【コラム】インドネシア人の果物の消費と支出

インドネシアは一年を通して温暖な気候であるためバナナやマンゴー、パパイヤ、ドリアンなど数多く果物が多く生産されており、インドネシアのスーパーや屋台などでは様々な果物が販売されています。

一見、インドネシアでは果物が多く消費されているようにも見えますが、実はインドネシア人の果物の消費量は一般的にはまだまだ少ないと言われています。

また、インドネシア保健省はインドネシア国民に対して、健康のために1日2~3個の果物を消費するよう奨励していますが、果物の消費は未だ野菜や魚の消費ほどは優先事項が高くなく、まだまだ積極的かつ十分なプロモーションできているとは言い難い状況でした。

しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インドネシアでは健康に良いとされている食材や健康食品への関心が高まりつつあり、コロナ禍では野菜や果物の需要が高まり、消費も増えているとインドネシア政府は述べています。

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では、実際インドネシアの人々は果物をどのくらい消費しているのでしょうか?

インドネシア人一人当たりの1日の果物の消費量は以下の通りです。

出典:インドネシア中央統計局(BPS)、「Pengeluaran untuk Konsumsi Penduduk Indoneia per Provinsi, Maret 2020
(州別で見たインドネシア人の支出と消費 2020年3月)」より弊
社作成(閲覧日:2020年12月1日)
https://www.bps.go.id/publication/2020/11/02/ecda2f1aa3a8b6be1a376a4c/pengeluaran-untuk-konsumsi-penduduk-indonesia-per-provinsi–maret-2020.html

 

州によってかなり開きがありますが、平均で1日90g程度の果物消費されていることが分かります。

インドネシア国内で果物の消費が最も多い州は西スラウェシ州で164.2g、果物の消費が最も少ない州は東ヌサトゥンガラ州で38.84gと、4倍近く開きがあります。

WHO(世界保健機構)は、1日当たり150gの果物の消費を推奨していますが、現在のインドネシアの人々の果物の消費はWHOが定める目標の約60%に留まっていることが分かります。

昨年の同時期と比較すると、インドネシアの人々の果物の消費には以下のような増減が見られます。

出典:インドネシア中央統計局(BPS)、「Pengeluaran untuk Konsumsi Penduduk Indoneia per Provinsi, Maret 2020
(州別で見たインドネシア人の支出と消費 2020年3月)」より弊
社作成(閲覧日:2020年12月1日)
https://www.bps.go.id/publication/2020/11/02/ecda2f1aa3a8b6be1a376a4c/pengeluaran-untuk-konsumsi-penduduk-indonesia-per-provinsi–maret-2020.html

 

前年比では果物の消費が増加している州も多いですが、インドネシア全体では昨年と比較して果物の消費量は減少していることが分かります。

出典:インドネシア中央統計局(BPS)、「Pengeluaran untuk Konsumsi Penduduk Indoneia per Provinsi, Maret 2020
(州別で見たインドネシア人の支出と消費 2020年3月)」より弊
社作成(閲覧日:2020年12月1日)
https://www.bps.go.id/publication/2020/11/02/ecda2f1aa3a8b6be1a376a4c/pengeluaran-untuk-konsumsi-penduduk-indonesia-per-provinsi–maret-2020.html

インドネシア人の果物の消費は前年比で減少している一方、果物の支出は前年比で平均10%程度増加しています。これは、インドネシア国内で果物の価格が上昇しているためです。

 

インドネシアでよく消費されている果物

インドネシア人が消費している果物は一体どのような種類があるのでしょうか?

 

出典:インドネシア中央統計局(BPS)、「Pengeluaran untuk Konsumsi Penduduk Indoneia per Provinsi, Maret 2020
(州別で見たインドネシア人の支出と消費 2020年3月)」より弊
社作成(閲覧日:2020年12月1日)
https://www.bps.go.id/publication/2020/11/02/ecda2f1aa3a8b6be1a376a4c/pengeluaran-untuk-konsumsi-penduduk-indonesia-per-provinsi–maret-2020.html

出典:インドネシア中央統計局(BPS)、「Pengeluaran untuk Konsumsi Penduduk Indoneia per Provinsi, Maret 2020
(州別で見たインドネシア人の支出と消費 2020年3月)」より弊
社作成(閲覧日:2020年12月1日)
https://www.bps.go.id/publication/2020/11/02/ecda2f1aa3a8b6be1a376a4c/pengeluaran-untuk-konsumsi-penduduk-indonesia-per-provinsi–maret-2020.html

 

インドネシアでは、バナナが最も多く消費され、支出が多い果物であることが上記のグラフから分かります。

また、ランサやドリアン、ランブータンなどインドネシアで生産が多い南国の果物も多く消費されています。

インドネシア政府によると、新型コロナウイルス感染拡大後は海外への果物の輸出用が増えており、昨年同時期と比較して31.89%の増加となったそうです。これを足掛かりとし、インドネシア保健省はインドネシア国内での果物の消費も更に促し、“地産地消”にも積極的に力を入れてきたいと述べています。

また、インドネシア農業省も今後国外への更なる輸出を奨励していくと述べています。

参考WEBサイト:

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