【コラム】なぜ今インドネシア語?増加するインドネシア語学習者
世間一般的に、インドネシア語を話せる人、学習している人は、日本国内ではなかなかいないのではないでしょうか?
しかし近年、日本だけでなく世界中でインドネシア語学習者が少しずつ増加していることを示すデータがあります。
その背景には、インドネシアがビジネスの面で外国から注目を集めていることや、インドネシア教育文化省が奨学生の受け入れ拡充などを通じて、外国人へのインドネシア語教育に熱を入れ始めたことなどが挙げられるでしょう。
今回のコラムでは、インドネシア語人気の背景や奨学生の受け入れ等についてご紹介します。
日本におけるインドネシア語の学習熱の高まり
日本人のインドネシア語学習者の間で広く知られているインドネシア語技能検定試験の受験者は、2015年の2,715人から2018年には3,304人と、年々増加の一途をたどっています。
この数字から、インドネシア語を本格的に学習する人が増加していると考えられるでしょう。
出典:日本インドネシア語検定協会ホームページより弊社作成
https://www.i-kentei.com/peserta/data/index.html(閲覧2019-01-18)
また、日本インドネシア語検定協会によると、インドネシア語クラスを開講する日本の大学の数は現在23校にも上るそうです。
日本においてインドネシア語学習者が増加している背景の一つとして、ビジネス面で注目されていることが挙げられるでしょう。
現在、インドネシアに進出している日本企業は1,500以上にのぼると言われておりますが、まだまだ進出先として注目を集めるインドネシアの言語を勉強する人が増加していると考えられます。
日本以外の国におけるインドネシア語の学習熱の高まり
日本以外の国を見ても、インドネシア語を外国語として学ぶ人の数は増えているようです。
インドネシア教育省が実施する、インドネシア語を現地大学にて学ぶ奨学金プログラム「ダルマシスワ」の参加者は、2003年の34カ国/87人から、2017年には96カ国/637人に増加しています。
出典:インドネシア教育文化省(2017「637 Mahasiswa Asing Belajar Budaya Indonesia Melalui Darasiswa 2017」https://www.kemdikbud.go.id/main/blog/2017/08/637-mahasiswa-asing-belajar-budaya-indonesia-melalui-darmasiswa-2017(閲覧2019-01-18)
ダルマシスワ奨学金の生徒になると、月3万円前後(場所によって異なる)の奨学金が受給され、インドネシアにある大学71校のうちから学校を選択し、外国人のためのインドネシア語(BIPA)クラスに入って1年間勉強することになります。
大学71校の場所も様々で、ジャカルタやバリはもちろん、西はアチェから東はアンボン(マルク州)まで、合計20都市の大学が、ダルマシスワ奨学金の対象となっています。
出典:Darmasiswa Indonesian Scholarship(ダルマシスワインドネシア奨学金)
http://darmasiswa.kemdikbud.go.id/list-of-darmasiswa-university/
外国人へのインドネシア語教育に熱を入れるインドネシア政府
外国語としてのインドネシア語の学習熱の高まりの背景として、インドネシア教育省が外国人へのインドネシア語教育(通称BIPA)に本腰を入れ始めたことも挙げられるでしょう。
1999年には、BIPAの発展・促進のために、国際インドネシア語教育学会が発足され、今ではインドネシアだけでなく、日本やタイ、ドイツにも支所が置かれています。
(国際インドネシア語教育学会 http://appbipa.or.id/visi-dan-misi/)
また、憲法『2009年24号』と大統領令『2010年20号』により、BIPAなどを担当する国家2種機関の「言語センター」が、インドネシア共和国教育文化省言語育成振興局という名前の変更とともに、国家1種の機関に格上げされ、ダルマシスワ奨学金の生徒も、2009年から2010年にかけて一気に550人増加しました。
ダルマシスワ奨学金プログラム 2017/18 オープニングセレモニーの様子
インドネシア語を学習するメリット
実際に日本人の皆さんが、インドネシア語を学習する大きなメリットとして、「インドネシア経済成長」と「就労ビザ取得」の2つが挙げられるでしょう。
年次GDP成長率5%前後を維持し続けるインドネシア経済は現在、成長の真っ只中です。
加速度的に経済成長を続けるインドネシアでより円滑にビジネスを進めるためにも、インドネシア語は欠かせません。
世界銀行データより弊社作成
(https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.KD.ZG?end=2017&locations=ID-JP&start=1961&view=chart)
また、在インドネシア外国人労働者に対し、インドネシア語学習が義務化されるのではないかという説が数年前からあります。
というのも、2018年4月の大統領令『2018年第20号』で「外国人労働者の雇用主は、外国人労働者に対してインドネシア語教育・研修を提供する義務がある」という項目が盛り込まれたからです。
いざ本当に、インドネシア語が仕事に必須となったときのために、今のうちから学習を始めておいても損ではないはずです。
「就労ビザ取得に際するインドネシア語必須化の動き」については、以前も弊社コラムにてご紹介いたしました。詳しくはこちら。
また上記で挙げたメリットより重要なポイントとして、言語学習を通じて異国の文化を学習することが挙げられるでしょう。ビジネスを行う上で相手の国の言葉を理解することは、取引の上での信頼関係につながります。
また言語を通じて相手国の文化や歴史を学ぶことで、ビジネスマナーの違いや相手国に合った交渉の仕方などについての理解も、促進されるでしょう。
インドネシア語を日本で効果的に学びたい方は
本コラムでは、日本を含め世界でもインドネシア語学習者が増加傾向にあるという考察を行いましたが、それでもまだインドネシア語学習者は他の言語学習者と比較すると非常に少なく、あまりなじみのない珍しい言語と言えます。
勉強している人がまだ少ないインドネシア語を身に着けることは他者との差別化にもつながると考えられるでしょう。
インドネシア総研には、インドネシアの言語だけでなく文化も理解した日本人スタッフに加え、日本の言語・文化を十分に理解するインドネシア人スタッフが在籍しています。
今まで、インドネシアの事業担当になった方、赴任が決まった方を中心にインドネシア語学習のお手伝いをさせていただき、弊社が開講したインドネシア語講座【初級】【中上級】は皆さまよりご好評をいただき、追加開講をさせて頂く等の確かな実績もございます。
インドネシア語学習やインドネシア語教育関係のビジネスのご相談なら、プロが揃ったインドネシア総研へぜひ一度ご連絡ください。
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