【コラム】インドネシアにおける野菜と果物の消費状況

栄養バランスを保つためには、食事の時に野菜や果物を摂取する必要があります。

実際に、日本では「一日の摂取量の目安」が発表されるなど、「野菜と果物は健康に良い」という認識が広まっていますが、インドネシアにおける野菜と果物の消費はどのような状況なのでしょうか?

今回は、インドネシアにおける野菜や果物の消費量について説明します。

 

野菜と果物の消費量

インドネシアでの野菜や果物の消費量は非常に少なく、世界保健機関(WHO)が推奨する基準を下回っていると報告されています。

出典:Buletin Pemantaun dan Ketahanan Pangan, 2017
(インドネシアの食糧安全保障に関する報告書, 2017年

https://docs.wfp.org/api/documents/WFP-0000024091/download/ )より弊社作成

 

2016年の厚生省の発表によると、日本人の野菜の摂取量は一人当たり平均276.5g/日、また、2013年の中央果実協会による調査では、果物の摂取量は一人当たり平均 100.6g/日と報告されています。

出典①:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou_7.pdf
出典②:http://www.maff.go.jp/j/seisan/engei/ryutu_kako/pdf/siryou4.pdf

 

日本の数値と下記のインドネシアにおける数値を比較しますと、インドネシア人の野菜の消費量がいかに少ないかがよくわかるかと思います。

また、一口にインドネシアといっても、都市部と地方の人々を比較すると、都市部の人の方が地方の人に比べて野菜や果物を多く消費しているという傾向にあるようです。

インドネシアの食糧安全保障監視の報告によると、都市部では地方と比較すると収入が多いため、地方よりも都市部の人の方が野菜と果物の購入量、平均消費量が多いそうです。

出典:Buletin Pemantaun dan Ketahanan Pangan, 2017
(インドネシアの食糧安全保障に関する報告書、2017年
https://docs.wfp.org/api/documents/WFP-0000024091/download/

 

消費されている野菜と果物の種類

では、インドネシアの人々は、どんな野菜や果物を多く食べているのでしょうか?それぞれ見てみましょう。

~野菜編~
インドネシアの多くの地域で人気のある野菜は、「空芯菜」、「ほうれん草」、「キャッサバの葉」の3種類です。

その他の野菜では、「カボチャ」、「なす」、「インゲン」、「青いジャックフルーツ」、「キャベツ」等が多く消費されているようです。

最もポピュラーなレシピは空心菜炒め(Cah Kangkung)ではないでしょうか。

日本にあるインドネシアレストランでもよく見られる料理です。

日本の方でも、食べたことがある方は多いのではないでしょうか。

 

~果物編~

インドネシア人がよく食べる果物は「バナナ」、「みかん」、「マンゴー」です。

また、上記3つの果物は、2017年にインドネシアで最も生産された果物でもあります。

以下は、2017年のインドネシアにおける果物生産量のグラフです。バナナが群を抜いて多いですね。

出典:Badan Pusat Statistik, Statistik Tanaman Sayuran dan Buah-buahan Semusim Indonesia
(インドネシア中央統計庁による野菜と果物の生産に関する年次統計2017年度版)より弊社作成

 

インドネシアの今後

現在、インドネシア政府、特にインドネシアの保健省は、インドネシアの人々に対して、野菜や果物を健康に摂取することの重要性に対する認識を高めようとしています。

インドネシア保健省は、家族と地域社会を通じて健康な生活を送るための取り組みを行う必要があると説明しています。

健全な地域社会を実現するための「健康な生活社会運動」Gerakan Masyarakat Hidup Sehat (GERMAS)を通じて、2017年時点では3つの主な活動、すなわち①健康を定期的にチェックし、②運動を行い、③野菜や果物を消費することに焦点を当てると報告されています。

(出典:インドネシア保健省ホームページより
http://www.depkes.go.id/article/view/17012600002/hari-gizi-nasional-2017-ayo-
makan-sayur-dan-buah-setiap-hari.html

 

インドネシアでは中間層以上の人々を中心に健康意識が高まっていることから、政府の取り組み次第ではこれからインドネシア国民の野菜や果物の消費量が増えるということも考えられるでしょう。

インドネシアでの調査や視察をお考えの方は、お気軽に弊社までお問合せください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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