【コラム】インドネシアにおける本と書店について

読書は、そこから新しい知識を得るためにも価値観を広げるためにもとても大切です。
日本では、オンラインで本を購入する人や、電子端末で本を読む人の割合が増えています。
本を入手するうえで、これらネットサービスを利用する人は実際に書店に足を運んで本を手に取る人よりも増えています。
インドネシアでは人々の本に対する需要や書店の状況はどうなっているのでしょうか。
今回はインドネシアにおける書店、本事情についてご紹介していきます。

インドネシアの書店について

インドネシアにおける書店の数は非常に少なく、2019年のインドネシアにおける大型書店の数は全国で313店舗しかありません。また、大型書店は大都市や州都などの中心地に多く存在しています。

インドネシアで有名な大型書店は8つあり、そのなかで店舗数が多い書店は下図の3つとなります。

出典:Gramedia Mendominasi Jaringan Toko Buku di Indonesiaより弊社作成(2022年)
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2020/05/18/gramedia-mendominasi-jaringan-toko-buku-di-indonesia#:~:text=Berdasarkan%20data%20yang%20dihimpun%20Komite,2019%20baru%20berjumlah%20313%20toko

店舗が一番多い書店は、Gramediaでショッピングモールの中に入っている書店としても有名です。
Gramediaでは、書籍以外にも文房具、事務用品、スポーツ用品、楽器など様々な商品を販売しています。
KarismaはGramediaと比較すると店舗は半数以下となりますが、教材書を多く取り扱っており、学生にとって欠かせない書店となっています。
Periplusは輸入書籍が多く取り揃えられている書店です。

このようにインドネシアにある大型書店の店舗数は多くはありませんが、書店により様々な特徴があることが分かります。
また、最近では大型書店がオンラインで本を販売しており、郊外の大型書店がない地域の人々もこのオンラインにより書籍を購入することが可能になりました。

参考WEBサイト:
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2020/05/18/gramedia-mendominasi-jaringan-toko-buku-di-indonesia#:~:text=Berdasarkan%20data%20yang%20dihimpun%20Komite,2019%20baru%20berjumlah%20313%20toko
https://www.gotomalls.com/articles/6-toko-buku-favorit-di-mall-surganya-para-pecinta-buku

インドネシアで人気な本のジャンル

インドネシアの本のジャンルを人気順にご紹介すると、一番人気は、「小説」で、続いて「ノンフィクション」、「ビジネス」となっています。

小説の中でも人気のあるジャンルは、「ミステリー小説」、「SF小説」、「ファンタジー小説」、「歴史小説」となります。
日本でも、小説の中でミステリーや歴史やSFは人気があり、これらは国を問わず人気の高いジャンルであることが分かります。
インドネシアで小説の人気があるのは、感性が豊かなインドネシアの人々に繋がる部分がありそうです。

参考WEBサイト:
https://news.nifty.com/article/item/neta/12225-161124008690/#:~:text=%E5%A5%BD%E3%81%8D%E3%81%AA%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%B7%8F%E5%90%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%201%E4%BD%8D,%E3%81%A719.2%EF%BC%85%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82&text=%E7%94%B7%E5%A5%B3%E5%88%A5%E3%81%AB%E3%81%BF%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%8B%E3%81%A8,%E7%B7%8F%E8%A8%88%E3%81%A8%E5%90%8C%E3%81%98%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

インドネシアにおける電子書籍

インドネシアでも電子書籍は普及しており、インドネシア国内に電子書籍の出版社もいくつか存在しています。
電子書籍を購読できるアプリケーションも多く存在し、無料で教材を購読できるアプリケーションもあります。
また、インドネシアの国立図書館は「e-Resources」というサービスを提供しており、オンライン上で資料や本を閲覧することが可能です。
これらのことから、インドネシアにおいても本のデジタル化が進んでいることが分かります。

しかし、紙の本と電子書籍を比較すると紙媒体の本の方が利用者が多く、現在のところでは完全に電子書籍へ移行することはなさそうですが、電子書籍が普及することで人々が本に触れる機会が増えることが期待されます。

参考WEBサイト:
https://crafters.getcraft.com/id-articles/penerbit-e-book-di-indonesia
https://e-resources.perpusnas.go.id/
https://www.kompas.com/tren/read/2020/09/28/184633365/jajak-pendapat-kominfo-tunjukkan-buku-fisik-lebih-diminati-ketimbang-e-book?page=all

今回のコラムでは、インドネシアにおける書店や本についてご紹介しました。
インドネシアでは、大型書店の店舗数が少なく、日本に比べると本に触れる機会が少ないように思えます。
インドネシアの教育大臣はインドネシアの人々の読書不足を不安視しており、インドネシアの人々が本に触れる機会を増やすことは国家レベルで非常に重要な課題と位置付けています。

全国に書店が11,024店舗あり、人々が本に触れる機会も多い日本の書籍業界の企業の皆様はインドネシアの人々の読書不足解決のためにできるアプローチがあり、同時にそこにビジネスチャンスも見出せる可能性も高いのではないでしょうか。

参考WEBサイト:
https://www.bunkanews.jp/article/219153/

弊社では、インドネシアの様々な分野の調査やサポートを行っております。
インドネシアビジネスのあらゆる分野の調査のご依頼・進出支援その他様々なお悩みにつきまして皆様のご期待に添えるサポートをさせて頂きます。いつでもお気軽にお問合せ下さい。

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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