【コラム】インドネシアにおけるモスクについて
世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアには、イスラム教徒の礼拝堂である「モスク」が各地に存在し、2022年5月時点でその数は290,161棟にもなることが分かっています。
今回のコラムでは、インドネシアにおけるモスクについてご紹介していきます。
イスラム教徒にとってのモスクの存在
イスラム教徒は、毎日5回イスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカに向かい礼拝を行います。
礼拝場所は、モスクだけではなく、会社の礼拝所や家でも行いますが、金曜礼拝は必ずモスクへ行き礼拝を行います。
また、子供達がこのモスクでイスラム教について学ぶ習慣があったり、礼拝後イスラム教徒の人々がモスクの外で立ち話をしたりと、モスクはイスラム教徒の人々の交流の場所でもあり、とても重要な場所です。
また、モスクと同様に礼拝を行えるムショラ（Musholla）と呼ばれる礼拝場所もありますが、こちらはモスクを象徴するドーム状の形ではなく、モスクより簡易的なものとなります。
インドネシアでモスクが多い州
インドネシアでモスクが多い州のランキング上位5位は以下の通りです。
Databoks Jawa Barat Punya Masjid Terbanyak di Indonesiaを基に弊社作成（2022年7月16日）
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2022/05/17/jawa-barat-punya-masjid-terbanyak-di-indonesia
インドネシアで一番モスクの数が多い州は西ジャワ州で、59,243棟ものモスクがあります。
西ジャワ州は首都ジャカルタから近くインドネシアで人口が一番多い州で、イスラム教徒も多く、モスクの数が一番多い州です。
次にモスクの数が多い州は中部ジャワ州です。
中部ジャワ州は、インドネシアの五大都市の一つとされるスマランやボロブドゥール遺跡が有名なジョグジャカルタなど大きな都市が多く、これらはイスラム教徒が多い都市です。
また、中部ジャワ州と殆ど数が変わらず東ジャワ州にも多くのモスクがあります。
上図より、上位3位までは全てジャワ島にある州が占めていることが分かります。
また、インドネシアで一番イスラム教徒の割合が多い州は、スマトラの南にあるアチェ州で、州の総人口のうち98.57％がイスラム教徒です。
アチェ州には宗教警察が存在し、インドネシアの中でも特にイスラム教の信仰が深い地域としても知られています。
しかしアチェ州は、モスクの数で言うと上位５位に入っておりません。
イスラム教徒の割合が多くても、州の人口によってモスクの数が変わってくることが分かります。
また、インドネシアでモスクが一番少ないのはバリ州で、僅か250棟のモスクしかありません。
バリ州の宗教は、バリヒンドゥー教の信者が大多数を占めることがその理由です。
日本にあるモスク
日本にも、全国に約90棟のモスクが存在しています。
その中でも約15棟は東京にあり、また主要都市にはいくつかのモスクがありますが、地方にはモスクが少ないのが現状です。
日本のモスクで一番古いモスクは兵庫県にある神戸モスクと言われており、1935年に建てられました。
日本のモスクには、インドネシアの人だけではなく様々な国のイスラム教徒が集まり、モスクの周りには、ハラルフード店があります。
しかし、日本人にとってはモスクに馴染みがある人は少なく、モスク建設反対の声もあるのが実情です。
参考WEBサイト：https://www.halalmedia.jp/ja/masjid/
インドネシアへ行くと様々な場所で、モスク建設のための募金が行われております。
それ程モスクはイスラム教徒にとって非常に重要な存在であると言えます。日本ではその様な募金を目にすることは殆どありません。
今後、世界最大のイスラム教徒マーケットを受け入れるうえで、日本におけるモスク建設は非常に重要な課題と言えるのではないでしょうか。
弊社では、インドネシアにおける宗教をはじめとする現地の文化についての勉強会も行なっております。
ハラル対応については先日紹介させて頂きました【コラム】「ムスリムフレンドリーな観光地としてのインドネシア」を是非ご参照下さい。
また、弊社はインドネシアに複数の拠点があり、そこには様々なテーマに対応できるチームがあります。そして皆さまの様々なインドネシアビジネスにおける現地視察や現地マーケットや法規制等の事前リサーチ等の対応も可能です。
インドネシアについて、またイスラム教についてご質問やご相談がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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