【コラム】インドネシアの電子マネー事情

進化し続けるテクノロジーは、日常生活に大きな影響をもたらします。

近年人々の生活を大きく変えつつあるテクノロジーの一つといえば電子マネー決済システムでしょう。

電子マネー決済は近年日本でも注目を集めていますが、インドネシアでも近年市場が拡大しています。

インドネシアでは、スマートフォンの所持率が年々増加しており、モバイル決済サービスの人気が高まっています。

これは、取引の容易さ、速度、セキュリティ、更にユーザーへの魅力的なプロモーションなど、さまざまな要因によるものです。インドネシアではクレジットカードはあまり普及していませんが、クレジットカードなしでも利用ができる多くの電子マネー決済システムが存在します。

インドネシア銀行によると、2018年時点でインドネシアでの電子マネーの取引は15億米ドルに達し、2023年には250億米ドルに増加すると予測されています。

2014年には、インドネシア銀行が全国キャッシュレス運動(GNNT/ Gerakan Nasional
Non-Tunai)/Cashless Societyを立ち上げ、インドネシア国内の市場の取引における現金の使用を徐々に減らし、クレジットカード、デビットカード、モバイルペイメントなどのさまざまなキャッシュレス決済を活発化させることを目的とし、インドネシア国内のキャッシュレス化に向けて動き始めました。

GNNTは、日常やビジネス、政府機関の間で現金以外の取引を増やし、またキャッシュレスの意識を高めていくことを目指しています。

 

2019年のStatista.comの調査結果によると、インドネシアは中国、インドに次いで世界で3番目にモバイル電子マネーの利用(スマートフォンアプリでの支払い)が浸透している国であることが分かりました。

出典:Statistia より弊社作成(閲覧日:2020年2月14日)
https://www.statista.com/chart/17909/pos-mobile-payment-user-penetration-rates/

 

キャッシュレス決済の手段といえば、クレジットカード、デビットカード、電子マネーなど様々ですが、インドネシアではクレジットカードは一般的にはあまり普及しておらず、特に電子マネーの利用成長率が著しく高いのが特徴的です。

出典:Katadataより弊社作成(閲覧日:2020年2月14日)
https://katadata.co.id/berita/2019/10/07/perbankan-dan-fintech-pembayaran-bukan-lawan-tapi-kawan

 

インドネシアではモバイル電子マネーが急速に拡大し、人々の生活に非常に浸透しています。

インドネシア銀行によると、現在38種類の電子マネー決済システムがインドネシア国内で公式に展開されています。

iPriceの調査結果によると、2019年にアクティブユーザー数が多かったサービスのランキングは以下の通りとなります。

出典:databoksより弊社作成(閲覧日:2020年2月14日)
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2019/08/23/inilah-daftar-dompet-digital-terbesar-di-indonesia

 

さらに、電子マネー決済システムの利用目的は 以下のような内訳となります。

出典:Marketing Communication より弊社作成(閲覧日:2020年2月14日)
https://mix.co.id/marcomm/news-trend/begini-tren-penggunaan-uang-elektronik-konsumen-indonesia/

 

2019年8月に実施されたAlvara 研究センターの結果によると、デジタル決済を使用したことがあるインドネシア人は全体の19.5%で、最も浸透率が高い世代は、ミレニアル世代(Y世代、1980~1995年頃生まれ)の23.8%とZ世代(1995年以降の生まれ)20.6%です。

X世代(1965年~1970年頃生まれ)はわずか12.8%となり、比較的若い世代がデジタル決済をよく利用していることが分かります。

同センターが実施した2020年1月の調査結果では、ミレニアル世代やZ世代がデジタル決済を利用する目的は以下の通りとなりました。

ミレニアル世代やZ世代がデジタル決済を利用する目的

出典:databoks より弊社作成(閲覧日:2020年2月14日)
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2020/01/17/ojek-online-alokasi-pembayaran-digital-terbesar-bagi-milenial-dan-gen-z

 

電子マネーはそれぞれのサービスが展開するプロモーションやキャッシュバックがあるため、多くのユーザーはサービス1種類のみの利用ではなく、複数のサービスを使い分けています。

 

インドネシアにおける電子マネーの利用は、今後益々加速していくことが予測されます。

弊社は、インドネシアにおける調査や専門家インタビューの実績が多数ございます。

ご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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