【コラム】クラウドキッチンは鶏肉料理が正解?!な理由
インドネシアで最もポピュラーな食肉といえば鶏肉です。
インドネシアでは、鶏肉は手頃な価格でたんぱく質を摂取できる食材として各家庭から多くの需要があり、市場などではよく、鶏が一羽まるごと売られています。
(インドネシアでは、丸鶏で購入し消費される伝統食文化があり、価格は一羽あたり約270円~360円ととても安価です)
また、インドネシア国内では、KFC(ケンタッキーフライドチキン)だけでなく、大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドでも「フライドチキン」が販売されているのです。
気軽に食べられてボリュームもある鶏肉料理は、通常のレストランやファストフード店舗ではもちろん、近年インドネシアで徐々に普及しているデリバリーフード/クラウドキッチンビジネスにおいても人気があるメニューの一つです。
弊社はインドネシア現地にていくつかクラウドキッチン店舗の運営をサポートさせて頂いておりますが、鶏肉を使った料理は扱いやすく、更に安定した人気が得られると考えております。
まず、鶏肉は、特に宗教的な面からも他の肉に比べて調達がしやすいという特徴があります。
インドネシアは国民の約9割がイスラム教徒と言われていますが、イスラム教徒にとって豚肉はハラム(禁忌とされている)食材の一つです。
キリスト教徒が多い華僑の間では豚肉は一般的に消費されますが、上述のようにイスラム教徒が多いインドネシアでの豚肉の需要は少なく、また牛肉も値段が高いことから鶏肉はどの肉よりも手に入りやすく身近な食肉なのです。
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では、インドネシアにおいて、鶏肉はどのくらい生産・消費されているのでしょうか?
インドネシアでの鶏肉の一人当たりの生産量
インドネシア国内の鶏肉の生産量は年々増加傾向にあります。
出典:インドネシア中央統計庁、Produksi Daging Ayam Ras Pedaging menurut Provinsi,2009-2019(州別の鶏肉生産量2009-2019)より弊社作成
(閲覧日:2020年3月19日) https://www.bps.go.id/linkTableDinamis/view/id/1064/
また、鶏肉の生産量が最も多い州は西ジャワ州で、上位5州は全てジャワ島内の州となっています。
出典:インドネシア中央統計庁、Produksi Daging Ayam Ras Pedaging menurut Provinsi,2009-2019
(食肉生産者によるブロイラー鶏の生産2009年-2019年)より弊社作成 (閲覧日:2020年3月26日) https://www.bps.go.id/linkTableDinamis/view/id/1064/
鶏肉の生産量が減少している州もありますが、特に鶏肉の生産量が多い上位3州は増加を続けていることが分かります。
インドネシアでの鶏肉の一人当たりの消費量
出典:Data boks、Konsumsi Daging Ayam per Kapita 2013-2017 (Data boks一人当たりの鶏肉消費量2013-2017)より弊社作成 閲覧日:2020年3月19日
https://databoks.katadata.co.id/datapublishembed/111788/berapa-konsumsi-daging-ayam-per-kapita-masyarakat
上のグラフが示すように、2013年~2017年の間のインドネシアでの鶏肉の一人当たりの年間消費量は、徐々に増加傾向にあります。
また、鶏肉にも種類があり、一般的にはブロイラーの鶏と地鶏に分類されますが、どちらも増加傾向にあるものの、地鶏よりも圧倒的にブロイラーの鶏肉の消費量が多い結果となっています。
また、インドネシア農業省は、インドネシアの様々な地域において中間層の拡大や健康意識の向上、教育レベルの改善などから鶏肉の需要は今後も増加していくとの見方を示しています。
出典:インドネシア農業省、Statistik Peternakan dan Kesehatan Hewan 2018(畜産及び動物の健康に関する統計2018)より弊社作成(閲覧日:2020年3月26日)
https://ditjenpkh.pertanian.go.id/userfiles/File/Buku_Statistik_2018_-_Final_ebook.pdf?time=1543210844103
インドネシアで一般的に消費される鶏肉と牛肉の価格を比較した場合、牛肉が年平均5~9%程度の価格上昇を続けているのに対し、鶏肉の価格上昇は年3%程度と比較的緩やかです。
価格調整の面では他の食肉よりも鶏肉は圧倒的にインドネシア国内での消費量が多いため、比較的価格の予測がしやすく、見通しが立てやすいこともメリットとして挙げられるでしょう。
また、文化的な面でもインドネシアでの最もポピュラーな食肉が鶏肉であることから、インドネシアの人々に広く受け入れられやすいというメリットがあります。
冒頭部分でもご紹介しましたが、インドネシアではハンバーガーチェーン店でもフライドチキンが販売されています。
インドネシアの人々は白いご飯も大変好むため、バーガーチェーン店ではフライドチキンと白ご飯のセットがとても人気のあるメニューなのです。
日本の場合、基本的にハンバーガーチェーン店では白いご飯の提供はなく、一般的にはバンズタイプのハンバーガーメニューが提供されていますが、インドネシアでは状況が全く異なります。
この理由として、白ご飯のセットメニュー(ごはん・フライドチキン・ソフトドリンク)が約2万5000ルピア(約200円)とハンバーガーセットに比べて安い価格設定であることや、サンバルソース(インドネシア料理に用いられる辛味調味料)も提供されるため、「フライドチキン・白いご飯・サンバルソース」というインドネシア人が好む三つの食材を手軽に楽しめて満足感が得られることが理由に挙げられます。このようにインドネシアのファストフード店においてフライドチキンはとても需要の高い商品です。
更に、外食を好む人々が多いインドネシアではファストフード産業の売り上げも伸びています。
参考コラム:
このように鶏肉が人気を誇るインドネシアにおいては需要も安定しており、クラウドキッチンを展開する上でも扱いやすく、更に人気も得やすい食材と言えます。
このようにインドネシアにおける鶏肉の消費量は1年を通して安定しており、且つ需要も多いことから価格変動リスクも少ないため、生産量・消費量・価格調整の面からも鶏肉はクラウドキッチンビジネスでは適切な食材の一つと言えるでしょう。
外食文化の上に、近年、GO-FOODやGrabFoodなどのデリバリーサービスが増えた今だからこそ、インドネシアでクラウドキッチンを検討してみてはいかがでしょうか。
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