【コラム】インドネシアにおける優良バス会社16社
インドネシアに訪れると、車とは別路線でバスが走行しているのを目にしたことがある方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
近年、MRTと呼ばれる地下鉄などもジャカルタ都市部に開通するなど、国全体としても公共交通機関事業に力をいれている傾向にあります。
この背景には、インドネシアで長年問題視されている交通渋滞が挙げられます。
ジャカルタなどの都市部は世界有数の交通渋滞がひどい都市としても有名です。
今回は公共交通機関の中でも「バス」に焦点をあて、インドネシアに現在あるバス会社の紹介や近年のバス関連の動きについてご説明させていただきます。
以前もバス関連のコラムをいくつか掲載しておりますので、併せてご覧ください。
インドネシアにおけるバス業界の伸び
インドネシア国内で運行するバスの台数は年々増加傾向にあります。
出典:インドネシア中央統計庁、Number of Motor Vehicle by Typeを基に弊社作成(閲覧日:2021年1月8日)
https://www.bps.go.id/indicator/17/57/1/number-of-motor-vehicle.html
背景として人口増加や渋滞の悪化から近年公共交通機関への需要が高まっていることが挙げられます。
日本でも有名な自動車メーカーである日野、三菱ふそう、いすゞ、日産ディーゼル、スズキ、ダイハツ、トヨタなどもインドネシア国内では多く使用されています。
インドネシアの主要バス会社に関して
インドネシアでは毎年、乗客のためにインドネシア国内のバス会社がサービスの改善をより積極的に行うことを目的として、運輸省が調査を実施しています。
サービスの質と安全性に基づいた評価を行った上で、2020年には16のバス会社がインドネシアの優良オートバス会社として選ばれました。
今回は、2020年に優良なバス会社として選ばれたインドネシアのバス会社16社をそれぞれの特徴とともにご紹介します。
Perum PPD
都市型オートバス会社のPerum PPDはジャカルタ周辺を運行するバスです。1920年に設立されたこの会社は政府所有となっています。2
013年以降のPerum PPDは市内バスサービスから高速バスサービスへビジネス変革を行いました。
現在、約700ユニットのすべてのバスがフリート管理システムアプリケーションによってサポートされています。
快適さを提供し、乗客の安全を優先していることなどを理由に、運輸省からかなり良い評価とさ
れる4つ星を受けています。
Trans Jakarta
東南アジアで最初に設立され、2004年にはジャカルタで開始された高速トランジットバスの形の輸送システムを行うバス会社です。
Perum PPDと同様に、Trans Jakartaも運輸省からかなり良い4つ星の評価を受けています。
2020年2月には1日の乗客数が100万人を超え史上最多を記録しました。
参照:https://www.nna.jp/news/show/2004988
Big Bird
タクシーでおなじみのBlue Birdグループのバス会社です。
特徴としては、プレミアムクラスの観光バスを運行しており、大規模な乗客定員数を誇っています。ジャカルタのみならずインドネシア全土で運営しています。
運輸省からの評価は、上記の2社よりも上のランクの最高評価である5つ星のTourism Bus POとして表彰されています。
Eagle High
運輸省から最高評価である5つ星の評価を受けています。25~59席の中型および大型の観光バスを提供していることが特徴で、安全性と顧客の快適さに焦点を当てた優れた顧客サポートが24時間年中無休で利用可能となっています。
Sinar Jaya
1982年に設立され、ジャワ島の人々の間で非常によく知られているバス会社です。
インドネシア最大の輸送会社であったSinar Jayaは都市間州間バスやツアーバスなど様々なサービス展開を行っています。また、運輸省から最高評価である5つ星の評価を受けています。
DAMRI
1943年に設立されて以来、乗客やインドネシアの人々に最高のサービスを提供することに高い一貫性を持っているとされる、非常に有名な都市間州間バス会社となっています。
様々なクラス展開が特徴で、インドネシアほぼすべての地域で運行しています。合
計で3,000台近くのバスを所有しており、運輸省から最高評価である5つ星の評価を受けています。
スラバヤではBNI銀行と協力の上、2018年10月から電子マネーでバスの運賃を支払えるようになりました。
Gunung Harta
1993年に設立され、観光バスを兼ねる都市間州間バスです。
バリ発祥のGunung Hartaは緑の葉のような色でバスが塗られていることが特徴となっており、おおよそ147台のバスが222ルートで運行を取り行っています。
運輸省からかなり良い評価とされる、4つ星の評価を受けています。
Sempati Star
2012年に設立されたSepakat Majuグループの都市間州間バス会社となっています。
北スマトラのメダンを拠点とし、中流階級に焦点を当てて、ファーストクラス、エグゼクティブクラスなどのさまざまなクラスのサービスを提供しています。
運輸省からかなり良い評価とされる、4つ星の評価を受けています。
Maju Lancar
ジャワ島での路線を多く展開しており、運輸省から4つ星の評価を受けています。
San Putra
1978年に設立された中央ジャワのスコハルジョにあるオートバス会社です。
運輸省から3つ星の評価を受けており、56のエグゼクティブクラス、52のACエコノミークラス、11のエコノミークラスを有しています。
Efisiensi
1996年に設立された最高のサービスと最高の安全性を提供するバス会社と謳われているバス会社となっています。
運輸省から3つ星の評価を受けており、中流から高級クラスに焦点を当てた都市間(AKAP)バスプロバイダーの1つとなっています。
Agra Mas
2003年に設立されたAgra Masはジャボデタベック地域で人気のある交通機関となっており、ジャワ全体をカバーするルートを運行しています。
非常に大きくて新しいバスフリートを所有し、運輸省からは3つ星の評価を得ています。
Harapan Jaya
1977年に設立されたスーパーラグジュアリークラスを有するバス会社です。
ナイトバスや観光バスも運行しており、運輸省からは3つ星の評価を受けています。
Rukun Jaya
1978年に設立され、安全性と快適性の側面に基づいて運輸省から5つ星の評価を受けているタイプの観光バス会社となっています。
最新のバスフリートを備えており、バスの快適機能を完備しており、現在約145台のバスを所有しています。
Karya Setiawan Ekatama
ツアーバスサービスが必要な方におすすめなバス会社として知られており、運輸省から最高評価である5つ星の評価を受けています。
Bhinneka Sangkuriang Transport
チレボン、バンドゥン、ブカシ、スカブミの各都市に拠点を置くBhinneka Sangkuriang Transportは運輸省から4つ星の評価を受けています。
参照:https://www.otoflik.com/perusahaan-otobus-terbaik/
近年のバス関連の動き
インドネシア運輸省は、ジャカルタ周辺の公共交通機関を組織するために41,000台の電気バスを調達する準備をしていると発表しています。
5年化計画となっており、2021年には41,000台の内の最初の1,000台の電気バスが運行する予定となっています。
実際に、Trans Jakartaでは2020年7月より電気バスの試運転が開始されました。
参考WEBサイト:
https://www.busworld.org/articles/detail/4705/indonesia-prepares-procurement-of-41000-electric-buses
https://www.nna.jp/news/show/2065599
バス台数も年々増加していることや、近年はバスでも電子マネーが導入されていることから利便性も増し、今後もその普及率は上がっていくのではないかと推測されます。
交通渋滞緩和の手段の一つとしても更に重宝されていくのではないでしょうか。
弊社では、インドネシアの公共交通機関やバス会社に関する最新情報や様々なテーマに関する視察代行、オンラインでの調査代行なども承っております。
ご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
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