【コラム】クラウドキッチン「コケコッコー・チキン」と顧客層の関係

弊社が運営をサポートしているクラウドキッチンサービス第二弾「KOKEE KOKKOO Chicken(コケコッコー・チキン)」が始動いたしました!

名前の通り鶏肉や鶏皮を揚げたものをご飯とセットで販売しており、ジャカルタ市内において実店舗とクラウドキッチンの二本柱で運用しています。

クラウドキッチンとはGoFoodやGrabFoodなどの宅配アプリを利用して、レストランのような飲食スペースを設けず、キッチンから直接顧客へ配送する飲食店の新形態です。

立地を選ばず、マーケティングも容易なクラウドキッチンは、ジャカルタを中心にインドネシアで爆発的な人気を生んでいます。

今回は、「コケコッコー・チキン」の顧客層やその店舗名についてご紹介します。

 

顧客層の実態

「コケコッコー・チキン」を始めとする多くのクラウドキッチンは、手軽で安価な商品を売りにしています。

例えば、「コケコッコー・チキン」では、約130円(20,000ルピア)から1人分を頼むことができ、非常にお手頃な価格帯となっています。

▲クラウドキッチン「コケコッコー・チキン」のメニュー

 

インドネシアのクラウドキッチンで提供される商品の多くが安価な価格帯に設定されている理由には、ターゲットが中間層にあることが挙げられます。

インドネシアは近年の経済発展に伴い、貧困層の世帯が大幅に減り、中間層・富裕層の世帯が大きな増加を見せています。

下図のThe World Bankの調査によると、中間層と新中間層の割合が大きく増えた反面、下位中間層と貧困層の割合は減っており、この傾向を裏付けています。

特にジャカルタでは周辺地域からの流入の影響もあり、中間層の人口は大きく増加しているため、クラウドキッチンのターゲットを中間層に設定することにも納得がいきます。

 

以下は、世界銀行の調査による2002年と2016年のインドネシアの所得層の比較です。

月間消費総額を基準に分類しており、各所得層は以下のように分類されます。

UC/Upper Class 富裕層 6,000,000ルピア/月〜
MC/Middle Class 中間層 1,200,000〜6,000,000ルピア/月
AMC/Apiring Middle Class 新中間層 532,000〜1,200,000ルピア/月
V/Vulnerable 下位中間層 354,000〜532,000ルピア/月
P/Poor 貧困層 354,000ルピア/月以下

 

インドネシアにおける都市部と農村部における各所得層の人口推移

それぞれ、左側が都市部(Urban)、右側が農村部(Rural)です。

出典: World Bank. 2019. Aspiring Indonesia: Expanding the Middle Class. © World Bankより弊社作成(閲覧日:2020年4月2日)
https://www.worldbank.org/en/country/indonesia/publication/aspiring-indonesia-expanding-the-middle-class

 

また、クラウドキッチンは料理の販売や注文をGoFoodやGrabFoodなどのフードデリバリーアプリ上で行い、決済にはそれぞれのアプリに連携したGoPayやGrabPay、OVOなどの電子決済システムを用います。

そのため、それらのオンラインサービス等に慣れている若者が主な対象層となっています。

 

商品に日本の要素を取り入れるマーケティング手法

クラウドキッチンのターゲットであるインドネシアの中間層から強い支持を得る商品の多くは、中間層の趣向に合わせたブランディングを行なっています。

その中でも特に日系のレストランや食品メーカーが取り入れる手法の一つが「商品名・店舗名のジャパン・ブランド化」です。

インドネシアは親日国であり、日本の商品への信頼や日本という国への興味が大変強いです。

そのため、イインドネシアの人々は「日本語っぽい」響きのする名前に強い魅力を感じる傾向があり、実際にインドネシア現地の企業が日本風の名前の商品や飲食店を展開するケースは非常に多くあります。

例えば、味の素食品の大ヒット商品「Masako」は鶏ガラ調味料ですが、日本人女性の名前とインドネシア語で「調理する」を意味する「Masak」を掛け合わせており、日本ぽさを全面に出したブランディングとなっています。

同様に、中間層を狙った日本食レストランも店舗名に工夫をしています。ジャカルタで人気の日本食レストランには「Holygyu」や「Takoshimura」など、日本語のように聞こえるネーミングが施されている店舗もあります。

▲日本風の店舗名を掲げるインドネシアの飲食店

 

弊社が運営をサポートしているクラウドキッチンサービスの「コケコッコー・チキン」も、上記のような理由から、日本語の鶏の鳴き声から着想したいかにも「日本語っぽい」かつ記憶に定着しやすいネーミングとなっています。

(ちなみに、インドネシア語で鶏の鳴き声はククルユッ(kukuruyut)と表現します。)

弊社はクラウドキッチン事業の立ち上げから運用までワンストップでサポートしています。

マーケティングや市場分析など、インドネシア現地の事情に詳しいパートナーを探している方や新しくクラウドキッチンを始めようと考えている方はお気軽にご連絡ください。

 

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株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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