【コラム】11月25日はインドネシアの「先生の日」
日本には、両親に感謝する日として「父の日」や「母の日」がありますが、インドネシアには、先生に感謝する「先生の日(Hari guru)」という日があることをご存知ですか。
今回は、インドネシア特有の「先生の日」についてご紹介します。
インドネシアの先生の日とは
インドネシア政府は、11月25日を「先生の日」と定めています。
先生の日は、現地の言葉でHari guru:ハリグル(Hari=日 guru=先生)と呼ばれ、1994年の大統領令第78号でインドネシア教師協会(PGRI)の発足日を記念して定められました。
先生の日は祝日ではありませんが、生徒たちが先生に感謝の気持ちを伝える日として特別な式典やイベントが行われます。
また、この「先生の日」はユネスコが定める「世界教師の日」とは別の日で、インドネシア独自の「先生の日」となります。
参考WEBサイト:https://news.detik.com/berita/d-5753167/kapan-hari-guru-indonesia-beda-dengan-hari-guru-sedunia-5-oktober
https://www.liputan6.com/global/read/3695186/riset-indonesia-di-peringkat-5-negara-yang-paling-menghormati-guru
先生の日に行われるイベントについて
「先生の日」には、様々なイベントが行われます。
学校により内容は多少異なりますが、私がインドネシアの公立高校で実際に体験したこの「先生の日」(Hari guru)の1日の流れをご紹介します。
(午前中:式典)
1. 先生達による司会進行での式典開始
いつも学校の行事の司会進行は生徒達が務めますが、先生達が行います。
その威厳のある姿に生徒たちは釘付けになります。
式典を行う先生
2. 生徒・先生によるスピーチ
生徒・先生共に感謝の気持ちを伝えるスピーチを行います。
3. 国家斉唱
国家斉唱と共に、国旗掲揚を行います。
国家掲揚もいつもは生徒達が行いますが、先生の日だけは先生達による国家掲揚となります。
4. パンチャシラを読み上げる
インドネシアの国是である建国5原則を先生が読み上げます。
5. 先生の日を定めた憲法前文の読み上げ
6. 文部科学大臣のスピーチ読み上げ
7. お祈り
式典が終わると、次はイベントです。
(午後:イベント)
先生の日にダンスを披露する生徒
イベントでは、学校の周りを先生と生徒でウォーキングをしたり、生徒たちによる出し物やアクティビティを先生達に楽しんで頂きます。
例えば生徒たちは、先生たちに楽しんで頂くためにダンスや歌を披露したり、借り物競走やクイズ等のゲームを行います。
先生達はとてもパワフルでお茶目な人が多く、出し物もゲームも生徒のように全力で楽しんでくれるため、イベントは大変盛り上がります。
そして、先生の日の最後のアクティビティとして生徒たちが先生にお花を渡し、生徒全員が列になり先生全員に感謝の気持ちを込めてサラム(握手した手を頬や額につける敬意を表したインドネシアの挨拶)をします。
サラムの大行列は、インドネシアの「先生の日」ならではの光景で心が温まります。
生徒たちがプレゼントしたお花
他の国にも「先生の日」はありますが、インドネシアの「先生の日」はインドネシアの人柄を象徴した楽しく温かい日であると言えます。
なお、イギリスの社会経済研究所が行った調査によると、インドネシアは先生を尊敬している国ランキングで5位に入っており、先生への尊敬の精神が強いことが伺えます。
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