【コラム】インドネシア国内の新型コロナウイルス感染者数の推移と検疫関連法規
インドネシアでは、2020年3月2日に国内最初の新型コロナウイルス感染者が確認されて以降、その数は増加の一途をたどっています。
出典:インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日:2020年4月1日)
https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/
州別でみた新型コロナウイルス感染者数は以下の通りです。
首都ジャカルタの感染者数が最も多く、またジャカルタ近郊の州も続いて感染者が多くなっています。
州 | 感染者数 | 回復者数 | 死亡者数 |
ジャカルタ特別州 | 747 | 48 | 83 |
西ジャワ州 | 198 | 11 | 21 |
バンテン州 | 142 | 2 | 4 |
東ジャワ州 | 93 | 16 | 8 |
中部ジャワ州 | 63 | 0 | 7 |
南スラウェシ州 | 50 | 0 | 1 |
ジョグジャカルタ州 | 23 | 1 | 2 |
東カリマンタン州 | 20 | 0 | 0 |
北スマトラ州 | 19 | 0 | 1 |
バリ州 | 19 | 0 | 2 |
パプア州 | 10 | 0 | 0 |
西カリマンタン州 | 9 | 2 | 2 |
中カリマンタン州 | 9 | 0 | 0 |
西スマトラ州 | 5 | 0 | 0 |
ランプン州 | 8 | 0 | 0 |
南カリマンタン州 | 8 | 0 | 0 |
リアウ諸島州 | 7 | 0 | 1 |
アチェ州 | 5 | 0 | 0 |
南スマトラ州 | 5 | 0 | 2 |
西ヌサ・トゥンガラ州 | 4 | 0 | 0 |
リアウ州 | 3 | 0 | 0 |
中部スラウェシ州 | 3 | 0 | 0 |
南東スラウェシ州 | 3 | 0 | 0 |
ジャンビ州 | 2 | 0 | 0 |
バンカ・ブリトゥン州 | 2 | 0 | 0 |
北カリマンタン州 | 2 | 0 | 0 |
北スラウェシ州 | 2 | 1 | 0 |
西パプア州 | 2 | 0 | 1 |
ブンクル州 | 1 | 0 | 1 |
西スラウェシ州 | 1 | 0 | 0 |
マルク州 | 1 | 0 | 0 |
北マルク州 | 1 | 0 | 0 |
出典:インドネシア国家防災庁、新型コロナウイルス特設WEBサイトより弊社作成(閲覧日:2020年4月1日)
https://www.covid19.go.id/situasi-virus-corona/
2020年3月31日時点で、インドネシア全34州のうち32州で感染者者が確認されている状態です。
現在の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界各国では都市封鎖のような防疫手段が行われてきておりますが、インドネシアの現状を理解するために、適用されている法令について、簡潔にご説明いたします。
インドネシアでは、ジョコウィ大統領が3月31日に下記の法令に言及しつつ「大規模な社会的規制」を実施し、同時に新しい政令と大統領令を発布したと述べました。
現時点で以下のような法令が適用されております。
健康検疫法「法律2018年第6号」:この法令では、防疫上の規制措置は、疫学的観点から「脅威の性質、効率性、活用可能な資源」を考慮した上で、「技術的、運用的、経済的、社会的、文化的、及び安全保障的」観点に基づいてなされると規定されております。
同法令において、防疫上の措置は以下のように分類されております。
同国への入り口となる施設の封鎖(中央政府による決定):港、空港、国境の封鎖
大規模な社会的規制(中央政府又は各大臣によって決定される):
a. 学校及び職場に関する規制、b. 宗教活動の規制、c. 特定の場所・施設の閉鎖
特定エリアの封鎖(中央政府又は大臣によって決定される):指定されたエリアの封鎖
自宅の隔離
病院の隔離
同法令では、防疫上の隔離措置に関して「必要な資源の確保は、中央政府又は地方政府の責任」であることを明記しております。
特に同国への入り口となる施設における隔離措置に関しては、中央政府が権限を持っていること、ただし中央政府は地方政府の協力を要請できる点が明記されております。
同法令において定められている、「特定エリアの封鎖」と「大規模な社会的規制」との違いですが、「大規模な感染が発生していると疑われている地域」を対象とする点では同じなのですが、前者は「特定エリアの住人はそのエリアを出ることができない」のに対し、後者では「通勤・通学などの特定活動が制限される」ということになります。
最近のニュースでは同法令への言及が増えてきており、今年のレバラン休暇(断食明けの休暇)で故郷への規制を制限する、といったニュースが既に流れております。
西ジャワ州のリドワン・カミル知事は、上記の検疫法2018年第6号に言及し、同法に基づき、公衆衛生上の危機に際しては、中央政府は特定地域の封鎖を実施できることを強調しつつ、里帰り(mudik)又はその他の旅行目的で同州を出たり入ったりすることを禁じると発表しております。
旅行しようとするものは直接の監視下に置かれ、14日間の隔離又は警察による勾留が課されます。
参照Web-site: https://www.kompas.tv/article/73789/nekat-mudik-odp-di-jabar-melonjak-ridwan-kamil-sampaikan-ini
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