【アルビ―日記】コロナ禍でインドネシアに渡航するためのビザについて
新型コロナウイルスの感染拡大防止の水際対策として、インドネシアに渡航するために取得できるビザの種類は現在限定されています。
一時は外交官ビザ以外の発行を休止していましたが、昨年一部再開され、インドネシア到着時や日本に帰国後の隔離などは必要になりますが、必要であると認められればインドネシアに渡航することも可能となりました。
本記事は、Undang-undang No 6 Tahun 2011 Tentang Keimigrasian (出入国に関する2011年第6号法律)を元にし、複数の弁護士の見解、入国管理局の専門家等をヒアリングして書いたものです。
同法律では、インドネシア入国のためのビザは以下の4つに分類されていると記載されています。
1. Visa Diplomatik (外交官ビザ)
2. Visa Dinas (非外交官外国政府訪問ビザ)
3. Visa Kunjungan (訪問ビザ)
4. Visa Tinggal Terbatas (短期滞在用ビザ)
毎年外国から多くの人がインドネシアを訪れますが、主な目的として 1.Visa Diplomatic(外交官ビザ)と 2.Visa Dinas(非外交官外国政府訪問ビザ)以外が多いので、ほとんどのエージェントは、3. Visa Kunjungan (訪問ビザ)と4. Visa Tinggal Terbatas(短期滞在用ビザ)のみを紹介しています。
皆さんがインドネシアを訪問する目的はビジネス関連・観光・留学・家族同居がほとんどかと思いますので、 今回は 3.Visa Kunjungan(訪問ビザ)と 4.Visa Tinggal Terbatas(短期滞在用ビザ)について、ご説明します。
Visa Kunjungan (訪問ビザ)
訪問ビザには、シングル(一回)とマルチプル(数回)という種類があり、それぞれ分類番号が異なります。
シングルビザは基本的に訪問目的によって B211A・B211B・B211Cになりますが、マルチプルビザはその三つに対して一つの分類番号D212しかありません。
B211Aは例えば観光・家族訪問・ビジネス・社会文化的活動等が基本目的としています。
B211Cは、B211Aに加えて例えば、ジャーナリズム目的が加わっています。
Visa Ijin Terbatas (短期滞在用ビザ)
多くのサイトでは、短期滞在ビザや英語からの日本語訳の(special purpose visa)特別目的ビザと書いてありますが、ビザVisaと短期滞在許可KITASが混合して誤って理解する恐れがありますので、弊社は短期滞在『用』ビザという訳語を選びました。
短期滞在用ビザについては、種類がたくさんあります。
a.C311 国連関係の仕事目的のビザ
b.C312 就労ビザ
インドネシアで収入を得る活動は基本的にC312の就労ビザを取得する必要があります。
c. C313 外資法人立ち上げ目的ビザ(非就労)最長1年用
d. C314 外資法人立ち上げ目的ビザ(非就労)最長2年用
C314とC315の違いは滞在期間が異なるだけで目的が同じです。
e.C315 研修や研究活動用ビザ(非就労)
f. C316 留学ビザ(非就労)
g. C317 家族同居ビザ(非就労)
h.C318 元インドネシア国籍滞在ビザ(非就労)
i. C319 リタイヤ滞在ビザ
j. C320 ワーキングホリデービザ
があります。
現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、インドネシアはシングルビザ(B211)での渡航のみ受け入れを行っています。それに伴い、弊社もシングルビザ(B211)の電子ビザ取得サービスのみ行っております。定義通り、B211は観光目的でも使えますので、例えば長期間(60日)バリ島等を訪れたい場合、コロナ禍でも申請が可能です。
通常の申請方法に加え、例えばインドネシアに内資法人企業を作り、短期滞在許可を取得するという方法もあります。
内資法人企業とは、インドネシア人の名義で設立する法人となりますので、日本人が内資法人を設立しようとすると実質名義貸しに当たります。
インドネシアでは契約書に“名義貸し”と明記することはインドネシアの株式会社法に抵触し無効になる恐れがあり、裁判となって契約無効とされるケースもございます。
そのため、いわゆる“名義貸し”を使ってインドネシアで法人を設立したい場合、様々な構造の契約書を準備する必要があります。
インドネシアへの渡航を検討する際、インドネシア現地の会社よりスポンサーレターを発行してもらうことも可能ですが、すでにインドネシア進出を決めている場合は、内資法人を設立し、その法人がスポンサーとなってビザ手配の手続きをすることも可能です。
内資法人は外国人の雇用が可能です。しかし、全ての会社が外国人を雇用出来る訳ではないのです。
法人に外国人を雇うだけの十分な財力があるとみなされ、また事業内容から外国人を雇用する必要があると判断され大義名分が通る場合、外国人を雇用する事が可能です。
外国人の雇用目的=大義名分は書類(RPTKA『外国籍雇用計画書』)にて提出するため、入国管理局に強いエージェント若しくはコンサルティング会社とコネクションがあれば、基本的に通す事が可能です。
しかし、コネクションがあってもどうにもならない事があります。
それは会社の規模です。基本的に支払い込み資本金が1000Million(約800万円以上)なら一人か二人外国籍のスタッフを雇用する事が出来ます。
800万円以上手元にある場合、内資法人を設立して自分を雇用させるという方法も可能ですが、手元に800万円が無い場合、どうすればよいでしょうか?
実は、多くのコンサルタントがお金を『出し入れ』して何とか支払込み資本金が800万円にする方法もありますが、帳簿上の整合性に留意する必要があります。
資金の出し入れの例
必要な資本金 800万円
実際手元にある資金 300万円 の場合
インドネシアで会社設立するブローカーは基本的にビザ申請も可能ですが、会計や税務の知識は持ち合わせていないのが一般的です。
インドネシアで法人を設立したものの、インドネシア税務局から様々な指摘を受けたということで弊社にご相談いただくケースも多々あり、帳簿の整理をして税務局と交渉代理をした事例も多数ございます。
例えば手元に400万円しかない場合、二回か三回くらい資金の出し入れをする必要がありますが、口座からお金を引き出す時に『契約書』もしくは請求書などの書類を作る必要があります。
そして、P/Lでは、初月に400万円以上の経費を計上することになります。
では、インドネシアで内資法人を設立してビザを取得するための費用はどのくらい必要となるでしょうか。
コンサルタントによって異なりますが、基本的な作業としては下記の通りです。
a. 会社設立
b. 名義貸し契約書(一式)『ローン契約・質権設定契約・委任状等
c. 就労ビザ一連の書類作成
d. 会計処理
費用は70万円~150万円になります。合計費用がそれを下回ってくる場合は、そのコンサルティング会社が上記の業務をきちんとワンストップで行えているかどうか確認をする必要があります。
このように、滞在する理由も多々ありますが、就労可能な滞在許可を手に入れると強いですね。
インドネシアにおけるビザ取得や法人設立についてご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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