伺えます。

自宅で過ごす時間が再度増える中、インドネシアの人々が工夫をしながら日々過ごしていることが分かります。

以下は、インドネシアの人々がPPKM期間中に自宅で過ごす時間についてのアンケートです。

 

 

 

自宅で過ごす時間が増える中で日々工夫して過ごしながらも、緊急PPKM下並びにそれ以外の地域のいずれも、過半数以上が「退屈/とても退屈」を選択しています。

特に、地域別でみると、緊急PPKM下にあるジャワ島とバリ島の回答者の方が、それ以外の地域の回答者よりも「退屈/とても退屈」と回答した人が多く、よりストレスを抱える人が多いことが分かります。

コロナ禍での生活必需品や必要なサービスへのアクセス

では、コロナ禍で外出が制限される中、日々の生活で必要な物やサービスへのアクセスについて、インドネシアの人々はどのように感じているのでしょうか。

生活必需品や消毒剤の身の回り品については、比較的アクセスが容易と感じている人が多いですが、一方で健康機器や医療サービスのアクセス・利用については、普通~難しいと感じる人の割合が多い結果となりました。

特に最終学歴別でみると、大卒以上と比較して、中卒・高卒以下の人々はそれぞれの物やサービスへのアクセス・利用の難易度が高いと感じている人が多いことが分かります。

 

コロナ禍では、外出を控えなければならない一方で、外出をしなければ手に入らない・利用できない物やサービスがありますが、多くの回答者が、特に生活必需品については外出せずに自宅にいながら全て手に入ると良いと考えていることが上記のグラフから分かります。

 

その他希望する支援について

インドネシアでは、昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大により、失業率の増加や、出社・勤務人数の制限による自宅待機者の増加などが問題になっています。

以下は、PPKMが更に延長された場合に希望する支援についての所属(職業)別のグラフです。

 

学生を除くその他全てのカテゴリーの回答者は、PPKM延長時に最も望む支援として生活必需品を選択しています。

学生のみ、生活必需品よりも現金を選択した回答者が多い結果となりました。

上記グラフ「外出せずに利用できると良いと考えるもの」と併せて、特にPPKM下ではインドネシアの人々の生活必需品へのより簡単なアクセスや支援を必要としていることが読み取れます。

新型コロナウイルスに関連する過去のコラムはこちらをご覧ください。

現在インドネシアの新規感染者数は、ピーク時と比較すると徐々に減少はしつつありますが、まだまだ厳しい状況が続いています。

インドネシアの最新情報や、コロナ禍でのオンライン調査代行、商談代行などは弊社までお問い合わせください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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