【コラム】インドネシア人の朝食に関する慣習

現代の日本では若者を中心に朝食を抜く人が多くなっているとよく聞きますが、インドネシア人は朝からしっかりと食事をとる人が多い印象です。

インドネシアではムスリムの人々が朝のお祈りをしたり、また学校や会社の始業時間が早いため、朝食が一日を始める重要なエネルギー源だと考えられています。

今回のコラムでは、インドネシアの朝食事情についてご紹介します。

 

サラパンは大切

インドネシア語で、朝食のことを「サラパン=Sarapan」といいます。

朝会社に出勤すると、「スダ サラパン?=Sudah sarapan?(もう朝ごはんは食べた?)」

とコミュニケーションをとる光景をインドネシアではよく見かけます。

ちなみに「マカン パギ=makan(食事) pagi(朝)」も朝食という意味で、昼食=makan sinag、晩御飯=makan malamといいます。

朝食だけ「サラパン」と一語で表す単語が存在するのには、それだけインドネシア人にとって朝食が重要であると考えられているからかもしれません。

 

最も重要な食事の時間は朝ごはん

Herbalifeが2018年にアジア太平洋地域で行った朝食に関する調査では、「朝ごはんが最も重要な食事である」と答えた割合は68%でした。

この調査は計11ヵ国(オーストラリア、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム)の5,500人に対して実施されました。

同調査では、全体の平均を上回る72%のインドネシア人が「お昼ご飯や夜ご飯に比べて朝食が最も重要である」と考えていることが分かりました。

また朝食の習慣に関する質問では、88%ものインドネシア人が「朝食を家で食べる」と回答しました。

出典:msn, “Inilah Fakta Sarapan Orang Indonesia.” 14 April 2018.
https://www.msn.com/id-id/kesehatan/health/inilah-fakta-sarapan-orang-indonesia/ar-AAw3wmA(閲覧2019-01-25)

Herbalife, Asia Pacific Healthy Breakfast Surveyより弊社作成
https://edge.myherbalife.com/vmba/media/2AC53671-3B40-4B47-A95A-AE6B3864C356/Web/General/Original/2018_APAC_Healthy_Breakfast_Survey_Personality_Quiz.pdf(閲覧2019-01-25)

出典:msn, “Inilah Fakta Sarapan Orang Indonesia.” 14 April 2018. より弊社作成

https://www.msn.com/id-id/kesehatan/health/inilah-fakta-sarapan-orang-indonesia/ar-AAw3wmA(閲覧2019-01-25)

 

インドネシア人の朝ごはん、その内容は?

また同調査結果では、インドネシアの56%が朝食に炭水化物を摂っていることが分かりました。

またインドネシアは温暖な国ですが、41%の人が朝、温かい飲み物を飲んでいるようです。

では、いったいインドネシアではどのような食べ物が朝食として食べられているのでしょうか?

インドネシアでよく食べられている朝食には以下のようなものがあります。

①ブブル(bubur)=おかゆ

とてもポピュラーなメニューです。
ワルン(食堂)でも売っていますので、外食する人もいます。

②ソト(soto)=スープ

インドネシアで最もポピュラーなスープの一つと言えるでしょう。
その中でも、最もポピュラーなのはソト・アヤム(鶏のスープ)です。

③ナシゴレン(nasi goreng)

インドネシア料理として大変有名なナシゴレンですが、実は朝食として食べるのも一般的です。

④ナシウドゥック(nasi uduk)

ココナッツミルクで炊いたご飯を載せたワンプレートごはんで、家庭によって載せる具材が異なります。

 

ご紹介したものはインドネシアの代表的な朝食メニューです。これ以外にも、ご飯をバナナの葉にくるんで蒸したものに野菜スープをかけて食べる「ロントンサユール」といった料理も定番の朝食メニューです。

日本では朝食にパンを食べる文化が一般的なものとして浸透していますが、インドネシアでは“主食=コメ”の文化がまだまだ根強く、日本と比べるとまだまだパンはインドネシア全土に浸透しているものとは言い難いでしょう。

しかし、近年都心を中心にパンブームが起こっており、これからパンの消費量が徐々に増加してくる可能性は十分に考えられます。

近年の健康志向の上昇でインドネシア人の朝食も多様になっており、また地域によっても主食とするものが異なることもありますが、朝食が大切な物であるという考えは変わりません。

弊社では、インドネシア人のライフスタイルや食生活に関する調査、またセミナーを行った実績がございます。ご興味がある方はぜひお気軽にお問合せください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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