【コラム】弊社のクラウドキッチン事業の現状とその展望~前編(現状)
クラウドキッチンとは、主にデリバリー用の料理を作るために設計された施設であり、店内に食事をする場所がなく、キッチンのみのスペースでできている飲食店のビジネスモデルのことを指します。
また、1つの施設を複数ブランドで共有し、調理をしている場合もあり、クラウドキッチンで作られた料理は、デリバリーやテイクアウトといった形で消費者へ提供されます。
近年ではコロナの影響も合間って日本においても、人気が出ているビジネス形態であるといえます。
先日、弊社のクラウドキッチンの取り組みがNNAというメディアに取り上げられました。
インドネシアにおいても、GojekやGrabなどの新たな交通サービスの登場や、新型コロナウイルス感染拡大により、ここ数年でフードデリバリーサービスが急速に普及しています。
今回のコラムでは、弊社が行っているクラウドキッチンビジネスについてその概要と問題点、今後の展望についてご紹介させていただきます。
弊社のクラウドキッチンについて
弊社では1年半ほど前からインドネシア国内でクラウドキッチン「総研キッチン(Soken Kitchen)」を運営しております。
現在は、西ジャワ州ブカシ市や南ジャカルタ市などといった地域において10店舗のクラウドキッチンを運営しております。
弊社のクラウドキッチンの特徴としては、「ターゲット層」「自他社ブランドの参入が可能」「デリバリーサービスの選択肢の広さ」などが挙げられます。
総研キッチンはターゲットセグメントを下の図のMiddle Low Dining(ファストフード)の位置に定めています。
イメージがしやすいようにお伝えすると、KFCよりも安く且つワルンと呼ばれるインドネシアの屋台以上の価格帯をターゲットとしています。
また、総研キッチンは20代の働き始めた方々の代理キッチンを目指して『安く・美味しく・ヘルシーに』をモットーに運営をしています。
インドネシアは若い段階から健康に関する問題を抱えてしまう人も多くいる国ですので、そういったところの改善にも焦点を当てたビジネスを展開しています。
その他にも総研キッチンは他のクラウドキッチンのように場所や設備を提供するのみではなく、それらに加えて当社のモットーに合わせたブランドの開発や他社ブランドを入れ込んでのビジネス展開を行ってる点が挙げられます。
料理を配送するにあたっても、特定の交通サービスと提携を結んでいる訳ではないため、GrabやGojek双方の交通サービスを使用して宅配サービスを行うことが可能となっています。
他社との比較やクラウドキッチンの詳細に関しては以下のコラムに詳細がありますので、ぜひご覧ください。
従来の飲食店とクラウドキッチンの比較
従来の飲食店とクラウドキッチンの比較は以下のようになっています。
従来の飲食店より費用が低いことに加えて、立地や設立までの時間も従来の飲食店と比較するとクラウドキッチンビジネスは市場参入障壁が非常に低いビジネスとなっています。
総研キッチンのこれまで
総研キッチンはインドネシアにPoCクラウドキッチンを構築することを目標に、HolyCow Indonesiaの投資家と提携を行い、2019年11月にカランテンガに「総研キッチン1号店」をオープンしました。その時点での私たちの目標は、インドネシアに300店舗のクラウドキッチンを作ることでした。
その後、着々と店舗を増やし、2020年には10店舗を出店しています。また、新型コロナウイルス感染拡大時おいては「1店舗1投資家」をコンセプトにしていました。
弊社は、新型コロナウイルス感染拡大による大規模な社会的規制(PSBB)の発令や世界的な景気低迷の中での、新規雇用の創出を重要視しています。有能な若手社員を採用し、オンラインで顧客データを生成、収集、分析し、見通しを立てながら、フィードバックを提供することで、クラウドキッチン事業は成長と発展を続けてきました。
クラウドキッチン事業における問題点とその対策
事業を開始してから約1年半、着々と店舗数を増加させてクラウドキッチン事業を成長、発展し続けてきている一方で、「マーケティング」「サプライチェーン」「製品の品質」といった面において一部問題が生じています。
以下の表は弊社の運営するクラウドキッチンの1日の売り上げの一般的なパターンを示したものです。
グランドオープンの最初の2週間はオフラインでの注文が急増していました。
その後、新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴いジャカルタなどのインドネシア国内において大規模な社会的規制(PSBB)の発令により、GrabFoodからのオンライン注文が驚くほど増加しました。
しかし、その後2020年8月あたり以降はオンライン注文は突然減少してしまったのが現状です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてクラウドキッチンやデリバリーの競争相手の数が増加したことにより、売り上げは減少しました。
上記の状況を踏まえて弊社では「マーケティング」「サプライチェーン」「製品の品質」といった観点から以下のような問題点の炙り出しとその対策を練り、さらなるビジネス展開に力を入れています。今回のコラムで「製品の品質」の観点における問題点と弊社の考えている(行っている)対策についてご説明します。
まとめ
総研キッチンはクラウドキッチンという形態と取りながら、+α様々な機能を持ち合わせる事業となっております。
新型コロナウイルスの影響で、良くも悪くもデリバリーやテイクアウトが主流化しているインドネシアにおいて今後もこの傾向は継続していくのではないかと推測されます。
次回のコラムでは上記のような現状を踏まえた上で、今後弊社がどのような形でクラウドキッチンビジネスを行なっていこうとしているのか、その展望についてご説明させていただきます。
是非、次回のコラムと合わせてお読み頂ければ幸いです。
弊社では、インドネシアのクラウドキッチンやコールドチェーンなどに関する最新情報や様々なテーマに関する調査やオンラインでのインタビュー手配などを行っております。ご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。
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