【コラム】インドネシアの果物事情について
インドネシアは赤道直下にある国で、殆どの地域が熱帯性気候に属しています。
年中暖かくて果物を育て易い気候です。西暦2000年以来インドネシアの果物の生産量は年々増加し続け、2020年の年間生産量は2480万トンでした。
また、インドネシアでは果物が市場や道端で売られており、人々は手頃に果物を手に入れることができます。
今回のコラムでは、インドネシアの果物についてご紹介します。
インドネシアにおける果物の消費量
まずはインドネシアにおける果物の消費量を見ていきましょう。
西暦2020年のインドネシアにける果物の1日あたりの消費量は88.56g/人でした。
この数字は、世界保健機関(WHO)が推奨している1日あたりの消費量150g/人と比較すると非常に低く、インドネシアにおける果物の消費量は少ないことが分かります。
インドネシアは大量の果物を生産しているのにも関わらず、インドネシア国民の果物の消費量が少ない実情を受け、ジョコ・ウィドド大統領は、国民に対してもっと国内の果物を愛し、多くの果物を消費する事を奨励しています。
インドネシアで特徴的な果物の種類について
ここではインドネシアの人々によく食べられている果物の中でも日本ではあまり見かけないインドネシア特有の果物をご紹介していきます。
ドリアン(Durian)
「フルーツの王様」と呼ばれるドリアンは、多くのインドネシアの人々に非常に好まれている果物です。
ドリアンの季節(5~9月)になると、沢山のドリアンが市場や道端に並べられ、皮を剥かず置いてあるだけで独特な香りがあたり一面に広がります。匂いが強いため、ホテルなどでは持ち込みが禁止されているところもある程です。
食べ方は、包丁で縦に切れ目を入れ、中の果肉を食べます。
その独特で強い匂いのため飲み込んだあとにも匂いが口に残ります。
食べ慣れていない日本人にとってドリアンは衝撃を受ける食べ物かもしれません。
また、ドリアンは果物だけでなくマルタバ(インドネシアのホットケーキのような食べ物)に入っていたり、チョコレートに入っており、インドネシアの人々に愛されている果物のひとつです。
マンゴスチン(Mangis)
「フルーツの女王」と呼ばれるマンゴスチンもインドネシアの人々に好まれている果物のひとつです。
マンゴスチンは他の果物と比較すると価格帯は少し高く、食べ方は、手で赤紫の皮を剥いて中の種を避けながら白い果実のみを食べます。
食感は、ブドウと桃が合わさったような柔らかさで、味はライチと桃が合わさったような甘く優しい味です。
独特な匂いもなく、日本人の好みに合う果物と言えるでしょう。
ランブータン(Rambutan)
ランブータンはその名前に含まれるRambut(ランブット)という言葉がインドネシア語で”髪の毛”という意味で、まるで髪の毛が沢山生えているように見えることからこの様に名付けられたようです。
このランブータンは味も食感もライチと良く似ていて、中には大きい種が一つ入っています。
食べ方は少し厚い皮を手でむいて食べるのが一般的です。
ドゥク(duku)
ドゥクは直径3〜4cmほどの小さい果物です。
薄い皮を剥くと半透明な果実が出てきます。
見た目はブドウのようで、味はブドウとリンゴを混ぜたような甘すぎず程よい酸味がある果物です。
雨季になるとよく市場で見かけることができる果物です。
皮が薄いため、簡単に手で皮を剥くことができ、中には小さい種が数個入っています。
その他にも、赤い艶々とした見た目で、りんごのような食感のジャンブアイル(Jambu Air)や、切ると断面が星になるスターフルーツなど、様々な果物がインドネシアの人々によく食べられています。
また日本人にも馴染みのあるマンゴー、バナナ、蜜柑といった果物もインドネシアの人々の間ではよく食べられています。
インドネシアには四季がありませんが、それぞれのフルーツによって旬の時期があり、地域によっても旬の時期は異なります。そのためインドネシアでも日本と同じように各時期の旬なフルーツを見ると季節を感じることができます。
WHOで推奨している基準と比較するとインドネシアの一人当たりの果物の消費量は少ないですが、人々の日常に果物は定着しています。
またインドネシア大統領は「このパンデミックの状況のなか、果物・野菜の摂取は人々の免疫力向上のためにも大きく寄与するもの」と位置づけており、今後はインドネシアの人々の健康意識の高まりにつれ、果物の消費量も増えていくのではないでしょうか。
また、インドネシア政府は国内の果物消費を増やすと同時に国外への輸出量も増加させたい意向もあります。
これまで、諸外国に多く輸出してきた実績のあるバナナ、バンゴー、パイナップルといった果物の他にも様々な果実を輸出できるよう取り組みを強化していくようです。
弊社では、インドネシアの農業についての調査やオンラインインタビューの手配なども行なっています。
またこの分野に限らずインドネシア進出のサポート等様々な角度から皆様のインドネシアに関する支援を行なっておりますのでお気軽にお問合せ下さい。
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