【コラム】インドネシアの”独特な”はちみつ

2019年2月18日2020年12月1日

インドネシアでは昔から人々の間ではちみつが好まれており、はちみつを使用した食品、飲料、化粧品などを多く見かけます。

アサヒグループがインドネシアで販売している「ICHIOCHA」という緑茶にも、はちみつが使用されているほどです。

また、はちみつに関する記事をインターネット上で検索すると、はちみつの摂取を推奨するインドネシア語の記事が非常に多くあるなど、インドネシアの人々のはちみつへの関心は現代でも高いといえます。

インドネシアでは、はちみつは心臓病などの病気の予防となる他、傷を治す効果があることも知られています。

今回のコラムでは、インドネシアの蜂蜜の生産量や、インドネシア独特の蜂蜜の種類をご紹介します。

インドネシア中央統計局によると、インドネシアの2017年におけるはちみつの生産量は5,429,362リットルでした。

インドネシアではちみつが採れるのは、ジャワ島、バリ島、ヌサ・トゥンガラ、スマトラ島です。

ジャワ島での生産が最も多く、インドネシアのはちみつの7割以上がジャワ島で生産されています。

インドネシアには様々なはちみつの種類があります。

以下、日本人からすると珍しい、インドネシアの独特なはちみつをご紹介します。

①コーヒーの木の花から採れるはちみつ　Madu Kopi

コーヒーの木に咲く白い花から採取されるはちみつです。

色は黒に近い茶色で、味はコーヒーのような苦味はなく、甘いです。

コーヒーは眠気を覚ますことがよく知られていますが、インドネシアではこのはちみつは不眠症の人に効果的といわれています。

参考：Madu Asli Queen Honey. 2018 March 23. “Insomnia Ganggu Tidurmu? Coba 18 Manfaat Madu Bunga Kopi”https://www.maduasli.co.id/blog/madu-bunga-kopi/(2019/2/8閲覧)

②バンカブリトゥンの苦いはちみつ　Madu Pahit Bangka

はちみつといえば通常は甘いですが、バンカブリトゥン島で採れるこのはちみつは苦みがあるのが特徴です。

苦味はこのはちみつを採取できる花の木が要因となっています。木はフトモモ科トリスタニオプシス属に分類され、インドネシアでカユプラワン（kayu pelawan）またはポホンプラワン（pohon pelawan）と呼ばれています。

採取できる場所としては、カユプラワンの広がるブリトゥン島中部のナマン村（Desa Namang）が有名です。

参考：KOMPAS.COM 2014 June 16. “Legitnya Duit dari Madu Pahit di Bangka Belitung”
https://regional.kompas.com/read/2014/06/16/1554319/Legitnya.Duit.dari.Madu.Pahit.di.Bangka.Belitung(2019/2/8閲覧)

③竜眼の木の花から採れるはちみつ　Madu Kaliandra

竜眼という果物（インドネシア語ではクレンケン＝kelengkeng）の木からとれるはちみつです。

竜眼のような香り、甘味があります。栄養も豊富で、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、カリウムなどを含んでいます。

参考：Madu Asli Queen Honey. 2018 March 24. “13 Khasiat Madu Kelengkeng Untuk Kesehatan Dan Kecantikan”https://www.rumahmadujogja.com/jual-madu-kaliandra-asli-alami/ (2019/2/8閲覧)

④ゴムの木の花から採れるはちみつ　Madu Karet

インドネシア語で「ゴムはちみつ」という意味を持つこのはちみつは、ゴムの木の花から採取されます。

はちみつは通常常温で保存しますが、このはちみつは固まりやすいため冷蔵保存が必須というのが特徴です。

アレルギー症状のかゆみを抑えたり、咳や鼻水に効果があると言われています。

参考：Rumah Madu Jogja. 2016 Juli 28. “Jual Madu Karet Asli Alami ”
https://www.rumahmadujogja.com/jual-madu-karet-asli-alami/(2019/2/8閲覧)