【コラム】インドネシアの華僑

インドネシアの人口1.2%を占める中華系の人々。インドネシアの華僑はインドネシアのビジネスには非常に大きな影響力を持っており、国内でも有名な財閥が多くあります。

また、華僑はインドネシアにおいても長い歴史を有しており、ジャワ島のスマランとスマトラ島のメダンといった、歴史的に華僑にゆかりのある地もいくつかあります。

今回のコラムでは、インドネシアの華僑についてご紹介します。

 

 

意外と多い華僑の人口

インドネシア政府統計局が2010年に発表した情報によると、華僑と呼ばれる人々はインドネシア人口の1.2%を構成しています。

1.2%と聞くと一見少ないようにも思えますが、その数は約300万人にものぼります。また、統計では約300万人とされていますが、実際にはインドネシアの華僑は500万人以上いるともいわれています。

 

有名財閥の多くは華僑始まり!?

華僑が創業者である企業は、インドネシアに多くあります。

その中でも、インターネット産業界で有名なスマートフレンを子会社にもつシナルマスや、インドネシア全土に展開しているコンビニのインドマレットが子会社のサリム・グループといった財閥は有名です。

企業名 創業者 種類
シナルマス Eka Tjipta Wijaya 財閥(製紙パルプ・食とアグリビジネス、不動産など)
サリム・グループ Sudono Salim 財閥(食品、金融、自動車など)
マヤパダ・グループ Dato’ Sri Tahir 財閥(金融、小売、不動産など)
アストラ・インターナショナル William Soerjadjaja  財閥(自動車、金融、インフラなど)

インドネシアの様々なエリアに華僑が多く住む地域があり、例えばジャカルタ北部も華僑の人が多く住んでいます。その他、華僑が多い地域について一部ご紹介します。

 

鄭和にゆかりのある中部ジャワのスマラン

中部ジャワ州都のスマランは、中国民王朝時代の武将である鄭和が1406年に上陸した場所として知られています。その際の船の操縦士が建てた鄭和の像と、その周囲を囲むように建てられているサン・ポー・コン寺は、今や街の人気の観光スポットになっています。

 

サン・ポー・コン寺の中にある鄭和の像(弊社撮影)

サン・ポー・コン寺(弊社撮影)

華僑商人が開発した街メダン

インドネシア第4の都市で北スマトラ州都のメダンにも多くの中華系が住んでいます。在メダン日本国総領事館によると、2015年には市の全体の人口の内、約20%もの割合を華僑が占めているそうです。

メダンの華僑の中には、一代で財を成した張阿輝(トン・アフィー)という有名な商人もいます。貧しい家庭に生まれた彼は、18歳のときに兄を追いかけてスマトラの地を訪れ、不動産や銀行、鉄道、プランテーションなど様々なビジネスを成功させました。

張氏は、現地で宗教や人種による差別を受けていたにもかかわらず、スマトラに学校や病院、宗教施設を無償で建設し、メダンの発展に貢献した人物としても知られています。

 

メダンの張阿輝博物館

一口に“インドネシア人”と言っても、華僑の方とマレー系の方では異なる文化であることが分かりますね。

弊社では、大手財閥とのアポイントメント調整や商談同行、現地での実績や情報が豊富にございますので、お気軽にご相談ください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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