【コラム】インドネシア版演歌「ダンドゥット」

昨年のアジア大会(ジャカルタ開催)で大会公式テーマソングに採用された「Meraih Bintang(星を掴め)」。

実はこの曲、インドネシア独自の音楽ジャンルである「ダンドゥット」のメロディをモチーフに作られた曲なのです。

今回のコラムでは、未だに国民から根強い人気を集めているインドネシア版演歌「ダンドゥット」についてご紹介します。

 

目次

踊るための音楽、ダンドゥット

ダンドゥットは、鳴り響く太鼓の音が特徴的な、ヒンドゥ、マレー、アラビア音楽を源流とするインドネシア独自の音楽ジャンルです。

インド映画の中に登場する音楽から強い影響を受け、1968年にロマ・イラマによりダンドゥットは誕生しました。それ以前は、ダンドゥットの前身として、ゴンやギター、太鼓を用いたマレー音楽がインドネシア人の間で親しまれていました。

 

洋楽よりもK-POPよりも人気!?

インドネシア版演歌ともいうべきダンドゥットは、洋楽やKPOPの波がインドネシアにも押し寄せる中で、未だに国民の心を掴み続けています。

Google Trendsによると、2018年におけるインドネシアでの楽曲検索トレンドでは上位にダンドゥットが複数見られました。

 

2018年のインドネシアでの楽曲検索トレンド

順位 曲名  歌手
Karena Su Sayang Near feat. Dian Sorowea
Deen Assalam Sabyan Gambus
Meraih Bintang Via Vallen
Lagi Syantik Siti Badriah
Bukti Birgoun
Menunggu Kamu Anji
Perfect Ed Sheeran
Havana Camila Cabello
Jaran Goyang  Nella Kharisma
Korban Janji  Nella Kharisma

青字の曲がダンドゥット

出典:Google Trends  https://trends.google.com/trends/yis/2018/ID/より弊社作成

上記ランキング3位のMeraih Bintang(星を掴め)は、アジア大会のテーマソングとして制作され、日本語や英語、アラビア語などインドネシア語以外のバージョンも存在します。

また、この曲を歌うVia Vallenは2017年にSayang(愛)という楽曲をリリースしており、こちらもMerai Bintangとともに国民的大ヒットとなりました。

また、ダンドゥットは日本の人気アニメ「ちびまる子ちゃん」の中でも取り上げられたことがあり、ダンドゥットの軽快なメロディに乗りながらキャラクターたちが踊るというシーンもあります。

 

 

イベントで必ず流れるダンドゥット

なぜインドネシアでは、西洋の音楽やKPOPにも負けない根強い「ダンドゥット」。人気が続いているのでしょうか。

その大きな理由の一つとして、インドネシアの「踊る文化」が挙げられます。

インドネシアにはフリーダンスという意味の「ジョゲット」という言葉があり、インドネシア人はよくダンドゥットのメロディに乗りながらジョゲットを楽しみます。

ダンドゥットの歌詞の中にも頻繁に、(腰を)揺らす意の「ゴヤン」という言葉が登場します。

結婚式など何かを祝うイベントの際にも、ジョゲットの時間があります。その傾向は農村地域にいけばいくほど強くなります。インドネシア人の結婚式に行くと、よく軽快な音楽に合わせて踊っている人たちを見かけます。このときに流れている音楽こそダンドゥットなのです。

 

インドネシアの結婚式に集まった人々

インドネシアでは今なおダンドゥットは広く愛されています。

特に、インドネシアの音楽産業にご興味がある場合、ダンドゥットなど日本にはないインドネシア独自の音楽ジャンルの存在も考慮する必要があります。

インドネシアでの市場調査や現地視察などは、ぜひインドネシア総研にお任せください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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