【コラム】インドネシア企業の特徴について

近年、日本の企業がビジネスの成長を求めインドネシアへ進出する企業は増えてきています。

そこで今回のコラムでは、インドネシア企業の事業分野の種類、労働者の男女比率、ICTやイノベーションへの取組みに焦点を当て、インドネシア企業全体の特徴についてご紹介していきます。

本コラムへの掲載は全て以下のインドネシア中央統計局(BPS)の報告書からの出典であり、時期は2019年のデータとなります。

出典:インドネシア中央統計局(BPS)、Statistik Karakteristik Usaha 2020(会社の事業分野統計)を基に弊社作成(閲覧日:2021年9月11日)
https://www.bps.go.id/publication/2020/12/25/a3f9d065ed5295db5ab83e5f/statistik-karakteristik-usaha-2020.html

インドネシア企業における事業分野の種類と割合

2019年における、インドネシアの中規模企業・大企業の企業数における事業分野は下図の通りです。

インドネシアの中規模企業・大企業における事業分野の種類は全部で17種類あります。

 

また、同様に事業分野ごとの企業数の割合は下図の通りです。

2019年時点で、インドネシアの中規模企業・大企業の事業分野においてその企業数の割合が一番高いのは卸売・小売業で全体の42.36%を占めています。

また、その卸売・小売業の中でも自動車・バイクの小売や修理業を営んでいる会社の割合が多いという特徴があります。

そして2番目に割合が高い分野は加工業で、続いて金融・保険業、建設業となっています。

企業数として最も割合が低い事業分野は、電気・ガス・水道です。

 

インドネシア企業における労働者の男女比率

下図はインドネシア企業における労働者の男女比率です。

男性労働者の割合が66.3%であるのに対し、女性労働者のそれは33.7%と、女性の割合が低いことが分かります。

事業分野別に見ても医療・福祉分野以外のすべての分野で、女性の比率が男性の比率より低くなっています。

鉱業、電気・ガス・水道、運送・倉庫管理の事業分野においては、その殆どが男性労働者となっています。

 

続いてインドネシア企業におけるマネージャーの男女比率は下図の通りです。

インドネシア企業の労働者の中でもマネージャーの男女比率は、男性の割合が79.56%なのに対し女性は僅か20.44%と、一般の労働者よりも更に女性の割合が低いことが分かります。

ここでも事業分野別に見ると医療・福祉分野においては、男性マネージャーの割合が56.89%で女性マネージャーの割合が43.11%と、インドネシア企業全体の労働者の男女比率と同様他の事業分野との比較してみると、この分野の女性マネージャーの割合が高いことが分かります。

しかし、全体としてはインドネシアの労働者におけるジェンダーの平等には未だ課題を残しているといえるでしょう。

インドネシア企業におけるICTへのアクセスの割合

インドネシア企業において、パソコンを使用している割合は全体の91.33%、また、インターネットの普及率は全体の92.95%で、殆どの企業がパソコンとインターネットを利用していることが分かります。

なお、インターネットの普及率が最も高い事業分野は、教育分野です。

続いて、インドネシア企業における自社ホームページの開設率についてです。

インドネシアでは自社のホームページを保有している企業の比率は以下の通りです。

上図より、インドネシアでは自社でホームページを開設している企業の割合が36.94%であるのに対し、自社でホームページ開設していない企業の割合は63.06%と、自社ホームページを開設していない企業の方が多いことが分かります。

日本の中小企業における自社のホームページの開設率が大手企業で9割を超え、中小企業においても8割を超えている点と比較すると、インドネシアでは企業の自社ホームページの開設率は日本に比べ未だ低いレベルにあると言えます。

参考WEBサイト:
https://www.pluscad.jp/howto/1337/#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E9%96%8B%E8%A8%AD,%E3%82%92%E9%96%8B%E8%A8%AD%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

インドネシアの企業内におけるイノベーションについて

最後にインドネシアの企業内における「イノベーション」についてご紹介します。

ここで述べる企業におけるイノベーションを、オスロ・マニュアルに基づき、プロダクト・プロセス・組織・マーケティングにおいて、「自社にとって新しいもの、手法、考え方を取り入れる事。それは他社等にとって既存のものであっても自社がこれまで取り入れてこなかったものと取り入れる事も含まれる」と定義します。

インドネシア企業において、2019年にイノベーションを起こした企業は全体の39.92%でした。

また、インドネシアにおいてイノベーションを起こした企業を事業分野別で見てみると、金融・保険業における割合が一番高く54.93%です。

一方、鉱業でイノベーションを起こした企業の割合は11.43%と最も低く、事業分野ごとにイノベーションを起こす企業数の割合に差があることが分かります。

なお、イノベーションを行っている企業の中でも、ICTの手法を利用したイノベーションを行っている企業は86%の割合を超え、最も多かったと言えます。

2019年にイノベーションを起こしていないインドネシア企業は6割であり、その理由としては自社にとってイノベーションを起こす必要がないと判断した企業が多かったようです。

これは一概にすべての企業に当てはまるとは言えませんが、活発なイノベーションを起こすことは、インドネシア産業界全体においては将来の発展の推進力になると言えるでしょう。

参考サイトURL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd114110.html

 

今回のコラムでは、インドネシア企業の特徴についてご紹介しました。

インドネシア企業の特徴を見ていく中で、男女の労働者の割合の格差の問題や、イノベーションする企業が少ない点などインドネシア企業における課題が見えてきました。

日本企業がインドネシアへ進出する際、自社が進出する事業分野だけではなく、インドネシア企業全体の特徴を掴むことは大変重要であると言えます。

 

弊社では様々な分野でインドネシア進出のサポートや、調査などを行なっております。

セミナーの開催や講師派遣なども行っておりますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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